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保住です。加齢臭が臭います・・・

豪  「真西豪です。身長189、体重95、年齢20です」

正也 「梶原正也です。身長176、体重65、年齢21です」

由美 「鷲田由美です。身長169、体重内緒。年齢20です・・・えっ、バスト?言う訳ないじゃない!」

上条 「上条仁です。身長160、体重同じく内緒。年齢18です・・・なんで私には聞かないのよ!」

保住 「保住だ。下の名前などで呼ばれたくない。身長150、体重99、年齢58」

風  「・・・・・163、55、20。バストはB」

福井 「福井信一郎です。身長は173、体重70、年齢は38です」

マリ 「福井マリ!五歳!身長は、周りのお友達と比べてちょっと高いくらい」

築地 「真白築地。198、105、年齢おそらく30代後半」

謎の男「フフフフ、名など無い、身長210、体重115、年齢?知らんな」

豪  「これで全員か?」

仁志 「さ、笹谷仁志!身長160・・・えっ?みんな?」

豪  「いや、お前はまだ出たら駄目だろ・・・」

仁志 「ご、ごめん」

小野寺「小野寺 駿!185」

豪  「お前はもっと駄目だ!」







藤原の死を見届け、二人はエレベーターを危険と判断し、地上を目指して階段を上っていた。

「ねぇ・・・豪」

「なんだ?」

階段の途中で服の裾を取られ、先に進めなくなった豪は後ろにいる上条の方を見た。

「私・・・今すぐにでも発狂しそうなの。だから、何か心の支えになるものが欲しいの。」

豪の服を掴む手はガタガタと震え、上条は今にも恐怖に押しつぶされそうになっていた。

「だ、だから、・・・もし、無事に脱出できたら、・・その彼女とかいるなら別にいいの。・・私と付き合って!」

「・・・はぁ?」

「いいの。所詮は、口約束なんだから、無事に脱出できれば、そんな女もいたなって思い出す感じで、いいから、今は『うん』って言って、私の心の支えになって・・」

今にも泣き出しそうな上条の顔を見て、豪は笑いだした。

「なんだ、そんな事か・・ならよ、もっといい約束をしようぜ。」

「えっ?」

そう言うと上条の腕を引っ張り豪は上条を抱きしめた。

「無事に脱出できたら結婚しよう。」

「は・・・はぁ?ちちょ、何言ってんのか、わかってんの?」

「子供は何人欲しいかな?・・・俺は、4人くらい欲しいんだけど。どう思う?」

「ねぇ、ちょっと、ちょっと!」

豪から離れようと腕を突っ張ろうとするが、そんな上条をさらに強く抱きしめた。

「大丈夫だ。・・俺達は生きて脱出できる。」

そう言う豪の腕も必死に隠しているが、震えているのが上条にも伝わってきた。

「脱出できたら、急いで婚姻届を出しに行こうな」

「うん・・・そうだね。ゴミ出しの日も分担しないとね」

そう言って上条も豪の背中に手をまわした。










「ねぇ、正也。さっきの続きなんだけど・・・」

黙々と歩き続ける正也達だが、順調なペースで敵とも出くわす事なく、ついに地下10階にまで辿りついていた。

「なぁ由美・・・」

「何?」

「・・・さっきは、悪かった。心にもない事言った・・・ごめん」

「ううん、気にしてないから、言って。淳がどうしたの?」

「・・そうだな。俺もいつ死ぬかわからないしな。」

正也は、後ろに付いてくる親子のペースが落ち始めている事に気付き小休憩を取った。

「もうすぐ、地上だ。もしかしたら、あのウイルスが街にも出ているかもしれない。けど、とにかく俺達の目標は、地上に出る事だ。後もう一踏ん張りだ」

階段の手前で正也達は腰を下ろした。

「お前が、中学卒業と一緒に、北東北の女子高に転向したろ?あの後、淳は豪の顔をナイフで切りつけたんだ。」

「そんな・・・」

「勘違いするなよ。悪いのは由美じゃない・・・卒業式が終わって、見送りに全員で行こうって豪が言い始めたが、淳だけが意地張っちまってな。動こうとしなかったんだ。それを無理に行かせようとする豪に腹が立って、淳の奴、豪を切ったんだ。・・それが高校に知れ渡って、淳は入学すらさせてもらえなかった。・・豪は、右目にでっけぇ傷作っちまって、今、あいつの右目には義眼が入ってる。・・・義眼の事を知っているのは、俺達だけだ。それこそ淳すら知らない。」

