プロローグ
とある町の魔法高等学校。
そこには色んな生徒が在籍する。色んな種族の生徒が。
今から50年程前に一国の人間族の勇者が全ての国のトップを打ち負かし、一つの確約を取り付けた。「全ての種族は他種族と手を取り合い、協力し合うこと」もし、この確約を破った国は神からの恩恵を受けなくなる。勇者は神に選ばれし、愛し子であり、神に直接会話の出来る者だった。そしてその確約を破った愚かな国が一つ存在していた。その国は武力で押さえつけたくせに今さら平和を口にする人間族に腹が立ち、戦争を起こした。が、争いを起こしたその日にその国の大地が荒れた。作物は育たなくなり、毎日嵐が起こり、大地が割れマグマが溢れた。戦争を起こした3日後には国が一つ滅びた。
そして世界から戦争がなくなり、どの国にも色んな種族が行き交い、種族に問わず色んな職業に就くことが出来るようになった。
だが、この世には意思を持たない、怪物モンスターが存在する。世界は今そのモンスターから人々から守るため、種族で手を取り合い生きていくために魔法を使っていく。
そしてより、深く魔法を覚える機関が其々の国に存在している。その内の一つがここアルフィス魔法高等学校である。
ここは元々人族が納めていた国である。そして世界を平和に導いたのもまた、人族である。故にこの国の人族は少数ではあるが、亜人族(人族以外の種族)を蔑む人族絶対主義者が存在する。もちろん公に亜人族を差別すれば罪になるのだが、されでも差別意識と言うものはなくなりはしなかった。
そんな国の魔法学院に冴えない一人の少年が亜人族に恋をしてしまう物語。果たして少年の恋は実るのか。そして少年の将来の夢とは。