第一話
この小説は土魔法使いの主人公が青春をする日常系異世界物語です。恋愛小説が好きな方向けに書くつもりなので、ご了承ください。
僕には入学当初から片想いをしている女子がいる。切っ掛けは何て事のないただの一目惚れだ。
国の憲兵団に所属している父親に「お前には才能がある。学校に通わないと勿体ない」と言われ、物凄く嫌だったが仕方なく通うことになった魔法高等学校。
でも入学式にたまたま隣に座っていた水色の髪をした青い瞳で白い肌の可愛い女子に僕は恋をしてしまった。彼女の耳は横に長くヒレみたいなものが着いており、腕には鱗が着いているが正直それを含めて綺麗だと感じた。世の中には彼女のような亜人を蔑み、僕のような人族が上位の存在だとほざいている人族上位主義の人族もいるが、正直気持ち悪いと思う。
人に上も下も有りはしないのに世界を纏めたのは人族だからとそれだけの理由で人族が上だと思うのは傲慢だと思う。
なので僕は亜人だからと言って差別することはない。だが、驚くこともある。例えば、下半身が蛇の亜人が目の前を通った時は流石に驚いた。僕は普段あまり買い物をすることが無いため、今まで亜人族を目にしてこなかったので驚いてしまうのだ。そこに恐怖や嫌悪はないが、驚いてしまうことに慣れていないことに恥ずかしくなってしまう。
そんなある日、僕は不意に思い人のセリナさんを見つめてたのを彼女の友達である髪と瞳が茶色の犬の亜人であるナナさんに見つかってしまった。
慌てて目を逸らすが後の祭り。ナナさんが僕の席の所に来て「さっきから、何見てるの?そんなに私たち亜人が気に食わないわけ?」
「ふえ?」
僕が思っていたことと違うことを言われた為、思わず変な声が出てしまった。
「そ、そんなことない!ただ、ただ・・・」
セリナさんを見つめていただけ、何て言えない。
「ただ何?」
僕がなかなか言わないので、ナナさんが苛立ち始めた。どうしよう、どうしよう。何か言わないと。
「あ、亜人の方を見るのが珍しくて、つい見てしまったというか、何と言うか」
僕がしどろもどろに答えると、ナナさんが
「私たちが珍しくて見てた?ふざけんな!私たちは見世物じゃない!」
「う、」
ナナさんが怒りのまま僕の腹に拳をめり込ませた。余りの痛さに膝を着きお腹を押さえながら悶えた。
「それで少し反省しろ」
床しか見えていない状況で上から蔑むような声色で言われた。
「ナナちゃん!暴力はダメだよ!」
「いいんだよ!こういうやつは言葉で言った所で分かりはしないいんだから!ほら行くよ!」
ナナさんは僕を心配するセリナさんの手を掴み教室を出ていった。
僕が何とか痛みに耐え、立ち上がろうとすると目の前に緑色の肌をした。というより、緑色の鱗をした蜥蜴の亜人のザード君が手を差し出してくれていた。僕は迷わずその手を掴み立ち上がった。
「あ、ありがとう。」
すると一瞬ザード君が驚いた表情をした後、穏やかな表情になった。
「気にするな。それより、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だよ。ザード君は僕の事嫌いじゃないの?」
今のやり取りを見ていたら、亜人の人から見て、あまり良い印象はないと思うんだけど。
「確かに先程のやりとりで君の印象をあまり良くないが、あまりにも君が一方的にやられた気がしてね。というか俺は初めて君に話しかけたと思うが、良く名前が分かったな。」
そういうふうに見ていた人もいるんだと少し安心した。
「名前は最初の授業で自己紹介してたでしょ?」
またザード君が驚いていた。
「自己紹介をしたのは三ヶ月ぐらい前の話だろ?よく覚えていたな」
確かに入学式からもう三ヶ月ぐらい経っていた。それなのに友達が一人しかいない。その友達も他のクラスに居るため、実質僕はぼっちである。でも、でも僕は友達が欲しかった!だから、クラスの人の名前だけは暗記したのだけど、使った試しがなかった。悲しい。
「と、友達が欲しくて・・・」
ザードが悲しそうな顔をしている僕の肩に手を置いた。
「そうか。なら、一緒に飯を食いにいこう!」
すっかり忘れていたが、今は昼休みであった。そして僕たちは昼食を取りに行くのであった。そして入学して三ヶ月目でやっと友達ができました。