第7話 アリアとクルスの能力
前回のあらすじ
ユーマが呼び出したのは竜だったが、この竜は最強ランクのEXランクの竜神だった。
しかし、この竜神はとても物腰が柔らかく、ユーマ達はすぐに打ち解け、竜神はアリアと名付けられる。
「処で、1つ問題があるわ」
突然、お母さんの口からそんな言葉が出た。
「どうした? サラ」
「アリアちゃんの事よ。ユーマくんの家族になるのはいいけど、こんなに大きい魔物はとても家のドアをくぐれないわ」
そうだった。
アリアの大きさは全長15メートル越え。
横だと翼もあるから、その大きさでは扉をくぐるのはとても無理だ。
『それなら心配には及びません。私は神に最も近い力を持つと言われる存在の竜神です。その程度の問題なら即解決しますので、ご安心ください』
アリアからそんな言葉が出たのと同時に、彼女の全身が金色の光に包まれた。
次に見たアリアの姿は、大きさは20センチ程の竜のぬいぐるみみたいな外見になった。
円らな瞳にちょこんと生えた翼、短い尻尾をフリフリしているその姿は、さっきまでのアリアとはとても思えなかった。
『この姿ならドアをくぐれますし、人目も目立たなくなると思いますが、どうでしょうか?』
「うわぁぁ……確かに……これなら……」
僕は小さくなった彼女を持ち上げてみた。
そのアリアはとても軽く、本当にぬいぐるみを抱いているみたいだった。
「きゃぁぁぁぁ!! 可愛いぃぃぃぃ!!」
横からラティがアリアを掻っ攫って、抱きしめていた。
ラティだけじゃない。
お母さんもエリーさんも、小さくなったアリアに夢中となっていた。
どうやら彼女には女心を刺激する力があるみたいだ。
「グルルルゥ!」
クルスの声が聞こえたと思って振り返ると、クルスも光に包まれて小さくなったアリアの様に30センチ程のぬいぐるみみたいな外見になっていた。
「えっ!? クルスもそんな事が出来るの!?」
「クルルゥ」
クルスは「そうだよ」と言わんばかりに喉を鳴らして、ラティに向かって小さい翼をパタパタさせながら飛んで行った。
しかも小さくなったからか、声も可愛らしくなってる。
どうやらクルスは、自分の主人が小さくなったアリアに夢中な姿を見て、焼きもちを妬いた様だ。
案の定、ラティに今の姿を見せたクルスはアリアと共々、女性陣にもみくちゃにされていた。
「まさか……クルスは特異種のグリフォンだったのか」
ダンテさんがそう言いながら僕の隣に来た。
「ダンテさん、特異種って?」
「通常では不可能な能力を持った種類の魔物の事を、特異種というんだ。その場合、通常より一つ上のランクになるんだ。グリフォンは本来、風属性の攻撃を得意としていて、体を小さくする能力なんてない筈だからね」
という事はクルスはEXランクの魔物になるじゃん!
「まさか、EXランクの魔物が2匹出て来るなんて……」
お母さん達もクルスが特異種だという事に気付いた様で、更に騒ぎ始めた。
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アリアの凄すぎる所
これからはアリアの規格外な所や力が出る度に、ここに纏めていきます。
その1、体のサイズをミニサイズ化できる。
次回予告
無事に従魔契約を済ませたユーマとラティ。
しかし、2人が呼び出した従魔はいずれも、非常に強力な魔物だった為、彼らの両親が決めた方針とは。
次回、今後の対策
次回は0時に更新します。