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第6話 従魔契約 ユーマ編

前回のあらすじ

5歳になったユーマとラティはサラとエリーの下、従魔契約を行う。

最初に行ったラティが呼び出したのは、大空の死神と呼ばれるグリフォンだった。

そしてラティは、そのグリフォンをクルスと名付ける。

「ユーマくん、頑張ってね」


「グルゥ!」


 僕はラティとクルスに見送られ、魔法陣の前に立った。

 そして、ラティの時と同じく魔力を流すと、今度は魔法陣が金色の魔力に染まり渦になった。

 しかも、魔力の規模がラティの時よりも大きい。


「これはっ……!? なんて濃度の魔力なの!?」


「これはとんでもないのが出てきそうだな!」


 お父さんとお母さんは大規模の魔力から生まれた風圧に驚いていた。

 でもこれは僕にだって分かる。

 これから出て来るのは、クルスと同等、もしくはそれ以上の魔物だって!


「出て来るぞ!!」


 ダンテさんの言葉の直後に、僕の魔力に適合した魔物が出て来た。

 その姿は物語りなどによく出て来る、全ての生物の王、竜だった。


 しかもこの竜、全長は15メートル越え、全身が白銀の鱗に覆われて4足歩行で、とても巨大な立派な翼を持ち、頭部には角が生えた、西洋風な感じの竜だった。


「りっ……竜……」


「これは……凄すぎる……」


「これは……ラティの時の凄さが霞んでくるわね……」


「ま……まさか、竜の従魔召喚を見れる時が来るとは……」


「ユーマくん、すごーーい!!」


「グルルルルルルゥゥゥ~~!!」


 お父さん達の反応はみんな驚愕のあまり、固まっていた。

 ラティとクルスはとてもはしゃいでいた。

 僕は中身が大人だから、その反応が羨ましい。

 従魔達に至っては、みんな頭を下げて敬服の姿勢をとっていた。


『あなたが(わたくし)の主ですか?』


 その時、何処からか女性の声が聞こえた。


「誰!?」


『こちらです、我が主よ』


 その声の主はなんと、僕が呼び出した竜だった。


「えっ!? 君、喋れるの!?」


『不思議な事ではありません。我ら魔物でも、知性が大きく発達した者は人語を喋れる様になります。ましてや、私は只の竜ではなく竜神(りゅうじん)。この程度は朝飯前なのです』


 ちょっと待て!!

 今この竜、サラっととんでもない事を言ったぞ!!

 竜神だって!?

 前にお母さんが読んでくれた本に書いてあった。


 竜には大きく、下級竜、上級竜、古竜、竜王、竜神に分かれる。

 下級竜がCランクの上位、上級竜がBランクの上位、古竜がAランクの上位、竜王がSランク、そして竜神は世界に数種しかいないEXランクだと。

 その力は竜王も含めた全ての竜を統率できて、一度力を振るえば、国1つを一瞬で消し飛ばす事が出来るという伝説の竜と言われている。


 つまり、異世界に転生した僕が召喚した従魔は竜神ですという事になる。

 そんな化け物と適合していたの、僕……。


 僕達(ラティとクルスを除く)は竜神に頭を下げていた。


『主よ、そして皆さん、どうか頭を上げてください。私は確かに竜神ですが、むやみに力を振るうつもりは微塵もございません。どうか私には普段通りの姿勢で接する事をお願いいたします』


