第18話 初めての教会
前回のあらすじ
各国の名前や文化などを学び、世界の情報を得られた事に満足するユーマ。
サラから休日に行きたい場所を聞かれ、ユーマは教会に行く事を希望する。
朝を迎え、僕の心はとてもウキウキしていた。
何故なら今日は念願の教会に行く。
僕がこうしてこのアスタリスクに転生したのは、地球の神様がこの世界への転生させてくれたからで、それから5年が経ってこうして無事に成長出来た事には、この世界の神様に感謝している。
だから今日は、この世界の教会に行ってしっかりと僕が転生者で、将来冒険者になって旅立つと報告のお祈りもしないと。
朝食を食べて少しした後、僕はラティと手を繋いでお母さんの後ろを歩きながら、教会へと向かった。
アリアとクルスは最近定位置となった、僕らの頭の上に乗っかっている。2匹とも、ぬいぐるみの様に軽いから、5歳児の僕らの頭に乗っかっても何ともない。
王都を歩いていると、昨日お母さんの授業で聞いた通り、あちこちに獣人やエルフの姿がちらほら見えた。
「なあ、あの子供の上にいるのは……」
「ああ、最近噂のドラゴンとグリフォンだ。何でも自身の能力であんな姿になれるんだってさ」
「じゃあ、あの子供達が国王陛下の庇護下に入ったっていう子供達か」
「言っとくけど、手を出すなよ。既に何回かそんな事をやって、国王に処罰されて廃嫡になった貴族もいるらしい」
「しかも、親が全員あの暁の大地だぜ。国王と最強冒険者の揃い組とか、絶対に敵に回したくないぜ」
「同感だ」
周りの人たちのすれ違い様に聞こえてくる会話は、僕達と国王陛下の事だった。
それに加えて、僕達に手を出して処罰を受けた貴族の嫡男の件も結構な噂になってるみたいだ。
僕達はそんな会話を聞いて、少し心苦しくなった。
その時、お母さんが僕達の肩に手を置いた。
「大丈夫よ、2人とも。私がついてるから怖くないわよ」
お母さんのそんな言葉が、今の僕達の心を救ってくれている。
ありがとう、お母さん。
暫く歩いて、僕達は教会に辿り着いた。
その建物は某RPGの世界の教会と似た感じの綺麗な建物だった。
同時に飾り気もなく、純粋に信仰心が伝わって来る様な雰囲気を感じさせる。
中に入って、お母さんにシスターの服を着た女性が話しかけた。
「ようこそ、いらっしゃいました。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「おはようございます。私は暁の大地のサラ・エリュシーレです。今日は、こちらの子供達が、イリアステル様にお祈りをしたいと言いましたので、礼拝に参りました」
「そうですか。本日はこちらに足を運びくださり、誠にありがとうございます。それでは、礼拝堂へご案内します」
僕達はシスターの案内で奥へと入っていった。
イリアステルとは、この世界の神様の名前だ。
イリアステルを崇めるアスタリスク唯一の宗教、イリアステル教の教会が各国の街に存在する。
また、アルカディアス神聖国には、神の声を聴くことが出来る聖女という人物がいて、その人がイリアステルから神託を告げられ民に神託の内容を聞かせる。
そうして、各国へと知らされた人々はその神託により、来たりし時へ備える。
シスターに連れられ、一番奥の扉をくぐると、そこには大きな女神像が奥にある大きな間に出た。
「あちらの奥にございますのが、イリアステル様の像です。それでは、ごゆっくりとお祈りをしてくださいませ」
シスターはそう言って、女神像の間から退室していった。
僕達は女神像の前に立ち、片膝をついて両手を組み、お祈りの姿勢をとった。
そして目を閉じ、お祈りを始めようとしたら突然意識が遠のく感覚がした。
突然の感覚に、お祈り中にもかかわらず目を開けると、そこは何もない真っ白な空間だった。
「ここは……まるであそこみたいだ……」
そう、この場所の雰囲気は忘れもしない。
ここはあの時、地球の神様が間違って神雷を落とし、僕がそれによって命を落とした際に神様と出会ったあの空間にそっくりだ。
「やっと会えましたね」
その時、後ろから女性の声がした。
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次回予告
地球で神様に会った時と似た場所に来たユーマ。
そこで彼があった人物(?)とは……。
そして、ユーマはある驚きの事実を知る。
次回、女神イリアステル
次回は9時に更新します。