第134話 デビル種再び
前回のあらすじ
樹海の階層を進むユーマ達は、再びクレイル、アリア、レクスが魔物の罠にかかり、アシッドネペンテスの群れに出くわす。
全て討伐した後、ユーマは今回の戦闘を前向きにとらえ、3人を許した。
ダルモウス山脈のダンジョン攻略開始から1週間近くが経過し、僕達は80階層まで到達した。
ボスのベヒモスがいる96階層まであと16階層。
言葉だけで言えばあと16階層だが、ここからは今まで以上に手強い魔物がわんさか出て来るという事が、ギルドの資料室での情報収集で予め入手済みだ。
そしてこの80階層は湖の階層だ。
「この階層は湖だけど、それ以外には何もないわね」
ラティが言ったように、この階層は目立った場所は目の前に広がる広大な湖だけだ。
だが、この湖はこれまでの階層と比べると、あの樹海の階層並みに厄介な階層だ。
「確かにこの階層は湖しかなくて、この湖を真っ直ぐ突っ切る、または湖畔を迂回すれば、問題なく次の階層に行ける。だけど、この階層はまだ情報が少ない階層でもあるんだ」
「それってどういう事?」
ラティが詳細を聞こうとした処で、アリアが紡いだ。
『湖の中にいる魔物の情報ですね』
「そう。湖の階層という時点で、この階層に出てくる魔物は基本的に水棲の魔物、つまり湖の中にいる魔物が主流という事だ。勿論、この地上にもある程度の魔物はいるけど、種類の数からでは前者の方が上だろう」
「でもこの階層にいる魔物の情報は地上はともかく、まだ湖の中にいる魔物は全て分かっていないという事ね」
コレットの言う通り、この階層はギルドで情報を集めていた時に特に情報が少なかった階層だ。
湖の中――水中は水棲系の魔物でないとその全体を把握するのは難しい。
僕みたいに探知魔法で水中を探知できれば、まだ幾分かは楽だけど、探知魔法はあくまで魔物を探す為の魔法で、地形を把握するという使い方は僕しかいない。
そしてこのアスタリスクでは前世でのシュノーケルとか酸素ボンベみたいな道具はなく、水中で一定時間の間酸素の役割を果たすマジックアイテムはかなり珍しく、結果水中での戦いは主に従魔に頼る傾向がある。
だけどそういう従魔は基本的に珍しい存在だから、ダンジョンの各階層の調査でこの湖の様な水辺の階層では、未だに全体像の情報が無かったりする。
故に、この階層では常に何が起こってもおかしくないという事になるんだ。
「情報が少ない以上、ここはかなり危険が多い階層だという事に間違いはない。だからここは速攻で突破しよう」
「つまり、アリアやクルスに乗ってこの湖を真っ直ぐに突っ切るんだな?」
「そう。勿論、その途中魔物の襲撃もあると思うけど、それでも僕達だとこれが1番速い手段だから」
クレイル達もアリア達もそれに頷き、僕達は元の姿になったアリアに乗り、アリアは翼を広げて湖の上空を飛び始めた。
またクルスはいつもならミニサイズでラティに抱かれているが、偶には自分も思う存分飛びたいらしく、元の姿でアリアの傍を飛んで随伴している。
「こうして上から見ると、この湖、水がとても綺麗ね」
ラティがアリアの背から下の湖を見下ろし、その一面に広がる湖の綺麗な青に見惚れていた。
『確かにこうしていると、ただの美しい湖ですね。ですが、ここはダンジョンですから……』
「何か恐ろしい存在がいてもおかしくはないって事よ。それにこのダンジョンも80階層まで来たから、ギルドでの情報が正しければ、そろそろとんでもない魔物がぼつぼつと出て来る頃合いよ」
アリアとアインの懸念は尤もだ。
ここからは途轍もなく強い魔物だって出て来る。
それにこのダンジョンはボスのベヒモスに意識が行きがちになるが、これまでの階層の魔物達も普通の冒険者では、一筋縄ではいかないようなレベルの奴らが中心だった。
この湖にも、そんな魔物がいる可能性だって十分にある。
僕がそう警戒していた時、アリアが突然空中で止まりだした。
「どうしたんだアリア!」
「グルルルゥ!?」
