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第2話

僕の〜はこれで終わりです。母親視点からの話を入れようかな〜と思ってます。

戦争を仕掛けてきた隣国の国を落とした。

その中で、特に勝利に導いた3人の男達の元に母親は2年越しで周った。

他の信奉者達にも、それなりに感謝の言葉とキスを贈った。

貰った男達は狂喜乱舞だったらしい。自分の母親は凄いと感心した。


僕の母親は変わっている。

それぞれの、男達の子を生んで1番気に入った侯爵の妻になった。

母親に連れられて、周る3人を父上と呼んだ。喜んでいたので問題無いだろう。

いっぱい物もくれるし、優しくしてもらったので不満はない。


「お母様、どうしてデスダス侯爵と結婚したの?」


3人に、あんまり違いがある様には見えなかった。

誰でも僕としてはいいけど、理由が知りたいよね。

母親が選んだ基準に興味がある。


「そうね〜、1番陛下が苦手としている人だから?かな。干渉されたくないのよ」


自由が1番なんだね。らしいよ、そうだとは薄々思っていたけど決定だね。


「ふ〜ん、僕の父親は嫌いなんだね。暑苦しいとは思うけどね」


わざと、ジーと見てみた。焦った姿に心の中で舌を出して笑った。


「え?き、嫌いじゃないのよ……面倒臭いだけ」


否定はしたけど、最後の呟きは聞こえたよ!

本当に面倒が嫌いなんだ。


「それならいいよ」



それは、それでいいけどね。

昔は、どうして父親が沢山いるのか不思議だったが、大きくなっていく内に気が付いた。

母親に似た、僕を溺愛しているからだろう。

不自由無く暮らしていけた。大事にされ過ぎて困ったくらいだ。

3人を上手に扱う母親に、つくづく常識の当てはまらない人だと呆れる。

僕に、被害が無ければそれも気にならないかな。

王宮から連れられた理由も、母親に似ていて危ないと思われていたからだ。


「アルバート、私に良く似た貴方は心配だから、お母様と一緒に行きましょうね」


母親が目を合わせて、僕に優しく言って。父親は泣いていた。

僕にとって、父親は母親の言うことに逆らえない、首振り人形と一緒だ。

いつもボロ泣きの、情けない姿しか思い出せない。


「はい、かあさま」


母親の方が良かった僕は、一緒に王宮を出て行った。


「では、陛下お別れです。王妃様とお幸せに。私も幸せに成りますのでお気になさらずに」



小さい私は、母の言葉に頷いたらしい。

父である王は、母に似た私を側に置きたかった様だが母には敵わなかった。


「大丈夫よアルバート。私に似た貴方を害する者はいないわ」


王子と言うより母の子供で、1番母の容姿を受け継いだからだ。

他の異父兄弟は誰も母には似ていなかった。

16歳になって王家に呼び出された。

しばらく一緒住みたいと、父親である陛下が母親に頼んだからだ。



「アルバート、何かあれば父である私に相談してくれ!害する者には罰を与えよう」


「父上、ありがとうございます」


侯爵家から出発する、僕の見送りに皆集まって来てくれた。

母上を慕う男達が、何時も私を気遣ってくれる。

異父兄弟の弟達も、母に似た私を大事にしてくれているようだ。


「アルバートは大事な私の息子だ!」


フン!と鼻息も荒く主張している。

過激な父親の1人だ。

この人、戦場でバンバン魔法を放ちドッカーンドッカーンと、帝国兵をぶっ飛ばし殲滅していた強者(つわもの)だ!

母親を側妃に召し上げた陛下が嫌いで、今まで手を抜いていたらしい。

母親は罪作りだったらしい。国が保てるギリギリの防衛しかしてない。


どうして知っていたのか聞くと、戦場での戦いは凄かった、と父親になった男達の話を母親から聞かされた。

魔法具に記憶された、貴重な物を嬉々として見せてくれたらしい。

もらったので、僕にも見せてあげると言って映像を流した。


「ふははは!リリーローズの為、帝国兵士に藻屑になってもらおう!」


魔法で兵士をなぎ払い、決まったとドヤ顏で主張する男。

魔法具目線で、魔剣の切っ先が光と共に伸び全てを斬り裂いて行く。


「私が騎馬隊を殲滅させましょう。リリーローズ見ていてください」


2人目の、父親も割と過激な性格だ。

普段は優しいが、母親の事になると変貌する。

でも、母親に良いところを見せようと頑張る、健気な姿にぐっときたらしい。

僕から見れば、3人共同じ性格で救いようが無いと思うのだが。


「砦をバラバラにしたら喜んでもらえますかな」


3人目もあまり変わらない。

いやいや、そんな事ができるなら、早くから帝国に対応できたのでは?

疑問が出てくる。

本当にバラバラにしてるよ!

ファイヤーボールでなく、隕石並みの魔法だ!

落ちた途端蒸発してるか?

振動で周りの城跡が壊れた?

この父親達!規格外だよ。

国すら乗っ取れそうだ。

母親が望んでないからやらないだけだな。

帝国が不憫だよ!

手を出さなければ、母親の退屈凌ぎの案に採用されなかっただろうな。


「そうだ、君を害する者達は私達の敵だからな」


爽やかな笑顔だ。

眩しい位のいい男でもある。

父親に似た兄弟達もそれは同じだ。

過激な性格を受け継ぐ、ある意味厄介な弟達でもある。


「アルバート兄様の敵は僕達の敵だよね。ガーウィン兄様」


2つ下の弟フィリップが、上に兄ガーウィンに話しかけている。

敵⁈そんなものがどこに?

僕が知る中で聞いた事はないが、誰の事だろう?


「そうだぞ、母上似たアルバート兄上に傷を付けたら抹殺だ!」


「僕も兄上の敵は許さないよ」


「「そうだね!兄様!」」


過激な弟達だ。皆、母を溺愛している。

母親に似た僕も守ってもらえる様だ。

この弟達は優秀だ。

でも、国を乗っ取るのは止めてくれよ。

僕も面倒なのは嫌いだから頼んだよ。

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