表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/13

8

 

 ダンが『怪しい集団』を目撃した地点へと、おれは向かう。妹のコレットとともに。


「お兄さまが任務を果たすところを、こうして見守ることができて、わたくしは幸せですわ」


 コレットが寄り添ってきて、そう言ってきた。

 さて、ストレス数値は3で安定中。不思議だ。なぜかある条件下では、コレットのストレス値が爆上がりしてしまうのは。その条件を見出さねば……。


 あれ。これって妹とデートしているようなものじゃない? 今日は人生で最良の日となるとみた。


「あっ、お兄さま。あちらの民家に浸入する者たちが」


 いまおれとコレットが移動しているのは、まだ魔物たちが襲来していない地点。つまり第二防衛ラインと都市中央の真ん中の、ちょっとした空白地帯。

 そんなところで武装した男たちが、民家に入り込もうとしている。


 しかしここはまだダンの目撃した地点ではない。それにあれは『怪しい集団』というより、ただの武装強盗犯たち。


「あいつらは、ただの武装強盗のようだな。治安局のものたちも防衛部隊にまわされているから、この隙に強盗に入るつもりらしい。ダンが言っていた『怪しい集団』とは違うようだ。だからといって、見逃せにはできないな」


 くだんの民家に入ると、三人の武装強盗犯が、家の者たちをロープで縛っているところだった。


 強盗犯の一人が、こちらに気づく。


「なんだてめぇ、殺されてぇのか!」


 手斧片手に襲ってくる。いや、まてまて。おれはサボりがちでも、A級冒険者だぞ。なめてくれるなよ。

 素手で強盗犯たちを叩きのめして、連中が持ってきていたロープで拘束する。


「どうされるのですか、お兄さま? この捕らえた強盗犯たち、治安局に引き渡しますか?」


「いまはそんな時間はない。おれの読みが正しければ、『怪しい集団』と襲来中の魔物群には繋がりがあるはず。つまり、いま核心に迫ることができるのは、おれたちだけということだ」


「さすがの推理力ですわ、お兄さま!」


「いやぁ、この程度で、照れくさい」


 というわけで、強盗犯たちを連行している余裕はない。さすがに殺すのは気の毒なので、もう悪さをできないよう、両手足を切り落としておくことにした。


「お前たち、両手足を切り落とすだけで許してやる」


 と、おれが宣告すると、となりでコレットが感動している様子。


「お兄さま。公平かつ明晰な裁きですわ!」


 しかし強盗犯たちは反論があるらしい。


「ふ、ふざげるんじゃねぇ! 強盗なんてせいぜい5年の服役で済むぞ!」

「てめぇが裁判官の真似事をするな!」

「いい加減にしろよ!」


「残念ながら、S級冒険者は緊急の場合、人を裁くことができる。ちなみにおれはA級だが、S級の友達が多いので、S級みたいなもんだ」


 一人目の両手のロープを解いてから、まずは右腕の付け根へ狙いをつけ、片手剣を振りかざす。


「や、やめろぉぉぉぉ! 助けてぇぇぇ!」と泣き出す強盗犯。


「何事も代償ははらうことになるんだ。強盗なんかする前に気づくんだったな」


 振り下ろしたところ、安物片手剣の切れ味が悪くて、半分しか切断できなかった。


「ぎゃぁぁぁあああああ!!」と強盗犯。


「悪い悪い」


 片手剣を連続で振り下ろして、ばっさりと斬った。次に左腕で、さらに右足、左足。

 そこから作業的に、残りの強盗犯たちの手足も切り落とす。

 ざくざくざくざく♪

 うーむ。しかし切れ味がそんなによくないので、けっこう苦労した。悲鳴がすごくて耳がきーんとしてきた。

 切断後、失血死しないよう、切断面に藁を詰めておく。


「藁で止血ってできるのかな」


 コレットが頬を上気させて、おれを見上げる。見よ、ストレス数値は0!


「あぁ、お兄さま、素敵な手際でした。悪をさばきながらも慈悲も示す。わたくし、間近で見ることができて、幸せですわ」


「そんなに褒めないでくれよ。じゃ、『怪しい集団』捜索に戻るとしよう」

高評価、ブックマーク登録、お願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