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 無駄に家屋へ被害を出してしまったので、これはあとあと弁償させられる可能性が高い。こういうとき、おれは思うね。黙っていようと。


 ジョブを【グラディエーター】に戻してから、せっかくなので支部内を捜索しておくことにした。よくよく考えると、冒険者に家宅捜索する権利はなかった気がしないでもないが。強盗の手足を切ることは許されも、カルト教団の支部に不法侵入する権利がないというのも、変な話だな。協会への報告書には書かないでおこう。これで完璧。


 しかしカルト教団の支部のくせに、これという風変わりなところもない。ただの変哲のないオフィスのような感じだ。もっとこう、髑髏がかざられていたりして、心躍るものを期待していたのだが。


 おれがあくびしていると、学院でもナンバー1の学業成績だったコレットが──それなのに市役所に努めねばならなかったのは、この国の階級制度のせいである。おれがもっとやる気に満ちている兄だったら、妹のため国を破壊しているところだ。いや、ほんと、平和主義でよかった、


 とにかくコレットが隠し扉を発見。そこから地下へと続く階段が現れ、あらためて安物片手剣を手に、おれはコレットを後ろにして、階段を下りていった。


 その先はちょっとした地下宮殿という具合。生きたまま皮をはがされ、というかまだ息のある人間たちが、たくさん天井から逆さ吊りされていた。ここのところ方不明者が多いと聞いたが、カルト教団の仕業だったのか。


「ここまでそれっぽいのは期待していなかったんだ、が」


 地下の宮殿の中央に、脈動する魔水晶がおかれてあった。さては、これが魔物たちをこの都市へとおびき寄せているアイテムなのか。


 おれがその魔水晶を取り上げると、影の中から老人が飛び出してきた。


「おのれ、われらが祭壇を汚すものはなにものか!」


 びっくりしたので魔水晶を振り下ろしたら、その老人──カルト教団の一員なのか間違いない──の脳天にぶちあたり、頭蓋骨がぼこりとへこんだ。


「ふむ。鈍器にも使える」


 なんか不気味な老人だったので頭部が粉砕するまで、魔水晶を振り下ろしまくった。すっかり跡形もない無残な死体になったので、これはこれでグロい。

 それから額の汗をぬぐう。


「なんか怖いから帰ろう」



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