クレイルも突然の急停止に驚き、思わずアリアを通り過ぎたクルスも慌てて戻って来た。
『何かが来ます』
アリアは真下の湖を見て、そう言った。
「確かに、この真下から魔物の反応が急速で接近している。しかもAランクの魔物だ」
僕の言葉に皆が警戒したその時、湖から先端が鉤爪の様な形状をした巨大な触手の様な物が現れ、アリアとクルスに目掛けて襲い掛かって来た。
『クルス!』
「グルルルゥ!」
アリアとクルスはその高い飛行能力で迫りくる8本の触手を躱し、無事に抜け切る事が出来た。
「何だあれは!?」
クレイルがその触手にそう言ったが、僕から見るとあの触手はまるでタコやイカの足に似ていた。
「あの触手は……まさか……」
アインが何かを見抜いたその時、触手の中心部の水面が盛り上がり、その触手の主が現れた。
その姿はタコの姿で、全身がどす黒い赤をした巨大な魔物だった。
『成程。デビルオクトパスですか。ここでデビル種の魔物が出てくる当たり、結構厭らしい性格のダンジョンですね』
アリアの口から驚くべき言葉が出てきた。
「デビル種……!」
デビル種、かつて僕とラティ、そして夜明けの風が魔の平原の調査依頼で遭遇した、デビルスコーピオンの様な「デビル」の名を持つ魔物の事だ。
全てが最低でもAランクに位置し、そのランクの高さに見合う凶暴性を持ち、住み着いた場所の生態系を根元から崩してしまう事から、デビル種は全て第一級危険生物に指定されている。
「ここにきてデビル種が出て来るのね!」
ラティもアリアの言葉に反応し、エンシェントロッドを構えた。
『お待ちください』
その時アリアが身構えた僕達を制した。
『デビルオクトパスは水棲系の魔物です。今あなた達が私に乗って接近しても、奴はすぐに湖に潜って手出しが出来なくなります』
「じゃあ、どうするんだ?」
『私が湖に潜って、奴を陸地に引き摺り出します。皆さんは湖畔部で待っていてください』
アリアは自分が湖に潜って、デビルオクトパスを引き摺り出す為に囮になるつもりか。
「ちょっと待って。アリアって、水中戦が出来るの?」
ラティがアリアに尋ねた。
確かに言われてみると、アリアこれまで戦ったのは、地上戦と空中戦だけだ。
今まで戦った事のある戦闘で水辺が無かったというのもあるが、アリアがこれまで水中戦をやった姿を見た事は無い。
そう思い返したら、いくら竜神のアリアでも不安を抱きそうになる。
だがアリアはそんな僕達の不安を振り払う発言をした。
『心配には及びません。私は全ての竜を統べる竜神。その中には水竜や海竜もいますが、私竜神はそんな竜達の全ての要素も含めた全能の竜。故に水の中だろうと溶岩の中だろうと、私なら問題なく戦う事が出来ます』
どうやらアリアは竜神としての能力を活かして、本当に水中戦が出来るみたいだ。
それにその表情には虚栄を張っている感じがない。
つまり心からの発言だという事だ。
「分かったよ、アリア。なら、奴を引き摺り出すのは任せた。でも無理はしないでね」
『お任せください』
そう言ってアリアは僕達を近くの湖畔に下ろし、デビルオクトパスと対峙するべく湖に飛び込んだ。
アリア、無理はしないでね。
――――――――――――――――――――
アリアside
湖に潜った私はすぐに全身に水の流れに対するレジストの魔法を掛け、続いて体内の肺に風の魔法をかけました。
私は竜神ですが、水竜や海竜の様な鰓呼吸はありません。
ですが、こうして肺に風の魔法をかける事によって、最初に潜る直前に吸った息を口から出る直前に風魔法で酸素ごと再び肺に送り込む事でまた呼吸が出来ます。
つまり、私はこうする事で水中で疑似的な呼吸ができる様になるという事です。
これで私は問題なく目の前のデビルオクトパスと戦う事が出来ます。
デビルオクトパスも自分から潜ってきた私を餌と思ったのか、その8本の触手を伸ばして私の身体に絡みついてきました。
(これで私を捉えたとは思わない事ですね!)
