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ガチャ転生 〜ボクっ娘は異世界を謳歌する〜  作者: むに
第二章 成長と家族とボクっ娘と
31/59

閑話 今は無き夢幻


シルビアの前世に起こったこと


さてこの話はシリアスです。

と言うことでこの話を見る前に

シリアスと三回唱えましょう

この話がシリアスに見えてくるはずです


決して!決してコミカルやらシリアルとかを

唱えないでください、えぇでは皆さん一緒に


シリアスシリアスシリアス






夢を見た、それは遙か過去の夢

そして転生してからは、見なくなった夢






––––––––ボクには中学、高校、大学と

同じ学校に通っていた後輩が居た

元々社交的じゃ無く友達の居ないボクに話しかけて

来たのが後輩だ


初めて会ったのは中学の図書室、ボクが放課後

本を読んでいると、一人の女子生徒が入ってきた

ボクは気にせず本を読んでいると


「えっと、すみません」


と、彼女は声を掛けてきた


「……なにかな」


ボクは読書の邪魔をされ不機嫌になりながら

言葉を返すと


「あの勉強用の参考資料を探してるのですが」


と聞いてきた


「うん?なんの?」


「ええと、数学が全く分からないのでそれを」


そしてボクが取りに行ってあげると


「ありがとうございます」と言って図書室で

勉強し始めた


ボクは気にせずに読書を再開したが

隣から「うーん」とか「訳わかんない」とか言う

声が聞こえてきたから、つい説明してしまったら


「先輩って、すごい教えるのうまいですよね!

私全く分からなかったけど先輩に教えてもらったら

すぐに解けました!」


と嬉しそうに微笑んだ


それがボクと彼女の初めての出会い

そしてそれがキッカケで友達になった

当初はなにも思ってなかった

けど、高校ぐらいになると

彼女ともすっかり打ち解けて


「せんぱーい、訳分からない問題が多すぎて分からないんですけどー」


と、タメ口をきくようになった


「あのね、君が言ったんだからね、ボクと一緒の大学に行きたいって」


「そうですけど〜、難しすぎなんすよー」


「ハァ、ここはね––––––––––––」


そんな風な日常が続いていた

………あの日が来るまでは




ボクが大学二年生になり、後輩も入ってきた年

事件は起こった……




その日は、サークルがありいつも一緒に帰ってた

後輩に先に帰ってもらっていた


ボクも帰ろうとした時だった

スマホが振動し、着信音が鳴り電話が来た事を知らす

誰だろう?と画面を見るとそれは後輩の母親だった

どうしたのかな?と思い電話に出ると


「はい、もしもし○○ですけど、どうしました?」


『○○ちゃん!大変なの!□□が、□□が!

トラックに轢かれて意識不明の重体なの!!

急いで△△病院に来て!』


それを聞いた瞬間血の気が引き

そして、えっ?と自然に口に出てしまった


(□□が、トラックに轢かれて……)


頭がどうにかなりそうだった、そんな訳無いと

どうせあの子のイタズラだと願いながら、

急いで病院に向かった







病院に着き、病室に行った、

そこには涙を流す後輩の母親とボクの母親が居た

そしてベットの上には後輩の姿があった


その姿は悲惨で、足と腕は包帯でグルグル巻きにされ

呼吸器や点滴を付けた変わり果てた姿だった


「ねぇ、起きてよ!起きてよ□□!いつもみたいに

イタズラなんでしょ!起きて、起きてよ」


だんだん言葉は弱くなり代わりに涙が溢れ出てくる


「ぐす、なんで、なんで□□がごんなことになってんだよ、□□、ボクと一緒の大学に通えるの楽しみにじでだじゃ無いか!お願いだ、□□!起きてくれよぉ」


顔が涙と鼻水でグシャグシャになりながら

ボクは叫ぶ、そして願う、

お願いだ、神でも悪魔でもいい□□を助けてくれ、と

当然、その願いは叶えられる事もなかった

しかし奇跡は起きた、なんと起きないと思ってた

□□が目を開けたのだ


「□□!」


□□はこちらに目を向け


「……な…にそんな……顔してん……すか…先輩……

に…は笑顔が……似合っ…て…る…すよ……」


そう歪な笑顔で語り掛ける□□


「□□!喋っちゃダメ!安静にして!」


「い…や…もう…無理っすよ……」


そんな悲壮的なことを言う□□


「なんでそんなことわかるの」


ボクが俯きながら言う


「そ…りぁ……自分の……体……なんすから………

……わ…かります…よ……私が……永く……無い事も」


ボクは目を見開いた

そんなこと、あるはずが無い、あってはならない!

