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幕間 ラティ・アルグラース

時期は第20話の翌日です。

 あたしは、ラティ・アルグラース。

 Sランク冒険者パーティー、暁の大地のダンテ・アルグラースとエリー・アルグラースを両親に持つ10歳の女の子です。


 隣にいるのは、あたしが5歳の時に従魔契約で呼び出した従魔のグリフォン、名前はクルス。

 クルスはSランクの魔物なんですが、クルスは特異種のグリフォンで、ランクが1つ上がってEXランクの魔物になります。

 この子は普段は特殊能力で体を30センチ程の大きさになっていますが、本来の大きさは3メートル程になります。


 さて突然ですが、私には好きな人がいます。

 今からあたしは、その人に会う所なのです。

 彼の家はあたしの家の隣にあって、ドアの前に立ってその人が出て来るのを待ってます。


 少ししてドアが開き、彼が出てきました。


「おはよう、ラティ」


 彼こそが、あたしの最愛の人、ユーマ・エリュシーレくんです。

 彼の両親は暁の大地のメンバー、ゲイル・エリュシーレとサラ・エリュシーレでその人達はあたしのパパとママの昔からの親友で、今でも家族ぐるみの付き合いをしています。

 その縁で、あたしとユーマくんは赤ちゃんの頃から一緒なんです。


 ユーマくんはあたしと同じ10歳なんですが、普段はとても大人びていてその眼差しは何だかお兄ちゃんみたいで、小さい頃からよく世話を焼いてもらってました。

 その度に、あたしはユーマくんの優しさに急激に惹かれて、小さい頃から抱き着いたり、腕を組んだりしてのスキンシップをしてました。


「おはよう、ユーマくん」


 今もあたしは彼に抱き着いて挨拶しています。


 そしてもう1つ忘れちゃいけないのが、彼の従魔です。


『おはようございます、ラティ』


 彼女がユーマくんの従魔、竜神のアリア(女の子)です。

 竜神はこの世界でも数種類しかいない、EXランクの魔物なんです。

 クルスと違って純粋なEXランクの魔物だから、5年前にユーマくんが魔法陣で呼び出した時はパパ達は皆驚いていました。

 アリアもクルスと同様、普段は20センチ位の大きさに縮んで生活してます。


「おはよう、アリア」


「クルクルウ」


 クルスもアリアに挨拶してます。

 2匹は同じ日に呼び出されて以来、いつも一緒にいる従魔の親友なんです。

 その関係はまるであたしとユーマくんによく似ています。


「じゃあ、遊びに行きましょう」


 あたしはユウマくんの腕に抱き着いたまま、一緒に遊びに出かけました。


 あたし達は5年前にEXランクの魔物のクルスとアリアを呼び出した際、横暴な貴族とかから2匹を守る為、パパ達と親交があるアルビラ国王に会いに行きました。


 王城で国王様に会って、話はすぐに纏まりました。

 国王様があたし達の後ろ盾になって、王家の過激派の大臣や横暴な貴族が手を出せない様にして貰ったんです。


 でも、国王様の言葉の意味が理解できていない貴族の嫡男がちょっかいを出す事件が何回か起こり、あたし達は悩みました。

 アリアの話では、最悪内乱が起こる可能性もあると言われたので余計に悩みました。


 そこでユーマくんが、冒険者になってこの国を旅立つという提案を立てました。

 パパ達に冒険者になる為に修行を付けてくれるようにお願いして、パパとユーマくんパパに武器での戦闘を、ママとユーマくんママに魔法を教わる事になり、あたし達の修業が始まりました。


 武器の戦闘はパパ達との模擬戦の繰り返しでした。

 最初は全く攻撃が当たらず、ユーマくんとの連携も覚束ない物でしたが、あたし達は諦めずに何度もトライしました。


 魔法はママ達から、基礎となる魔力の制御から始まりました。

 その結果、あたしとユーマくんは魔法の8属性全てに強い適性がある事が分かったんです。


 それからの5年はひたすら模擬戦や魔法の練習を積み重ねて、魔法ではユーマくんの発想や機転でいくつもの複合魔法を編み出し、ママ達をびっくりさせました。

 模擬戦は、それまでの経験の積み重ねでユーマくんとは言葉を交わさなくても目が合っただけで、お互いの考えが分かる様になりました。

 これって所謂、ユーマくんとの愛の力と言ってもいいですよね?


 そして昨日、パパ達との最終テストの模擬戦であたしとユーマくんは完璧な連携の連続でパパ達と互角に戦えて、遂に合格がもらえました。

 そして、戦闘と魔法の両方からパパ達のお墨付きを貰いました。


 明後日からはいよいよ、魔物との実戦訓練です。

 魔物と戦うのは怖いけど、あたしの隣にはいつもユーマくんがいてくれる。

 ユーマくんがあたしを守ってくれる様に、あたしもユーマくんを守ります。

 そして冒険者になって一緒に旅にも出る。


 後それから……ユーマくんのお嫁さんになれたらいいなあって思わない事もありません。


「どうしたのラティ?」


 はっ!

 あたしの考えが顔に出ていたのか、ユーマくんに声を掛けれられてしまった!


「なななっ……何でもないわよ。大丈夫大丈夫」


「そう? ならいいけど」


 はあ……ユーマくんに想いを打ち明けるのは、まだまだ先になりそうです……。


 でも、決して諦めません!

 何時かは必ず、ユーマくんの心を射止めて見せます!

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お待ちしております。


次から第21話です。


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