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プロローグ

クラス転移は初めて書くので、話の進み具合が下手くそだとは思いますが、あたたかい目で見守っていただけると幸いです。

『なあ、お前はここ出たら、何したい?』

『私?私は……そうだなぁ、あ!世界を見て回りたい!』

『世界?』

『うん、世界!』

『なんで?』

『だって……私たちは結局、今まで“偽物”の世界しか見れてなかったから……だから、私たちの“本当”の世界がどんななのか、見てみたい!』

『……そうか。じゃあ、一緒に見て回るか?』

『うん!約束だよ?』

『ああはいはい、約束な』

『うんうん!絶対だからね!』

『わかってるって……』


ーーーーー


けたたましい目覚し時計のアラームの音が、俺の脳を起こす。

俺は布団からゆっくりと手を伸ばすと、目覚し時計のスイッチを切った。

……なんだか、懐かしい夢を見た気がする。

学校に遅刻しないように急いで制服に着替え、朝食を摂ると、歯磨きをしながらぼんやりとそんなことを考える。


「……行ってきます」


俺は、歯磨きをし終えると、学校指定の鞄を持って家を出た。

……当然、家から『いってらっしゃい』の返事がすることは、ないーーーーー




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




教室のドアを開けると、そこにはいつもと同じ光景が目に入ってくる。

まず、教室の中心でおしゃべりしている五人組がクラス一の人気者達が集まる、通称、リア充組。

その少し離れた場所に集まっているのが極々普通の人達の集まり、通称、普通組。

そしてそれらからさらに離れた少数の集まり、通称、ぼっち組。

最後に一人でいつも何やってるのかわからないような人達の集まり、通称、変人組。

このクラスはこの四つのグループから形成されている。

ちなみに俺は、ギリギリではあるが一応普通組に入れさせてもらっている。

このグループの人数は順に、普通組、ぼっち組、変人組、リア充組に人数が多いことになっている。

そのため極々平凡である俺が一番人数が多い普通組に入るのは当たり前であると言える。


「おはよう、ジン」

「ん、おはよう、本多」


今話しかけてきたのは、本多帯人。

彼とはもうかれこれ中学入れて三年間の付き合いになる、まあ、腐れ縁みたいな仲だと思う。

こいつも俺と同じ普通組に属しているが、その組の中では結構慕われている方で、クラス間での顔も広い。

ある意味、俺みたいなコミュ障が普通組に入れたのはこいつのおかげだと言える。

そんな友達が多い本多だが、何故か一番話すのが多いのは俺である。

いや、というかこいつは妙に俺を気に入っている節があるというところだ。

この前なんて、本多が普通組の女子グループにカラオケに誘われた時に、『ジンがいないなら、いいかな』とか言って断ったほどだ。

おかげでこいつとのホモ説が浮上してしまい、収拾をつけるのに苦労した。

友達に親切というのか何なのか......とりあえず、まあ、悪い奴ではないと思うが……。


「そう言えば、ジン。先週の課題終わったか?」

「いや、まだ微妙に終わってないけど.....」


俺は基本的に課題の大体を終わらせて、わからないところは人のを写す癖がある。

これは、基本的に良くないことだとは思うし、周りにもいい反応をもらってはいないが、楽できるところは楽をしたい質なので、やめようにも止められなかった。


「じゃあ、俺の写すか?」


......これである。

何なんだろうな、こいつのこういうところ嫌いじゃないんだが、何でそこまで俺に献身的なのかが全然わからない。

こいつの献身的なところは中学にあった時からだったので、こういう奴なんだな、としか思ってなかったが、今までの周りとの接し方を見ているとどうも違う気が……。


「どうした?俺のじゃ駄目だったか?」

「あ、ああ、ごめん、ちょっと、寝不足でさ……悪いな、毎回毎回写させてもらって……」

「ん?なんだ急に。こんなのいつものことだろ?」


……そうですね、俺の駄目人間っぷりはいつものことですね。

本多は気にするな、という意味で言ったんだろうが、何故か俺にはその言葉が妙に心に突き刺さった。

と、言っても、俺の手が止まる訳ではなく、俺のプリントと本多のを見比べて素早く写し始める。

ふむふむ、ここはx=21が正解だったんだな、なるほど〜、って、あっ!?


「もう、何回本多君のを写せば気がすむの?

