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13

 まてよ。

 この魔水晶には、鍵穴らしきものがある。魔水晶が魔物たちを呼び寄せているのならば、それを解錠するための鍵が必要だ。


 基地外の老人の頭部粉砕の死体を検分したが、鍵は所持していなかった。念のため飲み込んでいることも考えて、腹を裂いて、内臓も引き裂いてみたが。


「あー、気持ち悪い仕事だなぁ~」


「お兄さま、あちらの祭壇に鍵のようなものがありますわ」


「そっちか。死体損壊する前に気づいて欲しかった」


 祭壇から鍵をゲット。これを魔水晶の鍵穴に差し込めばいいわけだ。


「鍵を鍵穴に入れることで、魔水晶の『魔物呼び寄せ』が解除され、この都市は救われることになる。たぶん」


 慎重に、鍵穴にゆっくりと差し込んでいると、なぜかコレットが熱っぽいまなざしで見ていた。なんか吐息が甘い。


「どうした、風邪か?」


「お兄さま、これはまるで、あれの暗喩のようではありませんか?」


「あれって、なに?」


 マジで意味が分からなかったので、真面目に聞いた。

 するとコレットは耳まで真っ赤にして、しかしなぜか鍵と鍵穴から目を離さずに、妙に恥じらいつつ言った。


「お兄さま、わたくしに、それを言わせるのですか?」


 なんなんだろ。

 見ると、コレットのストレス数値が、ぐーんと跳ね上がっているではないか。


 このとき、ガーガ先生の言葉が想起された。ちなみにガーガ先生とは、我が家のかかりつけの医師であり、コレットの【バーサーカー】化の条件発動についても、解説してくれたものだ。先生いわく、ストレスというのは、必ずしも不愉快なことばかりで上がるものではない。

 何か精神が急激に興奮したときも、ストレス数値も上がるのだ、と。


 え、何か興奮しているの? コレットは、いまいったい、なにに興奮しているの? というか、なんで鍵穴に鍵を入れるのを見ているだけで興奮できるんだ? どうすればいいんだ? 抜くか? いったん鍵を抜こうとしたが、いやそれでは、魔物襲来を止めることができないと思いなおし、やはり入れなおした。


 可愛い妹が、なんか艶っぽく叫んだ。


「あぁ、そんな激しく抜き差しされては!! コレットはもう──」


 で、ストレス数値が一気に123になった。

 98なんて、もう一瞬で駆け抜けたよ。


「訳が、わからない」


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