「私のせいだわ・・・」

「違う。淳が一番悪いが、豪もお前に気持ちを伝えなかったのも原因なんだ。」

「違うよ。豪はそんな気持ちで私を見てなかった。」

「そんな事はない。あいつは由美、お前の事を好きだったはずだ。何年、あいつとつるんでると思ってるんだ?」

由美は煙草を取り出し、口に咥えた。

その時、上の階で銃声が轟いた。

「みんなは、ここで待ってろ!生存者かもしれない。」

正志は、ライフルを構え螺旋階段を上がって行った。


正也が階段を上がると同時に、由美達の前に第二症状の化物が現れた。

「ゆ、由美ちゃん!マリと一緒に私の後ろへ!」

福井は化物に銃を構えるが、その手はガタガタと震えて引き金を引けるような状態ではなかった。

「福井さん!」

由美は、マリを抱きかかえながら、福井に叫んだ。

「む、娘を頼むよ・・・私は動けそうにない。」

福井は、少し後ろを振り返りながら、恐怖に顔を引きつらせ、無理に笑って見せた。

その覚悟を無駄にしないよう、由美は泣き叫ぶマリを抱きかかえて階段を上がり、銃声と父親の最後の叫び声を耳にしながら、正也の後を追った。

上の階に上がる階段を上がると、そこには正也の姿はなく、どちらに向かえばいいのか、由美にはわからなかった。

階段の前で立ち止まっていると、後ろからは化物が階段を上がる音が刻々と迫ってきていた。

そして、由美の右側にはまた新たに、第二症状の化物が飛び出し、由美は左に逃げることしか出来なかった。

左にはエレベーターしか残っていなく、由美は電気の回復したエレベーターのボタンを連打した。

「お願い、早く来て・・・・」

エレベーターがどこの階にいるかを示す電光掲示板は、B25と書かれ、そこから次第に数が減り始める。

階段から上がってきた化物も再び合流し、エレベーターの前で立ち往生する由美とマリにゆっくりと近づいてくる。

「グルルルルルル・・・」

化物は、目の前に立つ喰い物に喉を鳴らし、口からはよだれを垂らし、裂けた口はさらに笑みをこぼす。

マリは、その光景に由美に抱きつき、悲鳴を上げていた。

武器を持っていない由美は、正也がこちらに気付き戻ってきてくれる事を願うしかなかった。

エレベータは、ゆっくりと地下10階に近づき始め、ここのエレベーターが開くのと化物が襲いかかってくる時間との戦いでもあった。

エレベーターは、B15階を指し、あともう少しで由美達の所へとやって来そうだった。

14,13,12,11・・・・


チン・・


扉が開くと同時に、由美はエレベーターに入ろうと化物に背を向け、中に入ろうとするが、エレベーターの中にはすでに乗客が一人乗っていた。

「フシュゥゥゥゥゥ・・・ようやく、エレベーターが動いたと思ったら、見た事もない化物が二体もいるなぁ。」

両手に大きな包丁を手に持った巨人兵築地が、由美達に気付かずエレベーターから出てきた。

「さぁて、缶詰にされてた俺の準備運動をしてくれる相手は、お前達か?」

「ガルルルルルルル・・・!」

威嚇する化物たちだが、男から噴き出される異様な気配を感じ取っているのだろう、後ずさりをし始める。

「なんだぁ、威勢は格好だけかぁ?あまり俺を幻滅させるなよ~。さぁ!」

あくどく笑う男は化け物共に罵声を浴びせながら、突進していき、さっそく一体の腹に包丁を突き刺した。

素早く抜くと腹を抑える化物の上に包丁を振り上げた。

「ブルアァァァ!」

勢いよく振り下ろした包丁で、化物の体は縦に真っ二つに割れた。

「ハーハハハハハ!」

綺麗に裂かれた化物の前で声を上げて笑う築地。

そんな築地に隙を見た化物は猛スピードで築地に突進してくるが、それに気付いた築地は待ち構えた。

大きな衝撃破が由美達に襲いかかる。

「・・クッククククク、その程度か?」

化物の渾身の一撃を受け止めた築地は、口から血を流しながらも「ぬるい」と呟き、包丁で化物の首を撥ねた。

「温い、生ぬるい、温すぎる!クソ温い!・・・・ハーハハハハ!」

築地の異常性に、由美は思わず体を震わせるが、おそらくこの男に付いていけば、生き残れる可能性は上がると確信した。







「悪い、遅くなった。」

正也はそう言いながら、由美達が居た場所へ、レジスタンスの小谷野 達也。元海上自衛軍の小野寺 駿まさるを引きつれてやってきたが、そこに残されていたのは、福井の死体だけだった。