□□を失うくらいならいっそのこと–––––



「…先…輩……ダメ…っす…よ?……自殺……とか

……したら……」


「!」


「…その…顔は……図星……っすね…けほっ!けほっ!」


急に咳き込む□□、ボクがオロオロしていると


「……そんな……慌てた……先輩…初めて……見た気がする……っす」


「………そりぁ、慌てるよ…□□が居なくなったら

ボクは一体どうすればいいんだよ!」


□□は驚いた顔をしながら言葉を紡ぐ


「それ……だけ……私を…想って……くれてたん……

……っすね」


「あぁ!そうだよ!だから□□も!」


「無理っす……私には……も……う時間が…………

…無いっす」


「嫌だ!嫌だよ、□□が死ぬなんて、嘘だと言ってくれ!」


「…先……輩…最後に……お願い……しても…………

……いいっすか?」


「あぁ、なんでも聞くだから!」


「……私の……代わりに…幸せに……生きて……

……ください…」



ボクが反論しようとした瞬間、現実は非情のようで

ピィーーと言う音と共に心電図の数値がゼロになった


「なっ、なっ!」


もう限界だったのだろう、□□が死んだと言う

ストレスにより、ボクは気絶してしまった。






あれから数日後、ボクは実家の自分の家に

引き篭もってしまった、□□が死んだという

事実が重く心にのし掛かって何かをやる気が

まったく起きないのだ


そうして数日間ベットの上で横になっている

そうしているとドンッドンッという階段を

上ってくる音が聞こえた

どうせまた、部屋から出なさいとか母さんが

言いに来たのかな…とうんざりしていたら


鍵を閉めてるため、ガチャガチャとドアノブの音がし

ボクの姉の声がする


「○○!良い加減しないとドアを蹴破ってでも

入るよ!」


そんな事を言ってるがきっと嘘では無いだろう

姉は柔道や空手などの段を持つ人なのだ

木製のドアを蹴破るなど容易いだろう


だがドアを開ける気力も無く動かないでいると


ドガァン!、と凄い音がして姉が入ってきた


「○○いつまでそんな風にメソメソしてるの?」


「………」


「□□ちゃんの言ったお願いも守らないで引き篭もってる人がなにしてるの?」


「!」


ボクは瞬時に座り


「……お姉ちゃんに何が分かるの」


不貞腐れたように呟く


「そりぁアンタの気持ちは分からないけど

□□ちゃんの言いたかった事は分かるよ」


「………」


「○○には分かる?□□ちゃんの気持ち

アンタに幸せに生きてほしいってね

どう言う気持ちで言ったのか分かる?」


「………」


ボクは沈黙で返す


「ま、分からないわよね、アンタ鈍感だし、

□□ちゃんはね、アンタのことが一人の女として

好きだったそうよ」


その事に驚く、そんなそぶりを一切見せなかったからだ


「な、んで」


「アンタの不器用ながら優しいところとか、たまに見せる可愛いところが好きらしいわよ、アンタに

言う勇気が無いからアタシに言ったんですって

自分の妹の後輩の惚気話聞かされるこっちの身にも

なって欲しいものだよ」


「……ボクも好きだった、□□のこと」


「一人の女として?」


「うん……」


「まぁそうでしょうね、まぁそんな事はいいのよ

問題はアンタがそれでいいのかって話、アンタがもし

□□より先に死んで、すぐに□□ちゃんが来たらどう思う?」


ボクが先に死んで、□□がすぐに死んでくる?

それは……


「悲しい……」


「でしょう、□□の為に生きなさい、そして

老衰で死んで、□□ちゃんの為に聞かせなさい

こんなことがあったんだって、だから先に逝くなってね」


「うん、うん!」


その言葉に強く励まされた


「お姉ちゃん!ありがとう!」


「まったく、世話のやける妹なんだから」



そして、それからボクは社交的に生きるようにした

□□に心配を掛けないように、そして、□□に自慢出来るような生き方をするために



しかし社会人五年目うまくいってるな、と

思っていたら、奇しくも□□と、同じように

トラックに轢かれて死んだ、だがボクは転生の機会を得た、剣と魔法の世界と言うことだったし

□□と同じ所に行きたかったが、老衰で死んで

異世界はこんな所だったって自慢しよう!





そんな夢を見た朝


「……久しぶりにみたな」


久しぶりに□□の顔を見た

そのせいだろうか



「……少しくらいはいいよね」


そこには涙を流す年相応の転生者でも天才でも無い

普通の少女が居た。







おまけ


【雑談】


今回の話はシルビアが夢で前世の出来事を見る、

というもので名前が○○とかになっているのは

『00 プロローグ』で顔は覚えているが

名前を忘れてしまっているからです、

ちなみに後輩は女の子です、つまり百合ですね、

ガールズラブを回収しました。

もしかしたら後輩ちゃんは転生して

異世界に居るかも知れませんね



次回!新章突入!あぁ力が!力が足りなぁい!

隠者使って屋敷飛び出して魔物狩るぜぃ!

テンションがおかしい?いつものことだろう?

『20 レベルアップ大作戦!』

3月18日更新予定



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