第3話 冒険者と魔法について
前回のあらすじ
転生して半年が経ち、ユーマはラティという赤ちゃんと出会い友達となった。
3年の時が流れ、僕は3歳になった。
この頃には漸く自分の足で歩ける様になり、会話も出来る様になった。
因みにこの世界の1年は、地球の1年が365日なのに対して、アスタリスクの1年は480日、つまり1ヶ月が40日あるのだ。
でも、1週間は地球と同じ7日間で、季節に関しても地球の春夏秋冬と大して変わりはなかった。
そうした成長過程で、この間鏡を見て自分の顔を見た。
お母さんの紺色の髪に、前髪の1カ所がお父さんの深紅色でメッシュになっていた。
顔も2人に似て、将来は有望かもしれない。
この頃には、友達が1人できていた。
その友達は……
「ユーマくん~~!」
あの時、エリーさんが連れて来たあの赤ちゃんが成長したラティだった。
あれからラティは毎日の様に僕と会い、僕達は兄妹の様に過ごしていた。
ラティは僕の所に走って来るなり、いきなり抱き着いてきた。
「こらラティちゃん、そんなに走って抱き着いたら危ないよ」
「えへへ。だってユーマくんと一緒にいられると思うと、急ぎたくなっちゃって」
ラティはそんな可愛い事を言いながら笑いかけた。
ラティは色白の肌に、雪のような銀髪を肩まで伸ばした可愛い女の子になっていた。
間違いなく、将来は絶世の美人になるだろう。
性格は天真爛漫で、いつも笑顔な明るい子だ。
前世での僕は、とても子供が好きで、近所の子供達からはかなり慕われていた。
その経験で彼女の世話をよく焼いていた。
その為か3歳の時点で、彼女は僕の事をかなり慕っている。
彼女は僕に会う度に、抱き着いたり腕を組んだりしてのスキンシップをしていた。
まだ3歳なのに結構ませた子だ。
「ユーマちゃん、ラティちゃん、いらっしゃい」
僕のお母さんが呼んだ為、僕達は手を繋ぎながら家に入った。
――――――――――――――――――――
家に入った僕達は、リビングでお母さんから所謂授業を受けていた。
「今日は魔法と従魔について教えるわね」
お母さんは、僕達が3歳になってからこの世界の事をいろいろ教えてくれている。
その中で僕が興味があったのは、今の二つに冒険者と魔物だった。
冒険者はこの世界の職業の一つで、世界を冒険しながら魔物を討伐してお金を稼いだり、犯罪者を捕まえたり討伐したりする、いわゆる何でも屋だ。
冒険者にはランクがあり、以下の通りになる。
Fランク、駆け出しの新人。最初はこのランクからのスタートとなる。
Eランク、新人に毛が生えた程度。まだまだ半人前の扱い。
Dランク、まだ半人前だが、ある程度の実力が認められる。この頃には難易度が比較的高い仕事が受けられるようになる。
Cランク、一人前の冒険者の仲間入り。ここまで来ると、次のランクへの昇格の壁がとても高くなり、凡人の冒険者の限界点とも言われている。
Bランク、ベテランと呼ばれ、ほぼ一生食べていける。このランクへ上れるのは、その才能を認められたごく一部の人間の身である。
Aランク、一流の冒険者と呼ばれ、その将来が約束される。また知名度もとても高くなり、その名を知らない人はいないとも言われている程である。
Sランク、超一流で最強の冒険者と扱われる。その能力は所謂人外とも言えて、このランクまで来れるのは本当に難しい。
EXランク、史上最強の冒険者と扱われるが、アスタリスクの歴史ではまだ一人しかそのランクの冒険者は存在していない。
因みにお父さんとお母さん、ラティの両親のダンテさんとエリーさんはSランクの冒険者で、同じパーティの仲間だ。
魔物については、この後従魔の説明があるのでその時に説明する。
「まずは魔法ね。私たち人間には、魔力というものがあります。その魔力を練り上げイメージでまとめて使いたい方法を形にして、魔法として放ちます。魔法の発動には詠唱のような物は必要なく、イメージが纏まっていてその魔法名を唱えれば、魔法を行使する事が出来ます。また、魔法には8属性というものがあります。その属性は、炎、水、風、土、氷、雷、闇、光の8つです」
魔法に関してはある程度予想していた通りだった。
違いはファンタジー小説にある、使える属性魔法と使えない属性魔法という概念がないという事。
勿論向き不向きの属性があるのだが、この世界では一通りの属性の魔法ができるという事。
「ですが魔法にはこの8属性にもう1つ、無属性という魔法があります。これは前述の8つの属性には属していなくて、一般人にも使いやすい魔法です」
お母さんの説明によると、無属性魔法は身体を強化したり、周囲の魔力を探したりと、サポート系の事が主流みたいだ。
無属性魔法はその人によって、使用できる魔法が変化するようだ。
「魔力は5歳から人の体に安定して、魔法の行使が可能になります。2人はあと2年待てば魔法が使える様になるから、それまでは基礎知識を覚えていきましょうね」
「「はい」」
僕とラティは明るく返事した。
「面白かった」、「続きが気になる」、「更新頑張ってください」と思った方は、ブックマークや評価、感想していただけると励みになります。
評価はどれくらい面白かったか分かりますし、1人1人の10ポイントの評価は大きいので、まだ未評価の方は是非お願いします。
ポイント評価は最新話の広告の下に評価欄があり、そこから評価できます。
次回予告
魔物について学ぶユーマとラティ。
そこで2人は従魔について学ぶ。
そして、2人が学んだ内容とは……。
次回、従魔について
次回は12時に更新します。