私は両脚を振り上げ、絡みついた触手をバラバラに切り裂きました。
デビルオクトパスも突然の反撃に驚いたのか、切られた触手を戻しました。
するとたちまち切り落とされた部分が変化を起こし、元通りに再生してしまいました。
デビルオクトパスは触手を切られても魔力を集中する事で、それも元通りに再生する能力がありますが、それも想定内です。
確かにその能力は驚異ですが、それはあくまで魔力が続く限り。
魔力が切れればその間再生能力は使えません。
もっとも、そんなに悠長に戦うつもりはありませんがね。
陸上ではユーマ達が待っている事ですし、ここは早期決着を狙うとしましょう。
私は翼を少したたんで後ろ脚に風の魔力を集中させ、爆発的な風を生み出す事による噴射で一気にデビルオクトパスとの距離を詰めました。
そして私は大きく口を開け、その胴体に噛みつきました。
デビルオクトパスも突然噛みつかれた事に驚き、触手を振り上げてその先端部の鉤爪で攻撃してきましたが、竜神である私の身体には傷1つ付きませんでした。
ですがあまり八方から攻撃してくるのでいい加減鬱陶しくなった私は、少し噛む力を強め、更に尻尾や翼で振り払いその攻撃を防ぐ事にしました。
やがてデビルオクトパスも弱って来たのか、抵抗する為の触手が動きを弱らせてきました。
このまま仕留めるのは容易いですが、出来ればこの魔物はユーマにも攻撃させてからとした方がよいでしょう。
デビル種の魔物となればアメノハバキリに吸収される能力もさぞ強力でしょうからね。
そう決意した私は、一気に水上に目掛けて浮上し、デビルオクトパスを咥えたまま飛び上がりました。
――――――――――――――――――――
ユーマside
アリアが湖に潜って暫くした頃、突然一部の水面が盛り上がり、僕達が何事かと身構えたその時、水面が爆発した様にはじけ、そこから1体の巨大な影が飛び出した。
『ボババベビバビバ!』
その時アリアの声らしい声がしたが、何だか女の子としては決して出してはいけない声が様な……。
アリアの姿が見える様になり、よく見てみると、アリアの口には何とデビルオクトパスが咥えられていた。
成程。
アリアは水中でデビルオクトパスを地上に引き摺り出す為に接近戦を仕掛けて、その際に胴体に喰らい付いて弱らせてから飛び上がったのか。
そしてさっきの声はデビルオクトパスを咥えたまま喋ったことによる声だったという事も理解できた。
理由は察したけど、僕としては注意するべき事が1つ。
それは……。
「アリア! 女の子が物を口に加えたまま喋ってはいけないよ!」
「そうよ、アリア! あなたも女の子なんだから、そういう所も気を付けなさい!」
僕はアリアに行儀が悪いとこを注意したら、アインも便乗して一緒にアリアに注意した。
そしたらアリアは素直に頭をコクコクと頷いて返事てくれた。
どうやら分かって貰えたようだ。
そしてアリアは僕達の所に飛んで戻り、陸上に来た処で咥えていたデビルオクトパスを放り投げた。
『お待たせしました。皆さん』
「お疲れさま、アリア。結構弱らせたみたいだね」
『はい。本当は私だけでも十分に仕留める事も出来たのですが、あれは貴重なデビル種です。きっとユーマのその腰のアメノハバキリで斬って能力を吸収すれば、かなり強力な能力が得られるんじゃないかと思って、弱らせる事にしたんです』
そうか。
アリアは僕の為に気を利かせてくれたのか。
「ありがとうアリア。じゃあ、後は僕達に任せて」
『ですがお気をつけてください。いくら私が弱らせたとはいえ、奴は最後の力を振り絞って、全力で抵抗して来る筈です』
「分かってるって。要は、俺達があいつを更に弱らせて」
「動けなくなった所をユーマくんがアメノハバキリで仕留めればいいのよね」
「ならその役目は私達に任せて」
「グルルルゥ!」
「ウォン!」
クレイル達が前に出て武器を構え、更にクルスとレクスも前衛に出た。
