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 ダンから聞いた『怪しい集団』目撃の地点に到着。

 そこは変哲のない建物だが──治安局によって封鎖処理されているようだ。


「お兄さま。ここはガルリ教の都市支部ですわね。王政府よりカルト教団に認定されていながらも、都市内に支部があったことが、問題になっていましたわ。都市議員にガルリ教徒がいたと判明し、この支部も閉鎖されたはずですが」


「そうなのかぁ」


 ガルリ教って、邪神を信仰している変な人たちだったっけ。


「うふふ。お兄さまのように知見が深いかたには、不必要な説明でしたわよね。いつガルリ教が、冒険者協会の討伐対象組織になるかわかったものではありませんもの。もちろん用意周到なお兄さまは、すでにガルリ教について、詳細に調べていることでしょう。あっ、分かりましたわ。ダンさんから『怪しい集団』の目撃情報を聞いたとき、ガルリ教が関係あると、すぐに見抜いたのですわね?」


「そうなんだよ、そう、そう」


 妹にめちゃくちゃ買いかぶられるの図。


 えーと。おれの灰色の脳細胞が、億劫そうに考えるに。

 ガルリ教徒が魔物たちを扇動して、都市を襲わせた? 真の目的は、自分たちの支部に入るために? いくら閉鎖されたから自由に立ち入れなかったにしても、そんな大げさな計画を立てるものかな。


 こういうときは、突撃あるのみ。


 というのもガルリ教徒の支部は、外部からの侵入痕跡を発見。『怪しい集団』の痕跡とみた。まだ建物内にいるならば、捕まえておこう。


「コレット、おれから離れるなよ」


「はい、お兄さま」


 支部内に入ったとたん、敵から攻撃を受けた。こっちの気配を察知されていたようで。

 火炎をまとった斬撃が飛んできて、おれはとっさに片手剣でガードしたが、想定以上の衝撃力で飛ばされた。


 だいたい攻撃の強さというのは、衝撃力と貫通力で数値化できる。

 いまのは衝撃力50~60というところか。ようは《グラディエーター》ジョブで防御できない。


 姿を現したのは、長身の女。燃える剣を装備している。


「われらの拠点に無断で踏み入るとは、命が惜しくないようだな」

 とのこと。


 あの炎が魔法生産なのは確かなので、魔法剣士か。うーむ。それって、最上位ジョブなんですが。


 あ、しまった。『大好きなお兄ちゃん』が一方的に攻撃を受けて転がったことによって、コレットが失望し、ストレス数値が跳ね上がってしまうかもしれない。


 慌てて見やると、コレットは思いがけなく、穏やかな様子だ。

 実際、ストレス数値は7と安定している。

 うーむ。ストレス数値が安定しているのは結構だが。お兄ちゃん、ピンチなんですが?


「コレット?」


「お兄さまが、『はじめは手加減してわざとピンチになってから本気を出して無双する』作戦でいることを、わたくしは承知しています」


「あー、そう、そう。そうなんだよ。本気はかけらも出していなかった」


 いや、けっこう全力ガードだったんだけども。

 妹が盲目的に信頼してくるのも、考えものだよな。


 立ち上がって片手剣を地面に突き立てる。


「じゃ、ジョブチェンジで」

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