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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第四章【七大悪魔王】
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絶刀・天魔と七大悪魔王 前編


二話同時





 アルカディア城、地下【修練の間】の重たい扉がゆっくりと開かれる。入ってきたのは大小種族様々な男女8人。



 俺は修練の間の中央で腕を組み、仁王立ち、高笑いを上げた。


「フハハハハハハッッ、よく来たな勇者共!!ここまで来たお前達に褒美をとらせてやろう!どうだ?俺の仲間になるなら世界の半分をお前達にやろう!!さあ、どうする!!」




「……………………」×全員

 全員固まっている。そして冷たい視線をこちらに向けている。



「どういうつもりでしょうか……竜斗様は?」

 流石のレイナも呆れている。


「さあな……」

 ゼノは肩を(すく)めている。


「変な物でも食べたか?」

 アトラスがよく聞くような言葉を口にする。



 やばい……段々恥ずかしくなってきた。



「まぁ、あいつはいつも変だけど、遂におかしくなったか?」

 バアルから冷たい一言。


「これから戦う相手とは到底思えんな……」

 ルキも呆れている。


「あらあら……」

 サラは相変わらずマイペースだ。口に手を当てて笑っている。


「竜斗様には正直がっかりしました……」

 ルルは馬鹿にされたと思ったみたいだ。



(あれ?竜の王様の名言のつもりだったんだけど……違ったかな……?)


 皆のやる気を出させる為にやった魔王っぽいセリフだったんだけど、どうやら皆は馬鹿にされてると思ったみたいだ。



「えっと…………ごめん」

 俺は謝ってしまった。

 



 気を取り直して俺は準備運動を始めた。首から足にかけて入念にストレッチする。骨をポキポキと鳴らすと、最後に深く息を吸って吐いた。


「スゥーーーーーー、ハァーーーーーー」



 俺は【神眼】【絶刀・天魔】【森羅万象】を発動させた。


 絶刀・天魔の鞘を左手で掴み、神眼で皆を見つめた。そして空いている右手を皆の方に向け、少しだけ口角を上げると人差し指をチョイチョイと動かし皆を挑発する。


 俺は魔力を神器に込めた。




 皆の額から汗がつたっているのが見えた。



「やれやれ、やっとマジになったか……」

 ゼノが双剣の神器【光闇双剣(デュアルブレード)】と首輪【幻影魔(ファントム)】を発動させ、双剣を逆手に持っている。


「…………改めてみても凄まじい魔力だな」

 ルキは槍の神器【竜槍<紅>】と盾【薔薇の盾(ローズシールド)】を発動させた。どうやらきちんとゼータから盾の神器を譲り受けたみたいだ。


「か、勝てるのでしょうか……」

 ルルは籠手の神器【オリオン】を発動させ、皆より後方にいる。


「勝つしかない」

 ガオウは斧の神器【グラヴィトンバスター】と鎧の神器【黒鎧武】を発動させ、グラヴィトンバスターの柄頭で地面を突いた。


「だね」

 バアルは杖の神器【極烙炎】を発動させて、ルルを護るようにしている。


「援護は任せろ」

 アトラスは銃の神器【麒麟】だけを発動させている。


「いつでもいけます」

 サラは鎌の神器【絢爛黒華】と胸当【花樹園】を発動させている。攻撃と治癒の両方を担当するみたいだ。


「スゥーーーーーー、ハァーーーーーー」

 レイナは籠手の神器【大和】と具足の神器【銀鶴】を発動させ、俺と同じ様に深呼吸した。

「……いきます!!」



「こい!」



 同時だった。俺が言い終わると同時にゼノがいきなり背後より現れ斬りかかってきた。


「双天剣技・双軸結晶!!」


 双剣を逆手に持っていたゼノが自分を軸にして回転し、見たことない技を繰り出してきた。光と闇の乱舞であった。


【居合の構え】+【水属性】


 居合の構えと言う程ではなかったが、俺は納刀されていた刀を一気に引き抜いた。ついでに水属性を付加させて、円を描くように背後にいるゼノ目掛けて一気に振り抜いた。


「【抜刀・水の位 五月雨】!」


 刃と刃がぶつかった瞬間、ゼノは一気に吹き飛んでいった。


「がはっ……」

 ゼノは壁に激突することはなかったが、壁際まで飛ばされると、そのまま片膝をついた。




 すると間髪入れずに、ある人物が視界に入ってきた。正直、攻撃を躊躇ってしまう相手だ。でも、ここは心を鬼にする。


「崩麗旋脚!」


 レイナが俺の顔面目掛けて回し蹴りを繰り出してきた。レイナの神器には【衝撃】の能力があるため当たるわけにはいかない。良くて吹き飛ばされるだけだが、運が悪かったら世紀末みたいな「ひでぶ」な状態になる。