「そんな・・・」

気を落とし、その場に崩れる正也の肩を叩く小野寺。

「大丈夫だ。君の言う残りに娘さんと嬢ちゃんの姿はどこにもない。・・・きっと我々を君が救ってくれたように、誰か生存者が救ってくれたのかもしれない。」

「そうだ。正也、駿の言う通りだ。上を目指そう。もしかしたら、他の生存者と会えるかもしれない。希望を捨てるな。」

小野寺と小谷野に励まされ正也は立ちあがった。

「あぁ・・・・わかった。必ず見つけ出してやる」

正也の意気込みを聞き、小野寺は声を張り上げた。

「よし、俺達は地上を目指す。生存者を見つけるため、多少危険だが階段で上がって行く!あと少しで地上だ。気張って行くぞ。」

「「おぅ!」」









「じゃぁ月、水、金が俺が出すんだな?」

「そう、んで日曜日は、じゃんけんで負けた方!」

「言っておくけど俺、ジャンケン強いぞ~」

「私だって負けないから。」

「なら、勝負してみるか?」

学生結婚を済ませ、現在一人暮らしの豪の家に上条が住み込み、ゴミ出しの日について盛り上がりながら、廊下を突き進む二人の前に壁を突き破りながら第二症状の化物が二体飛び出してきた。

「なんだぁ?こいつらは・・・」

始めて見る化物に二人は、後ろに下がるが、どうも二人の様子がおかしい、どうやら二人で争っているようだ。

マウントポジションを取った化物は、下にいる化物の顔を殴り、意識を昏睡させると手の甲から鉤爪を出し、下にいる化物の胸に突き刺した。

「ギャオオオオオオォォォ・・」

「さっさと逝きやがれ!」

上の化物はそう言い、爪をさらに深く刺し込んだ。

「・・・くそっ、今楽にしてやるよ。」

それでも意識を失わない化物に対し、もう片方の手からも爪を出し、化物の首を撥ねた。

飛んできた首に思わず「ひぃ」と声を洩らす上条。

その声に上に跨っていた化物が気付いた。

豪は銃を取り出し、化物に向けた。

「無駄だ。俺に銃は効かない・・・・って、豪?」

残念ながら緑色の肌をした知り合いは今まで見た事がない。だが、濁った声だが、何となく聞き覚えのある声だと思った。

「・・・・まさか、仁志?」

「そうだょ。やっぱり豪だ!よかった~無事だったんだね。」

胸をなでおろす仁志を見て、銃を下ろす豪。

「そんな・・・なんちゅう恰好してるんだ。上半身裸で寒くねぇのか?」

「やっぱり豪だ~。その反応は絶対に豪だよ。」

「・・・・お前も感染したと言う事か?」

「・・うん。でも、不思議な事に、まだ食欲が出てきてないんだ。だから、化物に変わる前にホテル内にいる化物を退治して回っててんだ。」

「そ、そんな事より俺達と行動しないか?」

豪の言葉に仁志は首を横に振った。

「駄目だよ。豪・・・・俺は、いつ発狂しても、おかしくないんだ。・・・早く脱出して、俺は発狂する前に、このホテルを下から崩して行く。」

「そんな・・・駄目だ、そんな事!」

「ありがとう、豪。・・・でも、もう決めたんだ。間接的かもしれないけど、みんなを守るんだ。そうだ、これを預かってよ。」

そう言って仁志は、壊れたパソコンを手渡した。

「壊れちまったけど、それ以外に渡せるものが無くてさ・・・俺を地上に出してやってくれ」

「・・・・わかった。預かっとく、けどな、地上に出せる保証はないからな、地上に出したかどうか確かめに来い、いいな?」

「うん」

豪が約束だと手を差し出すが、触れることすら今では危うい。仁志は、手を上げて豪達の前から立ち去って行った。

「今の・・・豪の友達?」

「あぁ、餓鬼の頃から一緒だった奴だ。」

豪は、全員の無事を祈りながら、上を目指し歩き始めようとしていた。

「こんな所で何をしている。」

豪の前に立ちはだかったのは黒いレインコートを羽織った男だった。

「お前は・・・・」

謎の男を目にした途端、奴と戦った記憶が蘇り始める豪。

「ぐあぁぁ!」

頭に酷い激痛が走り、頭を押さえながら地面に倒れる豪。

「豪、豪!どうしたの?」

「仁!・・離れてろ!」

豪はそう言うと、立ち上がり男に向かって走り出した。

「何故だ。何故、武器を持っていない。」

豪は、男のどこでもいいから掴もうと手を伸ばすが、男は豪の攻撃をスルリと交わした。

よくわからないが、黒いコートの下からは緑の肌が見え、上条も豪の戦いに加わり、蹴りを中心とした攻撃を繰り出すが、二人のコンビネーションを意図も容易く、男は交わした。

