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第0話 転生

「……ここは」


 ふと気が付くと、僕、岩崎悠馬(いわさきゆうま)は見知らぬ空間にいた。

 辺り一面真っ白。

 足場はある感覚はするが、全て真っ白だから方角も分からない。


 その際、さっきまでの出来事を思い出していた。


 確か、仕事先のパン屋での勤務を終えて、自転車で自宅へ帰宅する途中……そうだ。

 雨雲一つない空が突然光りだして、ふと上を見上げたら雷が自分に目掛けて落ちてきて……


「……これってもしかして死んだというやつですか?」


「その通りじゃ」


 後ろから、年配の男性の声が聞こえて振り返ると、そこには仙人のような真っ白な服に身を包んだ立派な髭の老人が立っていた。


「あなたは誰ですか?」


「フム。儂はあなた達の世界でいう、神様というやつじゃ」


「やっぱり」


 僕はこの老人から発する神々しい雰囲気から、何となくの確信があった。


「ほう。お主はこんな自己紹介を聞いて、信じるのか? 少なくとも少しくらいは怪しむと思うがの」


「確かにいきなりそんな自己紹介を受ければ怪しいとは思いますが、嘘を言っている様には見えません。それに、この真っ白な空間にいて目の前にこんな神々しいオーラを放つ人が現れたら納得ものです」


「純粋なんじゃな」


「あの、僕が死んだってどういう事ですか?」


「それなんじゃが……申し訳ない」


 神様は突然僕に頭を深く下げた。

 これには流石に頭が追い付かなかった。


「どういう事ですか? もしかして……僕の死って所謂神様の手違いというやつなんじゃ……」


「その通りじゃ。儂が間違えて神雷を下界に放ってしまったのじゃ。そして、その落とした先にお主がいたんじゃ。つまり、お主の死は神である儂の責任なのじゃ。本当に申し訳ない」


 神様は事情を話し、誠意のこもった謝罪を僕に伝えてきた。


「神様、僕はあなた様の事を怒ってはいません。勿論内心は驚いています。いつもの平穏な日常で、突然『あなたは死にました。』と告げられた事には驚きました。でも、僕はこうしてあなたから直接謝罪をいただけました。その事実だけで、僕は十分です」


 まあ、両親からは「自分達より先に死んじゃダメ」とは言われていたけど、この事情なら許して貰えるよね?

 そもそも、神様の手違いなんて、どう怒ればいいのかもわからないというのが、正直な所だ。


「おおぉ……お主はなんと優しい若者なんじゃ。こんな優しい言葉をかけてくれた者は久方振りじゃのう……」


 神様は感動で、大粒の涙をボロボロ流していた。

 ……あれ?

 この人、本当に神様なんですよね?

 只の涙もろいお爺さんにしか見えないんですが……。


「あの……神様、いいですか?」


「……ん? 何じゃろうか?」


 僕はこれからの事を神様に尋ねる事にした。


「僕はこれからどうなるんですか? このまま、天国で過ごすんですか? それとも、一旦地獄に落とされちゃうんですか?」


「ああ、その事か。さっき言った通り、お主の死は儂の手違いによる予定外の死じゃ。その為、輪廻の輪に乗せる事が出来ないので、お主の魂は儂の力で別の世界に転生させるのじゃ」


 神様の口から告げれたのは、ファンタジー小説などでよくある異世界転生だった。


 まあ、天国に行くにも地獄に行くにも、まだ若い身としてはまだまだ生きたいというのも本音だったりするから、これは受け入れた方が良さそうかも。


「分かりました。転生を受け入れます。あの、転生したら僕の記憶などはどうなりますか?」


 これが1番重要な質問だった。

 僕のこれまでの記憶、つまり前世の記憶を引き継いでいれば、僕は岩崎悠馬のままで生きられる。

 でも、もし出来なければ僕は岩崎悠馬ではなく、別の人間となる。

 さて、どちらか。


「それなら心配いらん。儂からのせめてのお詫びとして、お主の記憶はそのままに残しておくのじゃ。でも、転生する以上赤ん坊からやり直す事になる為、その辺は分かって貰うぞ」


 神様の返事は前者の方だった。

 でも正直、僕としてはこっちの方がよかった。

 少なくとも、全くの別人になるよりは全然いい。


「十分です。人間が赤ちゃんから始まるのは当然の事です。人は最初は赤ちゃんから始まるんです。それに転生しても心は僕、岩崎悠馬として生きられるだけこれ以上幸せな事はありません」


「お主は本当に良い人じゃな。儂のとんでもないミスを許してくれたばかりか、感謝を伝えてくれた。お主の様な人に会えて儂も幸せじゃ。それでは、今からお主を転生先の世界にお送りする。儂は地球の神様な為、もう会えることは出来ないかもしれないが儂はいつまでもお主の事をここから見守っておる。どうか、新しい人生を楽しんでいってくれ」


「はい。ありがとうございました」


 そして、僕の意識は遠くなり神様の姿が見えなくなっていった。


――――――――――――――――――――


「さて、この事をあ奴に伝えねばな」


 悠馬の魂を見送った後、地球の神様は何処かへと去っていった。


――――――――――――――――――――


 ……なんだか、体が温かい。

 ……それに、誰かに抱かれている感覚がする。

 ……でも、うまく目を開ける事が出来ない。


「生まれたぞ! 男の子だ!」


 ……傍から男性の声がする。


「ああぁ……良かった………わ。ありがとう、無事に生まれてきてくれて……」


 ……耳元から女性の疲れた声がする。


「お前の名前はユーマだ! 俺達の息子、ユーマ・エリュシーレだ!」


 これが、この世界での僕が生を受けた瞬間だった。


――――――――――――――――――――


 一方その頃遠く離れた場所で、1つの影が動いた。


『どうやら生まれて来た様ですね。この(わたくし)の主となる者が』


 影の主ははるか遠くの空を見上げて呟いた。


『まだ見ぬ主よ、あなた様にお会いできる日を楽しみにしています』

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次回予告

無事に異世界へ転生した悠馬。

しかし、彼は赤ん坊からやり直すという事は受け入れていたが、大事な事を忘れていた。

それは……。


次回、成長中


次回は3時に更新します。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 神様の口調が定まってないところがあるかな? 主人公を呼ぶときも「あなた」と呼ぶよりは 「君(きみ)」とか「お主」とかのほうが口調にあってる気がする
2019/12/24 18:17 退会済み
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