私達もうすぐ高三になるっていうのに……」

「そりゃそうだけど……」


この人の心をグサッと抉るような言葉を投げかけてくる女子の名は、比金ひかねりん

サラサラの黒髪を背中まで伸ばし、整った目鼻立ちをしている。

胸が“若干”小さく、背も小さいので偶に中学生と間違われることがある、と本人から聞いたことがある。

若干が強調されていることに関しては察していただきたい。

そんな若干胸が小さい比金さんは、その胸をできるだけ大きく見せるために胸の前で腕を組んで歩いている、という涙ぐましい努力をしている方である。

そんな彼女はこのクラスで五人しかいない、あのリア充組である。

彼女の通る道はいつも率先して開かれ、さらに腕を組んで歩いているので、まるでどこぞの王女様みたいだな、とクラスで話題になっているほどだ。

その歩く姿に感動したのか、うちのクラス内では、『女帝』と渾名されるほどだ。

王女様、どこ行ったよ!?とツッコミたいところだが、なんか本人もまんざらではなさそうなので、俺もそれで通している。


「で、朝からどうしたよ?『女帝』?」

「……」

「ん?」

「いや、別にぃ……」


明らかに不満げな態度で呟く。

そう、なんでか知らないがこいつは俺が『女帝』と呼ぶのを凄く嫌う傾向がある。

他の人に言われるのは気にしないのにな……。


「それで?早く俺のプリントを返して欲しいんだが?」

「これはっ、あんたのっ、プリントじゃないでしょっ!?」


がんッ、がんッ、がんッ、と三回連続の足蹴りを俺に浴びせる、女帝。

やっぱ、ぴったりじゃん、女帝……。


「痛いッ、痛いってッ!?」

「じゃあ、ちゃんと見ずにする?」


こいつの嫌いなところはこういう所だ。

俺の怠け癖が気に入らないらしく、ここに来た当時から何かと突っかかって来ていた。

最初はそういう委員長タイプなんだな、と思ってある程度抑えていたが、それがもうしつこい!

高一から今に至る高三まで。

高二に至ってはクラスが違うのに突っかかって来ていたのだ。

もう今では諦めの境地に至っている。

精々、俺がすることといったらジト目でこいつを睨みつけることぐらいだ。


「……わかったよ、自分でするからとりあえずそのプリントは本多に返してやれ」

「ふんっ、最初からそうすれば良いのよっ」

「……(ぱきッ)」

「抑えて抑えてッ‼︎」


こいつの言い方があまりにも酷いので、俺の怒りのメーターが振り切れそうになる。

幸い、近くにいた本多のおかげで俺のシャーペン一本が犠牲になるだけで済んだが……。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「はぁ〜い、皆さん、席についてますね?」


いつも通りテンション高めの担任が俺たちクラスの点呼を取る。

俺はついさっき終わらせたばっかりの課題に空欄がないかを確認する。


「大丈夫か?ジン。ちゃんと終わらせられたか?」

「心配しすぎだ。ちゃんと終わらせられたって、ほら」


俺がプリントの束を本多に投げ渡す。

多少受け損なった本多だが、そのプリントも俺が拾い上げることでカバーする。

ーーーーーそこで、ふと俺は違和感を感じた。

なんだ?なんで俺は違和感を感じたんだ?

その違和感を本多に伝えるよりも早くに、俺たちに教室いっぱいに広がる光が差し込む……。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ーーーーー、ーーーん、あ?


「やった!!!やりましたよ!!!」

「ええ、お疲れ様です、姫様。」


?姫様?

誰だ?そんな仰々しい渾名がついてる奴なんかうちのクラスにはいないはずだが……。


「でも、喜ぶ前にしないといけないことがあるわね。

ようこそ、お越しくださいました、勇者様!」


なんだ?この出来すぎた小説のようなセリフは。

もしかして、ここはーーーーー


「あの、ここはどこなんですか?」


勇気のある生徒の一人がそうたずねる。

それに対して『姫』と呼ばれていた少女は朗らかな笑みを浮かべながら、答える。


「はい!ここは、勇者様達がいらした世界とは別の、コランと呼ばれる世界のエルンスト王国という所です。

大変恐縮ではございますが、勇者様達にはこの世界を魔王の手から救っていただきたいのです!!」


これが俺達、異世界での旅の始まりであったーーーーー










感想、ありがとうございます。

まだ、手直しが追いついてないので、書き直すのには時間がかかるので、とりあえず一話だけ書き直しておきました。

今後も、感想、問題点などおかしな点があったらできるだけ早めに訂正するので、言ってくださると幸いです。

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