「ほぉ、いい素材がここにもいたか・・・」

「させるか!」

男は上条に手を伸ばすが、その前に豪が体を張って止めた。

男は、豪の首を掴み持ち上げた。

「豪!」

上条は、高くそびえ立つ大男の顔に蹴りを入れようと、高くジャンプし右足を繰り出すが、男の腕に防がれ、男は上条を壁に吹き飛ばした。

「ひ・・・ひろし」

自分の体重に締め上げられる豪は、男の指を外そうとするが、鋼のようにビクともしない。

「ん?・・・・そうか、お前、死んでいないな」

「・・・な、なんの・・ことだ。」

「死してなお、生を求めよ」

男は不気味に笑いながら、豪の首を締め上げる。

「カッ・・・アッ・・」

豪の首が、悲鳴を上げるたんびに豪の口からは声が漏れ、その光景を動かない体を無理に動かしながら上条は見た。

「嫌・・・豪、そんなの嫌」

豪は顔を歪ませんがら、上条に逃げろと言う意味で首を横に振った。

だが、上条はそんな豪の促した動作に対し首を横に振った。

そして、異変を感じ取った仁志が、豪達の元に駆けつけた時には、鈍い音が廊下に響き渡り、男が豪を手放していた。

「豪ぉぉぉぉ!・・・・・てめぇーーー!」

仁志は、両手から鉤爪を出し、大男に向かって走り出した

振りかざす仁志の攻撃を交わし、大男は呟いた。

「お前もだ。何をしている。それは一体何のための武器だ。」

「てめぇを切り刻む武器だ!・・よくも幸助と豪を!」

仁志の素早い攻撃を意図も容易く交わす男。

「フフフフ・・・感情に流されたな」

「違う!お前を倒せば、これ以上被害が出ない!・・・俺は自分の意思で戦ってる!」




「ねぇ・・・豪、嘘でしょ。起きてよ」

男と仁志が戦いを続ける中、上条は自分の体を引きずりながら、地面に倒れる豪の元にやってきた。

豪の首には男の手の模様が浮かび上がり、呼吸すらしていなかった。

「私達、脱出できたら結婚するんでしょ!・・・こんな所で死なないで!私、キスもそれ以上の事も豪とやってない!ヤダよ・・そんなの」

男は銃を取り出し、仁志の肩に銃口を当てた。

銃声が鳴り響き、仁志は肩を押さえながらその場に倒れた。

「・・・・ねぇ、眠る姫を助けるのは王子様だけど、それは逆でもいいのかな?」

上条は、豪の体を大事に抱き上げた。

男は、両手に銃を構え上条の元へ歩み寄ろうとするが、仁志が男の足に爪を突き刺した。

「豪の元には行かせるかよ・・・」

「フフフフ・・・無理とわかっていても抗うか。それもまた良しだ」

男は突き刺さった爪を引き抜き、仁志の顔に蹴りを入れ、仁志は壁を突き破りながら、飛ばされた。

だが、土煙が舞う中から仁志は飛び出し、男に向かって行った。

上条は、目を閉じて眠る豪の唇に自分の唇を近付けた。

唇が触れた途端、電撃が走るだとか書いてあるが、そんなのは嘘っぱちだと言う事がよくわかった。

下手だとか上手だとかそう言うのは、あるかもしれないが、動かない豪に聞こうにも聞く事が出来ない。


その時、豪の指先が動き、それに気付いた上条は顔を離し、豪の顔を窺った。

「・・・豪?」

「・・・そんな事されて起きない男がいるとしたら、見てみたいもんだね」

豪は、折れ曲がった首を手で直しながら、立ちあがった。

腰元に手を置き何かを引き抜く動作をすると手には黒い太刀が現れ「離れてろ」と上条に言うと豪は向こうで戦っている二人の元に駆けて行った。

「仁志ぃ!そいつから離れろ!」

交戦中の仁志にそう言うと、仁志は何故、豪がそこにいるのかわからないが、とにかく豪の指示に従った。

「フフフフ、さて、第二回戦と行こうか・・・」

男は銃を構え、引き金を引くが、飛んで来る弾丸を一つ残らず叩き落とす豪は、そのまま男に向かって突き進み、刀の間合いに男を捕えた。

力強く柄を握り締め、男は後ろに飛び退くが、豪もそれにくっ付いてきた。

「フェイントだよ。ボケ」