 この竜神、とても物腰が柔らかく、温かい雰囲気を放っている。


「わっ……分かりました。私はサラ・エリュシーレ。あなたの主であるユーマの母です」


「おっ……俺はユーマの父のゲイル・エリュシーレです。よろしくお願いします」


「オン!!」


「クォオン!!」


 お母さん、お父さん、バルバドス、フラウロスの順に竜神に挨拶された。


「あたしはラティ! ユーマくんの友達です! こっちはあたしの従魔のクルスよ! よろしくね!」


「グルルゥ!」


 ラティとクルスも元気良く、竜神に挨拶した。


『元気なお嬢さんですね。それにグリフォンと適合するとは。こちらこそよろしくお願いいたします』


 竜神もラティに深く頭を下げて挨拶を交わした。


「ラティの母のエリー・アルグラースです。こちらは私の従魔のヴィオーラです」


「父親のダンテ・アルグラースです。こちらは従魔のサーレスです。我ら一家も、よろしくお願いします」


『こちらこそ、長いお付き合いになりますのでよろしくお願いいたします』


 僕達は、一通り竜神への挨拶を済ませた。


 すると、竜神は再び僕に向き合った。


『では主よ』


「はっ……はい!」


 思わず直立になって返事してしまった。


『私に従魔としての名前を付けてください。そうすれば、あなたとの従魔の契約が完了します』


「うん。えっと、そうだな。君の名前は……アリア……アリアなんてどうかな? なんだか女性っぽいからそんな名前にしてみたけど……」


『アリア……なんて素敵な響きなのでしょう。雌の私にこんな素晴らしい名前を与えてくれて。ありがとうございます、主よ』


 この竜は、やっぱり女の子だった。

 気に入って貰えて何よりだ。


「僕の事はユーマでいいよ。これからは家族になるんだから」


『承知しました。よろしくお願いします、ユーマ』


「よろしく、アリア」


 こうして、僕のパートナーとなる従魔は、竜神のアリアとなった。

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遂にタイトルにもあった竜神が出てきました。

ユーマがこの竜神のアリアとどのような日々を送るのか、それは今後を御期待ください。


因みに、従魔召喚はアリアのような大型の魔物が出て来る事がある為、従魔召喚には注意事項として室内ではやらず広い場所でやりましょうという一種の暗黙のルールがあります。

今回サラとエリーが庭で従魔召喚を行ったのは、そういう理由がある訳です。


魔物情報


下級竜

最底辺に位置する竜種の魔物の総称。ランクはCランクだが、その強さはCランクの中でもトップクラスに位置する。主に古竜や竜王の眷属として行動したり、それ以外では群れを成して行動する。また、対応している属性ごとに、体の色が異なる為、どの属性なのかは見てすぐにわかる。炎は赤、水は青、風は緑、土は茶色、雷は黄色、氷は水色、闇は黒、光は白の色をしている。竜種の中でもその個体数は最も多いのも特徴。


上級竜

下級竜の上に位置する竜種。ランクはBランクの上位に位置している。属性ごとに体色が異なる下級竜と違い、1つの属性に特化しているが、中には8属性のどれにも属さない特殊属性の上級竜も存在している。戦闘力も高い為、討伐にはAランクの冒険者が出動する必要がある個体も存在している。


古竜

Aランクの上位に位置する竜。上級竜以上にその属性に特化しており、8属性と特殊属性問わず、その能力は極めて強大である。またその個体数も少なく、1種類につき数体しか存在していない。だが、古竜は一定期ごとにその種類が誕生している為、これまでに絶滅した種類の古竜は存在していない。


竜王

世界に8体存在する、8属性を極めた存在の竜。全てがSランクの上位に位置しており、その力は並のSランクの魔物が束になっても敵わないとされている。また、竜王はその属性の竜王が死ぬと、世界の何処かにいる古竜が新たな竜王となって進化するという、独自の生態を築いている。


竜神

世界に数種しか存在しないEXランクの魔物で、全ての竜種の頂点に立つ存在。全ての竜を統率する力を持ち、たった1体で国1つを滅ぼす強さを持つ。また、全ての属性を操る事ができ、その鱗は如何なる攻撃をも寄せ付けないと、その戦闘能力は測定不能とまさに神に近い力を持つのに相応しいと言える。


次回予告

無事にアリアを従魔にしたユーマ。

それと同時に、アリアとクルスに隠された驚きの能力を、ユーマ達は目の当たりにする。


次回、アリアとクルスの力


次回は21時に更新します。

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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルのネタバレは置いといてこの手の流れは大抵ヒロインが凄いのを呼び出したけど 主人公が呼ぶのはショボイ(と見せかけて後々実は凄い)みたいなイメージが多くて ド直球に物凄いのが登場するのは…
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