「よし。アリアが作ってくれたチャンスだ。絶対にここで仕留めるよ!」
僕の掛け声に皆が頷き、僕とクレイル、クルスとレクスがデビルオクトパスに向かって駆けだした。
デビルオクトパスも接近してくる僕達に気が付き、残っている力を振り絞って触手を伸ばしてきた。
だがその触手も、
「させないわ! 重力増加!!」
「グランドアロー!!」
ラティの放った重力魔法が8本の内3本を押し潰し、コレットの放った土属性の魔法の矢が2本を貫いて破壊した。
残り3本も僕が2本をアメノハバキリで一閃して斬り落とし、
「邪魔だ!! フレイムクロー!!」
クレイルが右手のメルクリウスに炎魔法で炎を纏わせて、巨大な炎の爪にして切り裂いた。
……というかクレイル、何時の間にかあんな攻撃法を編み出していた様だ。
全ての触手を封じて僕とクレイルが左右に回り込み、デビルオクトパスが内2本の触手を再生させて攻撃しようとしてきた。
デビルオクトパスの再生能力は地上で待っていた時にアインから聞かされていたけど、他の触手はまだ再生していなくて2本が再生していた。
どうやら再生させたい触手に集中する事で、他の再生を遅くする代わりにそれの再生を早める事が出来る様だ。
だがその折角再生した2本も、
「グルルルルルゥゥゥゥゥ!!」
「ガルルルルルゥゥゥゥゥ!!」
クルスとレクスによって阻まれ、爪と牙で無残にもバラバラにされてしまった。
「おらいくぜ!! エアステップ!!」
クレイルが風の魔力空中に足場を作って駆け上がり、デビルオクトパスの上を取った。
「ゲイルストライク!!!」
更にエアステップで急降下して右足を突き出してのキックで、デビルオクトパスの胴体の右半分程を物理的に削った。
「今だ! 後はお前が決めろ、ユーマ!!」
クレイルの攻撃と、水中でのアリアとの戦闘で、デビルオクトパスはもう殆ど虫の息だったが残った左目で僕を捉え、まだ半ば程しか再生していないタコ足をバネにしてジャンプし、その裏側の中央部にある口を開いて牙を剥き出しにして襲い掛かって来た。
「でも逆に、自分の急所を自分から晒してくれて、こっちもやり易くなったよ! ライトニングエンチャント!!」
僕はアメノハバキリの切っ先をデビルオクトパスに向け、ライトニングエンチャントの身体能力と空歩の靴で一気に駆け上がった。
「雷竜剣角撃!!」
稲妻を纏ったアメノハバキリでの刺突を繰り出し、デビルオクトパスの口から直接貫いた僕はそのまま頭部を貫通させ、デビルオクトパスは口から頭頂部に大穴を開けて絶命した。
「デビルオクトパス、討伐完了だ」
僕はアメノハバキリに付着したを体液を振り払い、鞘に納めた。
「やったな」
「うん」
僕とクレイルはハイタッチを交わし、寄って来たアリアとレクスをそれぞれ撫でて労った。
「アリア、お疲れさま。それからありがとう。あの魔物を地上に引き摺り出す為に水中戦までしてくれて」
『どうという事はありません。私を誰だと思っているのですか?』
「最強の竜、竜神のアリアです」
『その通りです』
「『アハハハハハッ、ハハハハハハハ』」
僕とアリアはそんなコントの様なやり取りをし、自分達で笑ってしまった。
「レクスもありがとうな」
「ウォフ!」
クレイルも相棒のレクスを撫でて労い、レクスもクレイルの胸に頭を摺り寄せている。
「処でクレイル、さっきの炎の爪での攻撃、あれ何時の間に編み出したの?」
「ああ、フレイムクローの事か? お前がアメノハバキリを手に入れた後、俺も何か新しい戦闘法を考えてな、メルクリウスに認められた事もあって、こいつに属性を纏わせて爪を作れないかって考えたんだ。今までの戦闘じゃ、過剰になるから使おうとは思えなかったけど、今回のデビルオクトパスで良い試し撃ちが出来るんじゃないかと思って、やってみたんだ。思った以上の威力が出たから、俺も驚いたぜ」
