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第5話 従魔契約 ラティ編

前回のあらすじ

ユーマとラティはサラによる授業で従魔について学ぶ。

そして、ユーマの両親のゲイルとサラが如何に凄い魔物と従魔契約を結んでいるかを知り、2人は2年後に行う従魔契約に胸を躍らせる。

 従魔の事を教わってからの2年間、僕はラティと一緒に遊んだり世界について学んだりして過ごし、遂に僕達は従魔の契約ができる5歳になった。

 先日自分達の魔力が安定して、僕とラティは魔法が使える様になった。


 そして今日、僕達はいよいよ自分達の従魔に会おうとしている。


「いよいよだね。いったいどんなのが出て来るんだろう。ユーマくんはどんな魔物がいい?」


「そうだね。ラティちゃんは?」


「あたし? あたしは何でもいいよ。あっ、でも、強いて言うなら可愛い魔物がいいなぁ」


「そうだね。僕もそんな感じのがいいな」


 僕とラティはこれから会う従魔に、期待を膨らましていた。


「2人とも、準備ができたわよ」


 ラティの母親のエリーさんが僕達を呼んで来た。

 僕達は返事をして、一緒にエリーさんと一緒にいたお母さんの所に来た。


 お母さんとエリーさんの所に来ると、家の庭に直径5メートルぐらいの大きな魔法陣が描かれていた。


「お母さん、これが魔物を呼び出す魔法陣なの?」


「そうよ。お母さんも5歳の時に、この魔法陣でフラウロスと出会ったの」


 お母さんはその時の事を思い出していたのか、感慨深そうに空を見上げていた。


「それじゃ、始めるわよ」


 エリーさんの呼び声で、遂に従魔契約が始まった。

 お父さんはラティの父親のダンテさん、バルバドス、フラウロス、ダンテさんの従魔のサーレス(ランスディアーという鹿型のBランクの魔物)、エリーさんの従魔のヴィオーラ(レインボーファウルという空を飛べる孔雀型のBランクの魔物)と一緒に庭の隅っこにいて見守っていた。


「ねえユーマくん。あたしが最初に従魔召喚をやってもいい?」


 ラティは待ちきれないのか、僕に最初に行ってもいいか尋ねてきた。


「いいよ。僕は後でもいいから」


 僕は最初の権利をラティに譲った。


「じゃあラティ。その魔法陣に両手を置いて、自分の魔力を流して」


「はぁい」


 ラティはエリーさんの指示に従って片膝をつき、両手を陣において魔力を流した。

 すると魔法陣がラティの魔力に反応して、魔法陣の中心部が銀色の魔力に染まり渦の様になった。


「出て来るわよ! ラティちゃんの魔力に適合した魔物が!」


 お母さんの叫びと同時に渦の中心から出て来たのは、頭と首、前足が鷲で胴体と後ろ脚、尻尾がライオンで鷲の翼を生やした魔物だった。


「こっ、これはグリフォン!!」


 エリーさんの口から出たのは、地球でも空想動物として有名な生き物の名前だった。


 グリフォンの召喚が終わり、魔法陣は最初の状態に戻っていった。


「凄いわよラティ! あなたはSランクの魔物と適合していたのよ!」


 エリーさんはよく分かっていないラティを抱きしめて喜んでいた。


 そう、グリフォンはSランクの魔物で、「大空の死神」と呼ばれている空の魔物の王者的な存在なのだ。


「あたしが呼び出したのって、そんなに凄いの、ママ?」


「ええ、Sランクの魔物は1000万人に1人の確率なの! しかも、空の王者であるグリフォンなんて、ママは誇らしいわ!」


 ダンテさんも大喜びでラティを抱きかかえた。


「やったぞ、ラティ! 今夜はご馳走だな!」


「やったあぁ!!」


 ラティは喜ぶ両親を見て、自分が凄い魔物を呼び出した事を理解して一緒に喜び始めた。

 そしてエリーさん達から離れて、僕の所に駆け寄って来て抱き着いてきた。


「やったよ、ユーマくん! 凄い上に可愛い魔物が出て来た!」


 確かによく見てみるとこのグリフォン、全長は2メートル程だが円らな瞳をして愛嬌のある顔をしている。


「グルルルゥ」


 グリフォンはラティの所に寄ってきて、自身の顔をラティに擦り寄せていた。

 どうやら、魔力の適正でラティを主人と認識しているようだ。


「さあ、ラティ。その子に名前を付けてあげて。そうすれば従魔の契約が完了するわ」


 エリーさんが指示を出した。


「はぁい。じゃあね、あなたの名前はクルスよ。よろしくねクルス」


「グルルゥ!」


 クルスと名付けられたグリフォンは嬉しそうに喉を鳴らした。


「こっちはあたしの友達のユーマくんよ。クルスも仲良くしてあげてね」


「グルゥ。グルルゥ」


 クルスは紹介された僕にも顔を寄せてきた。

 僕も友達として分かって貰えた様だ。


「さあ、次はユーマくんよ。ラティちゃんと同じ様にやってみてね」


「うん」


 遂に僕の従魔を召喚する時が来た。

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魔物情報


ランスディアー

Bランクの魔物で、槍の様な角を持つ鹿の魔物。瞬発力が高く、敵との距離を一気に詰めて、その角で貫くという戦い方を得意とする。


レインボーファウル

Bランクの魔物で、飛行能力を持つ孔雀の魔物。七色に輝く羽と尾羽を持ち、尾羽を広げて光を反射させ、仲間とコミュニケーションをとる。戦闘では、その羽を魔力で硬質化させて飛ばす攻撃を得意とする。


グリフォン

大空の死神と呼ばれるSランクの魔物で、鷲の頭と翼にライオンの胴体を持つ幻獣種の魔物。存在数も少ない事から、希少種に分類されている。風属性の攻撃を得意とし、翼をはばたかせる事で竜巻を起こしたり、風と空気を圧縮、形成して風の矢として放てたりする。また、視力と嗅覚も優れており、狙った獲物は絶対に逃さない性質も持つ。


次回予告

遂にユーマの従魔契約が行われる。

そして、彼が呼び出したのは、とんでもない魔物だった。


次回、従魔契約 ユーマ編


次回は18時に更新します。

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