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第1話 成長中

前回のあらすじ

地球の神の手違いで命を落とした悠馬は、神の計らいで異世界に転生した。

その新しい世界では、両親らしき人からユーマ・エリュシーレの名を得る。

 僕がこの世界に生を受けて3ヶ月程が経った。

 それ迄で分かった事がいくつかある。


 まず僕はこの世界で、ユーマ・エリュシーレとして生まれた事。

 転生しても僕の名前がユーマだった事に関しては、その名前として生まれる場所へ神様が気を利かしてくれたのかもしれない。


 次に僕が生まれた時、父親と母親がこの世界の神様に僕が生まれた事の感謝のお祈りを捧げていた時に、この世界の名前を知る事が出来た。

 この世界はアスタリスクといい、僕が今いるのは、アルビラ王国という国の王都から少し離れた場所にある家だという事。


 最後に、この前母親から授乳されていた時、視界の隅に体長3メートル程の狼と狐がいた事。

 狼は銀色に青の縞模様が入った鬣と体毛があり、狐は薄いピンク色が混じった白の綺麗な体毛をしていた。

 これには流石に驚いて、赤ん坊の本能か思わず泣きじゃくってしまった。

 でも、母親があやしながら教えてくれた。


 その2匹は、狼がバルバドス、狐がフラウロスと言って、バルバドスが父親の、フラウロスが母親の従魔だという事。

 従魔の事はまだよく分からないが、とりあえずこの子達が安全だという事が漸く僕の本能が分かったのか、今は2匹を見ても泣く事はない。


 その2匹は今、僕が寝ているベッドの近くにいる。

 実は母親が2匹に少し離れる間、僕の事を見ている様に命じたからだ。

 2匹は交代に僕の顔を覗き込んでは様子を伺い、周りに異常が無いか、それを定期的に繰り返している。


 暫くして扉が開き、1人の女性が入ってきた。


「ユーマちゃん、ミルクの時間ですよ」


 入ってきたのはユーマ・エリュシーレとしての母親、サラ・エリュシーレだった。

 紺色の綺麗な髪を膝位の長さまで伸ばした、スタイル抜群の美人だ。

 しかもこの人はまだ19歳なのだ。

 

 アスタリスクでの成人年齢は15歳で、結婚も出来る様になるが、基本は18歳以降からの結婚が主だ。

 僕の両親は子供の頃からの幼馴染で、その頃から相思相愛だった。

 その為、お母さんは18歳で結婚して間もなくに、僕を身籠ったのだ。


 アスタリスクでは、20歳未満に子供が生まれるのはごく普通の事である為、僕はその常識に慣れる様に努めようと思う。


 お母さんはバルバドス達にお礼を言って、僕を優しく抱きかかえてソファに座り込んだ。

 そして胸元のボタンを外し、その豊満な乳房をポロンと出した。


 転生を受け入れたのはいいが、ここで僕は重要な事を失念していた。

 それは、生後間もない赤ちゃんの食事が、()()()()()()()だという事をだ。


 故にこれにはやっぱり慣れない。

 体は反応しないが、忘れちゃいけないのが僕が中身は24歳の大人だという事だ。


 精神が大人で母親の母乳を吸うというのは恥ずかしい。

 でも吸わなければ、赤ちゃんとして栄養を取る事が出来ないしそうしなければ虚弱体質になってしまう為、止むを得ずお母さんの胸に吸い付いた。

 非常に恥ずかしかったが、暫くして漸く僕のお腹が膨れて、授乳が終わった。


「はい。沢山飲みましたね。一杯飲んで、大きくなるんですよ」


 お母さんは胸をしまいながら、僕にそう言ってきた。

 返事をしたいが赤ん坊の喉なので喋れず、「うぁあい」と変な声が出てしまった。

 でもお母さんはそれを返事と解釈して、嬉しそうに頬ずりをした。

 恥ずかしいけど、綺麗な女性に可愛がられるというのは悪くはなかった。


「サラ、ユーマの様子はどうだい?」


 扉を開けて入ってきたのは、サラの夫でありユーマ・エリュシーレの父親である、ゲイル・エリュシーレだった。

 深紅色の短髪で筋肉質な体をしたイケメン男性だ。

 因みに、年齢はお母さんと同じ19歳、やっぱり若い。


「今、おっぱいをあげ終わった所よ。今からゲップをさせるけどあなた、お願いできる?」


「任せて。さあ、おいでユーマ」


 お父さんは僕を抱っこして、背中を優しくポンポンした。

 その優しくリズミカルな衝撃でおなかの空気が押し出され、僕は「ケフッ」っと可愛らしい声でゲップした。


「ありがとう、あなた。ユーマちゃんは顔だけじゃなく、ゲップも可愛いですね」


 お母さんは僕を抱きながらそう言って、体をゆっくりと揺らした。

 その余りの揺れ心地の良さに、赤ちゃんの本能が働きだんだんと眠くなった。


 それからの生活は、こういった事の繰り返しだった。

 お腹が空いた頃にお母さんが授乳しては2人がゲップをさせてくれて、普段はバルバドスとフラウロスがガードマンの如く僕を守ってくれての日々を過ごした。

 授乳やお風呂、おむつの取り替えとかは恥ずかしかったが、赤ちゃんである以上は仕方がなかった。


 とりあえず、当面の目標は喋れる様になる事と、自分で立って歩ける様になる事だな。


 そして、この第2の人生では必ず天寿を全うすると固く決めた。

バルバドスの特徴は、ガル〇モンがモチーフです。


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次回予告

転生して半年が経つ。

ある程度の成長をしたユーマは、ある出会いをする。


次回、小さな出会い


次回は6時に更新します。

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