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第27話 銀月の翼

前回のあらすじ

討伐した魔物を換金するべく、初めて冒険者ギルドを訪れたユーマ達。

換金した結果、その額はユーマの前世の収入でも比べ物にならない程の金額だった事が判明する。

そして、そのお金はユーマ達の今後の資金になる。

 冒険者になる為の修業をお父さん達につけて貰い、10年の時流れた。

 最初の5年でお父さんとダンテさんに武器での戦闘を、お母さんとエリーさんに魔法の訓練を付けて貰い、その甲斐あって5年で免許皆伝になった。


 そしてこの5年間は外に出て魔物との実戦を行った。

 最初の戦闘は張り切り過ぎてしまい、ギルドで換金したらとんでもない報酬金額になってしまった。


 よって、僕とラティは次から自重する事を心掛け、お父さん達が指定した魔物や数を討伐する事で、実戦を積んでいった。


 そして遂に、僕らは冒険者登録が出来る15歳になった。


 僕は年相応に背が伸び、今は170センチ程ある。

 同時に日々鍛えられた事で、体はかなり引き締まった体つきになっている。


 ラティも160センチくらいに背が伸び、同時に髪も腰位の長さまで伸ばして、ポニーテールに纏めている。

 その上、かなり体の発育がよくなっている。

 胸は年の割に大きく膨らみ、既にHはありそうで、彼女が動く度に揺れている。

 それでいて腰は細くくびれ、お尻も肉付きがいい。

 ラティは実はかなりの大食いで、毎日僕やお母さんの料理を沢山食べている。

 その結果、その凄まじい食欲と日々の冒険者修行の生活がこの発育を生んだんだろう。


 今僕達はお父さん達に見守られながら、ギルドの受付カウンターにいる。


「こんにちは、リーゼさん」


「こんにちは」


「こんにちは、ユーマさん、ラティちゃん。今日はどういったご用件ですか?」


 この受付嬢のリーゼさんは、僕達が最初に換金に来た際対応してくれた受付嬢さんだ。

 あれから顔見知りとなった僕らは、リーゼさんに対応して貰う事が多くなり、彼女とは自然と親しくなった。


「今日は、登録に来ました。15歳になったから、漸く冒険者登録が出来る様になったんです」


「それに、あたしとユーマくんでパーティー登録もしようと思うんです」


「そうですか、おめでとうございます。では、この用紙の記入事項を埋めてください」


 リーゼさんが差し出した用紙に名前、年齢、従魔名、パーティー名を記入して、リーゼさんに渡した。


「では、ギルドカードを発行しますので、その間に冒険者の説明をします」


 リーゼさんは用紙を係の人に渡して、僕達に向き直った。


「では、説明をします」


 リーゼさんの説明を纏めるとこうだ。


 冒険者はF、E、D、C、B、A、S、EXの8段階のランクに分けられている。

 このランクは、一定の依頼をこなしたり魔物を討伐したりなどと、それまでの活動でランクアップに十分な実績を出せば、1つ上のランクへ昇級できる。


 依頼はクエストボードで依頼用紙をとって、受付カウンターに持って行けば受注できる。

 ただし依頼を受けられる上限は、今のランクより1つ上のランクまでの依頼となる。


 また、依頼中に別の依頼の魔物と遭遇し、討伐してきた場合、依頼を正式に受注していないので、その討伐は依頼完了にはならない。


 そして、依頼を受けた後、その依頼遂行に失敗する、もしくは何らかの事情で中止する場合は、違約金としてギルドに依頼報酬の3割の代金を払わなければならない。

 それが3回連続で行われると、実力不足と見做されてペナルティーとして1ヶ月の冒険者活動を禁止されるので注意しなければならない。

 また、それがあまり悪質だとランクが下がったり、他にも街の人に暴行を働いたり、ギルドの信頼を落とす様な事をすると、最悪ギルドから除名される事もある。 


 除名された冒険者は、その記録が世界中のギルドへと報告され、もう2度と冒険者登録する事が出来なくなる。


「……説明は以上ですが、ここまでで何か質問はありますか?」


 これらの説明はお母さんの授業で予め聞いていたが、これと言っての相違点はなかったので大丈夫だ。


「大丈夫です。丁寧な説明ありがとうございます」


「ありがとう、リーゼさん」


 僕とラティはリーゼさんに説明してくれたお礼を言った。


「うふふ。どういたしましてです」


 その時にちょうど、係の人が2枚の白いカードを持ってきてくれた。


「お待たせしました。こちらが、2人の冒険者としてのギルドカードになります。これは各自の身分証明になります。発行には代金はかかりませんが、紛失して再発行される場合は銀貨1枚の手数料がかかります。ですから無くさない様に気を付けてください」


 ギルドカードは冒険者の身分証明書にもなる。

 つまり、検問所を通過する際にこれを見せれば、検問所通過する事が出来る訳だ。


 また、ギルドカードはランクごとに色分けされており、Fランクが今僕達に渡された白、Eランクが黄色、Dランクが緑、Cランクが青、Bランクが赤、Aランクが銀、Sランクが金、EXランクが虹色になる。

 しかし、虹色は歴史上、英雄王のアルフレッド・ガラハドールのみな為、EXランクのギルドカードは事実上幻の存在となっている。


 僕達は自分達のギルドカードを受け取った。


「「ありがとうございます」」


 受け取ったギルドカードには、僕の名前、種族、年齢、ランク、従魔の欄にアリアの名前、パーティメンバーの欄にラティの名前、パーティーランク、そして、僕達のパーティーの名前が刻まれていた。


「これで登録完了です。そしておめでとうございます。以上で、冒険者パーティー、銀月の翼の登録が完了しました」


 銀月の翼、これが僕達のパーティー名だ。

 これは大分前からラティ、アリア、クルスの4人で話し合っていて決めた。

 僕やラティの髪の色で夜空に輝く銀色の月をイメージし、僕達の従魔はどちらも、立派な翼を持っているなどの、僕達全員の特徴を合わせて考えた名前だ。

 名前の響きもいい為、この名前でいく事に話はすぐに纏まった。


「おめでとう、2人とも。ここまでよく頑張ったな」


「あんなに小さかったのに、いつの間にか立派になって」


「自分の子供の晴れ舞台が見れて、本当に嬉しいぞ」


「皆、おめでとう。これからの冒険者活動、頑張ってね」


 お父さん達はそれぞれのお祝いや、褒め言葉を送ってくれた。


「ありがとう、お父さん、お母さん」


「ありがとう、パパ、ママ」


 僕達もここまで育て上げてくれた、親であり、師匠にお礼を言った。


「それで、これからどうする?」


「いろいろ準備したいから、旅立ちは早くても1か月後にするよ」


「分かった」


 こうして、後の歴史に名を残す事になる冒険者パーティー、銀月の翼が誕生した。

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お待ちしております。


次回予告

冒険者登録を終えたユーマ達は、旅立ちに備えての準備に取り掛かる。

そしてユーマは、ある決断をし、ラティを呼び出す。


次回、プロポーズ

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