 俺は上体だけを後ろに反らして躱した。


 レイナは間髪入れずに技を繰り出してくる。


「崩麗脚!」


 崩旋脚の反動をそのまま利用して、今度は足払いを掛けてきた。これは少しだけ跳躍して躱した。




「タイタンブレイカー!」


 斧の神器を振りかぶっているガオウがいつの間にか俺の横に現れ、一気に降り下ろしてきた。


 跳躍中の変な姿勢ではあったが、俺はガオウの右手を籠手打ちした。当然刀には【風属性】を付加させて。

 右手を斬られたガオウの攻撃は俺から()れて、地面に轟音が響いた。


「がっ……ぐっ……」

 ガオウは右手の痛みを必死に(こら)えている。




「ルルさんっ!」


 バアルがルルの名を叫ぶと、俺の上空に巨大な炎の龍が現れた。


龍虫炎舞(インセクトダンス)!」


 バアルは杖を俺の方に(かざ)して炎の龍を操ると、炎が一気に襲いかかってきた。同時にルルは後方より手を翳して離れたガオウを治癒している。


【下段の構え】+【水属性】


 俺は刀の剣先を下げ、再度水属性を付加させると、刀を【巨大化】させながら振り上げた。


「【下段・水の位 間欠泉】!!」


 炎龍を縦一文字に斬り裂くと、炎が霧散していった。




雷銃・麒麟(キリング・ブラスト)


 本当に皆、間髪入れずに攻撃してくる。アトラスも以前程の威力ではないが、雷弾をぶっ放してきた。恐らく残り4つの、聖獣の名を関する神器を同時に発動させると威力が跳ね上がるみたいだ。


(多重発動かな?)


 そんな事を考えながら、振り上げていた刀に地属性を付加させた。


【上段の構え】+【地属性】


「【上段・地の位 土髪天】!」


 これも刀で縦に斬り裂いた。




 雷弾が左右に別れて俺の横を通りすぎた瞬間、そこには神器を構えたルキとサラがいた。


水竜紅爪(ドラゴンネイル)!」


 先に攻撃してきたのはルキだった。突撃槍に水が渦を巻くようにして纏わり、容赦なく突いてくる。


【脇構え】+【雷属性】


「【陽金・雷の位 十六夜】!」


 俺は刀を後方に向け、剣先を下げた。腰を落として雷属性を付加させると逆袈裟斬りを放ちルキの槍を弾いた。

 すかさずサラが背後から鎌の神器を横薙ぎで一閃してきた。


「秘技 花鳥風月」


 俺はルキが()け反っている間に、反転し炎属性を刀に付加させると、サラ目掛けて袈裟斬りを放った。


【八双の構え】+【炎属性】


「【八双・炎の位 白爆発(ふれあ)】!」


 刃がぶつかるとサラの鎌を叩き落とした。


「いっ…!」


 衝撃でサラは手が痺れたようだ。今度は俺が間髪入れずに攻撃を繰り出した。




【中段の構え】+【炎属性】


 流れるような動きではなかったが、1度構えを取り直した。そして眼前のサラ目掛けて突きを放った。喉は不味いので、肩辺りを狙った。


「【中段・炎の位 火紅天(こくてん)】!」


「させません!」


 瞬間だった。俺の刀を横から物凄い衝撃が襲った。あまりの衝撃に俺は柄を両手で握れなくなった。


「いっ…てぇ……!」


 気づくと目の前にレイナが立っていた。恐らく拳で俺の刀を横から殴ったと思われる。

 咄嗟に俺は片手でレイナに胴打ちを放つが、姿勢も滅茶苦茶な状態だった為、レイナはこれを軽く躱した。


 皆と少しだけ距離が出来、怒濤の攻めが少しだけ緩んだ。


「ふぅ、やっぱ8人相手はきついな」

 俺は額の汗を服の袖で拭った。




「……信じられぬな」

 ガオウが呟いた。ルルの治癒も終わってるみたいだ。


「Sランク7人と治癒士を相手にして「きつい」程度で済むとは……」

 アトラスも驚いてるようだった。


「少し前のアルカディア国にSランクが7人も攻めてきたら、魔族は根絶やしにされてるってのにな……」

 ゼノは嘆いている。


「ほんと変態的な強さだよ」

「ですね」

 バアルとルルは相変わらず俺を変態扱いする。


「我々の技も(ことごと)く破られているしな」

「あれでは駄目みたいですね」

 ルキとサラはどうすればいいか考えている。


「出し惜しみはなしです。あれでは竜斗様は全て対応してきます……私達の全力をぶつけましょう!」


 レイナが神器に魔力を込めると、皆も神器に更に魔力を込め出した。

 俺は基本の中段の構えをとって皆の攻撃に備えた。




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