豪は刀を下から上に振り上げ、男の腕を切り落とした。

銃を握った男の腕が、地面にゴトッと音を立てながら落ちた。

「フフ・・いいだろう。それでいい」

男はそう言うと、再び姿を消した。

豪は刀を鞘に収め、深く息を吐いた。

「豪・・・その武器はなんだ?」

謎の身のこなし、そして黒々と光る刀を見て、肩を押さえながら仁志が近づいてきた。

「それに、首は?」

「あぁ・・・・どうやらそのウイルスってのは、人間以外にも感染するらしい。・・・この刀は、ウイルスに侵されてる。刀を手にした奴を喰い散らかそうとしてるんだ。死んでみてようやくわかった。」

男の弾丸で腕には大きな穴が開いていたが、その穴もみるみる閉じて行った。

「そして、この銃もおそらく感染してる。」

落ちている腕から銃を奪い、豪はそう言った。

「この刀ほどじゃないが、この銃も多くの人を喰らっている。」

「豪!」

そう言いながら豪の背中に抱きついてくる上条。

「よかった・・・死んだと思った。本当に怖かったんだから・・・」

「あぁ、心配かけたな。」

そんな二人の中を邪魔する訳にはいかないと、仁志は今度こそ、下に向かうと言って豪達から離れて行った。







人口4万人の小さな町に大きなホテルと、大きなテーマパークがあり、この街の主な収入源はその二つが大部分を占めていた。

街を歩く人たちの3人に1人は、観光客といったリゾートとして、成功した町の一つである。

だが、その街は今、混乱を極め、あちらこちらに火の手が上がっていた。

「これは・・・・」

あまりの惨劇に言葉を失う小野寺と小谷野。

「落ちつけよ。こうなっていることぐらい、少しは予想できたろ。」

ホテルのロビーから出てくる正也の冷たい発言に、冷静さを取り戻す二人。

「しかし、これはあまりにも・・・どうやって脱出しろと言うんだ」

「あぁ駿の言う通りだ。・・・これからどうする。」

「そんなの決まってんだろ。達也、レジスタンスは、どうやってここから脱出しようとしてた。」

元レジスタンスの小谷野に正也は尋ねた。

「・・俺達のヘリを使うと言うのか?」

「それいがいに、脱出方法があるのか?」

「いや、無いな・・・だが、残念なことに、どうやらヘリでの脱出も無理だ。・・・もう火の手が上がってる。」

ホテルの広い駐車場の一角で、何機ものヘリが音を立てながら、燃え上がっていた。


三人はとにかく、移動手段を車にしようと生き残っている車を探し、中に鍵があるか確認していた。

「おぃ、あったぞ」

小谷野の言葉で、二人は小谷野の元に近寄ろうと動くが、地下の駐車場からなにか大きなエンジン音が聞こえ始めた。

「まさか・・・・」

正也がそう呟くと、地下駐車場の出入り口から一台の車が飛び出し、二人の上を飛んで行った。

「馬鹿野郎!気をつけろ!」

小野寺は、走り去ろうとする車にそう叫んだ。


車を運転する風は、バックミラー越しに二人の生存を確認するが、保住が「放っておけ」と後部座席から言い、風は再び運転に集中した。









~おまけ~

小谷野「小谷野達也。身長178、体重80、年齢はわかりません。多分21です」

小野寺「小野寺駿。身長185、体重83、年齢28です。三年間、海上自衛軍に所属、退役した後、警護官としてホテルにいました」

仁志 「笹谷仁志です。身長160、体重65、年齢は21です。緑の化物になってからは、体重が100を超えてるみたいですが自覚なしです」

正也 「えっ・・・仁志、お前チビのくせに、デブにもなったの?」

仁志 「えっ・・・いや、そうだけど、体格的にはそんなに変化はないからさ・・・」

豪  「いや、腹が出てたな・・・」

上条 「あっ、私もそれ思った」



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