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人間さん、ありがとう

作者: たなか

 私は人間さんのことが苦手でした。頭が悪くて下品で野蛮な生き物だと偏見を持っていたからです。お世話当番が回ってくるのも嫌で嫌でたまりませんでした。でも、実際に人間さんと接してみて、私の勝手な思いこみだったと分かりました。


 人間さんは、とても賢くて、大人しくて、優しかったです。言葉を教えれば会話による意思疏通もできるようになりましたし、どんなお願いも素直にきいてくれました。


 休み時間は、人間さんとかけっこをしたり、かくれんぼをして遊びました。人間さんは変形や擬態ができないのに、走ったり隠れたりするのがとても上手でした。


 人間さんの遠いご先祖が住んでいた星の歴史や、そこから私たちの星にたどり着くまでのスリル溢れる冒険話を聞くことも毎日の楽しみでした。放課後、ケージの中で私たちに手を振る人間さんは、少し寂しそうでした。


 人間さんと過ごした1年間は、とても楽しくてあっという間でした。


 だから、あの日の給食は今までで一番待ち遠しくて、だけど永遠に訪れてほしくありませんでした。私は「おいしいなあ、おいしいよお」と号泣しながら骨も皮も残さず食べました。クラスのみんなも同じように泣きながら食べ、食べながら泣いていました。


 私は、人間さんのおかげで命の大切さ、尊さを学ぶことができました。将来は人間さんの牧場や研究所など、人間さんに関わる仕事をしたいと思っています。


 人間さん、ありがとう


『命の授業を通して考えたこと』(人間語版)


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― 新着の感想 ―
[良い点] センス・オブ・ワンダー! [一言] <人間牧場>を上手く作文に落とし込みましたな! 不謹慎ですが異星の子供たちの情緒育成には最適な食材かと。いや最悪なのか? お見事でした!
[一言] いずれ交配による品種改良で、高価なブランド人間さんが生まれそう
[良い点] 本当は怖い食育のおはなし でも命に感謝していただくのは大事な事ですよねー自己満足でも 苦難の末にたどり着いた新天地で現地種族に美味しく頂かれてしまう人類……あら、ファンタジーやSFなら割…
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