クレイルも、僕達が首都のダンジョンで成長した事を機に、新しい攻撃を考えていた様だ。
同時に、僕の中にもそれをもとに新しい魔法のイメージが湧いてきた。
そこにコレットとラティがクルスとアインを連れて寄って来た。
「ユーマ、お疲れのところ悪いけど、デビルオクトパスの能力はどんなのかしら? 少し気になってね」
「あたしも。デビル種の魔物だから、どんな力を得たのか凄く気になる」
2人に急かされ、僕はアメノハバキリに意識を集中して、デビルオクトパスの能力を確認した。
「…………デビルオクトパスの能力は……アメノハバキリの刀身を1分間伸縮自在に伸ばして鞭のようにしならせての斬撃と、刀身の気配を殺す効果だ。どれもこいつの触手を活かしての奇襲系の攻撃みたいだ」
つまり小説や漫画とかに出て来る、蛇腹剣みたいな感じに攻撃できるという訳だ。
「それはまた、スゲエ効果だな。つまりアマノハバキリの刀身を伸ばして、しかも相手の死角からも攻撃できるって事だろ?」
「それに加えてそういった殺気の類も隠せての攻撃なら、ベヒモス相手でも大きな痛手を与えられるかもしれないわね」
「凄い! 凄いよユーマくん!」
クレイルとコレットはその能力の内容に驚愕し、ラティははしゃいでいた。
「確かに凄い。これはベヒモス戦の奥の手にしておこう。できればもう2つくらいストック出来ればいいんだけど……」
「デビルオクトパスはどうやらこの階層では珍しい魔物みたいね。さっき出てきたのはこの1体だけで、今は他には湧いていないみたいだし」
「そうなんだよねぇ。僕の探知魔法にもデビルオクトパスらしき反応はないし……アリア、さっき水中戦で湖に潜った時、他のデビルオクトパスらしき魔物は見なかった?」
『いえ。先程湖の中でこの個体と戦った時、他の魔物の接近にも注意していましたが、他のデビルオクトパスとかは現れませんでした。おそらくいなかったのでしょう』
残念な事に、今この階層には他のデビルオクトパスはいない様だった。
アメノハバキリに吸収された蓄えられた魔物の能力は、1回使う度にストック数が減っていく。
つまり、デビルオクトパスの能力は1回分しかないから、実質一発芸の様な物になってしまっている。
となると、この力は本当にベヒモスとの戦いにおける奥の手になってしまうという事だ。
「残念だけど、今僕達は先を急ぐ必要がある。ここで新たなデビルオクトパスが湧くの待つよりも、次の階層で新たな魔物を倒す事を考えよう」
皆も承知し、僕達は再びアリアに乗り込み、湖の上を横断した。
尚次の階層への手前にはこの階層では珍しいCランクのサハギンという半魚人の様な魔物がいた。
おそらく、水辺の階層という事で湖畔部をテリトリーにして生きているのだろう。
だが僕達の敵ではなく、あっさりと群れを瞬殺し、次の階層へと降りたのだった。
ここまでお読みくださって、誠にありがとうございます。
「面白い」、「続きが気になる」、「更新頑張れ」と思いました方は、ブクマ、感想、評価してくださると今後の励みになります。
アリアの凄すぎる所
その17、魔法を組み合わせて水中戦が出来る。
魔物情報
デビルオクトパス
Aランクの第一級危険生物に指定されている水棲種の魔物。
8本の触手の先端は鉤爪上になっており、獲物を切り裂きながら水中に引きずり込み、溺死させて捕食する。
また、触手は再生能力が備わっており、例え斬っても油断するとすぐに元に戻って結果餌食になってしまう。
討伐証明部位は口の牙。
サハギン
Cランクの魚の外見に手足が生えた姿をした魔物。
肉食性で獲物が近づくと水中から飛び出して捕らえ、捕食する。
討伐証明部位は背鰭。
次回予告
83階層の火山地帯の階層にやって来たユーマ達は、火山を迂回しようとするがゴーレム種の襲撃を受ける。
しかし、ユーマはそれに戸惑う事なく、新たな魔法を発動させ、クレイル達を驚かせる。
次回、飛翔の雷