第3話
ある日の放課後、僕はいつも通り机の中の教材をバックにいれて入れていると
「きゃっ」
可愛らしい、悲鳴が聞こえたのでそちら方を向くとセリナさんが床に倒れていた。
「ごめ~ん(笑)足が長いからぶつかっちゃった~(笑)」
笑いながら謝っているのは人族上位主義である赤髪、赤い瞳のアルファ君だった。
ご自慢の赤い髪をかきあげながら笑っているので多分わざと足をかけたのだろう。
「あんたら、最低!女の子をいじめるなんて!」
声をあらげたのはナナさんだった。
「はぁ?いじめてねぇし?てか謝ってるし?」
「そんな感情の籠ってない言葉なんか、謝罪じゃない!」
ナナさんが今にも殴りそうな勢いでアルファ君に詰め寄る。
「私は大丈夫だから」
セリナさんは立ち上がるとナナさんの腕を掴みながら止める。
「大丈夫じゃないよ!てか、アザになってるじゃん!」
セリナさんの膝を見ると青いアザが出来ていた。
「亜人なんだから、すぐ治るだろそんなの」
「それなー」「はははは!」
アルファ君の言葉に近くにいた、人族上位主義のベータ君とガンマ君も一緒になって笑っていた。
「いいかげんにしなよ!」
僕はあまりの行為に見過ごせなくなって大声をあげ、アルファ君の前に立った。
「あぁ?陰キャが何いきがってるの?あんまなめてっと痛い目にあうぞぉぉぉ!」
アルファ君が僕に向かって殴り掛かってきた。
「石化」
「いってぇぇぇー」
アルファ君は右手を押さえていた。
僕は殴られる時に一瞬だけ額を魔法で石化して、アルファ君の拳に当てたのだ。岩を殴れば、怪我をするのは当たり前。たぶんひびぐらいは入ったかな?
「あんまなめてると、痛い目にあうよ?」
「ひぃぃぃ」
僕が凄むと、アルファ君たちは逃げるように逃げていった。
僕はそんなやつらなんて、目もくれず、セリナさんの方を向く。
「セリナさん大丈夫?」
「えっ?あ、うん。大丈夫よこのぐらいすぐ治せるから。アクアヒール」
セリナさんは自分の右膝に手をかざし、回復魔法を使った。だが、アザは引かない。
「あれ?おかしいな?アクアヒール!アクアヒール!アクアヒール!」
なんど掛けても結果は同じ。
「ど、どうして?何で治らないの?何でよ!治ってよ!」
セリナさんはいつもは見せない焦った顔をしている。
僕はそんな、セリナさんの腕を掴んだ。
「セリナさん落ち着いて!多分、今の精神状態じゃ本来の力がでないんだよ。だから、保健室に行こ?ね?」
僕は優しく声をかける。
「う、うん。そう、だよね。
保健室に、行くね。ありがとね、助けてくれて」
セリナさんは落ち着いたのか、笑顔でお礼を言ってくれた。
「どういたしまして。ま、今回はアルファ君が明らかに悪いからね。気にしないで。それより、一緒に保健室に行こうか?」
「それは、いいわよ!私が付いていくから!」
ナナさんがそう言って、セリナさんを支えた。
「その、さっきはありがと」
ナナさんは去り際にお礼を言って教室を出ていった。
保健室にはセリナさんが使った水系統の回復魔法より、治療力が高い白系統の回復魔法を扱う先生がいるはずだから大丈夫だろう。
ちなみに世の中には七色の系統の魔法が存在する。赤、青、黄、茶、緑、白、黒である。それぞれ、炎、水、雷、土、風、光、闇の属性魔法の事をさす。
それぞれに攻撃、防御、支援、回復魔法が存在するが、人体を治すのが得意なのは白と青の魔法である。
ちなみに、僕が扱えるのは土だけで、回復魔法は使えるが対象なのは大地や自然である。
「カイル!かっこよかったぞ!」
ザード君が一連の騒動を見ていたのだろう。僕の方に笑いながら近づいて来た。そりゃ同じクラスなんだから、見てるか。
「そんなことないよ。人として当たり前の事をしたんだよ」
ザード君は一瞬目を丸くした後すぐに笑みを浮かべ
「人族でさっきのように振る舞うやつはそうはいないさ!それに、「あんまりなめてると、痛い目にあうよ?」あれは痺れたぜ~」
「も、もう掘り返さないでよ~」
僕がザード君にいじられてるとティガ君が近寄ってきた。
「さっきのはスカッとしたよ。その、今まで悪かったな」
ティガ君が謝ってきた。
「別に気にしてないよ?人族はアルファ君みたいな人が多いし」
「いや、明らかに今までの態度はあんまりだったと思う。人種差別されるのが、ムカつくあまり俺が人種差別していたなんて本末転倒もいいとこだ。本当にすまなかった」
いつもの高圧的なティガ君らしくなく、本当に申し訳なさそうに頭を下げてきた。
「大丈夫だから、ね!でも、そこまで言うなら僕から1つだけお願い事があるんだけど、聞き入れてくれる?」
ティガ君が頭をあげ、こちらに真剣なん目で見てくる。
「俺が出来ることなら、なんだってする!」
そんなに堅くならなくてもいいのになぁ~。
「それじゃぁさ!僕とお友達になって下さい!」
僕はそう言ってティガ君に右手を差し出した。
「!? も、もちろんさ!」
ティガ君は一瞬固まった後すぐに握手をしてくれた。
こうして僕は二人目の友達を手にいれたのだった。




