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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第四章【七大悪魔王】
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ツンデレと故人

数話前の【夢と夢】に出てくる女性の名前をベル→アリスに変更しました。名前を変えただけの改稿ですので特に読み直さなくても大丈夫です。





 アーク帝国は、別名【緑の国】とも呼ばれる位、草原が広がっていた。勝手なイメージだと王国とか神国の方がピッタリくる。帝国はなんとなく茶色とか黒とか荒野の方がイメージに合う。

 因みにだが、スレイヤ神国との国境付近は【アルカ大平原】が広がっている。



(俺には草原と平原の違いがよく分からん)



 兎に角俺達はゼータと再会して再び北西、アーク帝国とホウライ王国の国境、【機械国】を目指した。5人(・・)で……



「ゼノちゃんは竜斗ちゃん以上にイケメンだわ」

「あら~ん、ガオウちゃんの腕も逞しくて凄いわ~」

「バアルちゃんは将来絶対イケメンになるわ…………嘘!?20代なの?見えな~い」


「…………」

「…………」

「…………」

「…………」



 俺、ガオウ、ゼノ、バアル、オカマの5人だ。

 ゼータが連れていたナナとキィは正直戦力的に足手まといだったのでレインバルトと共に早々に退場してもらった。


 言い方が悪かった。レインバルトには2人を連れてアルカディア国に帰還してもらった。なので現在はこの5人でのパーティーだ。

 男5人→+オカマ1人・女2人→-男1人・女2人→結果、男4人・オカマ1人。



(どんな罰ゲームだ!!)



 でも道案内的にも、帝国の兵士を避ける意味でもゼータは打ってつけだった。仮にも【元・六花仙】……アーク帝国内の地図は完璧だし、然り気無く遠回りして兵士達に遭遇しないようにしてるのが分かった。

 現にここまで兵士達とは1人とも出会っていない。情報だと国境沿いには【六花仙】が1人おり兵を展開してるそうだが、出会いそうな気配はない。

 なので俺を含めて皆、ゼータには何も言えなかった。




 機械国に向けて旅立ち既に数日、俺達は休息を取りながら進んでいた。今は、5人で火を取り囲んでいた。勿論、草に火が点かないように細心の注意を、払ってだが。



「この辺りにいる六花仙は誰?」


「【桔梗】ちゃんね。彼女結構強いわよ~Sランクだし~七極聖の【水王】と四傑の【拳聖】と互角に渡り合ってた訳だしね」


「へ~」


「もっとも、その水王レインバルトちゃんは竜斗ちゃん(あなた)に敗けた訳だから、彼女も竜斗ちゃんの敵ではないわね」


「ふ~ん、能力は?」


「ごめんなさい、それは言えないわ……」


「なんで?」


「……私が国外追放される時に皇帝陛下に誓ったの、帝国の不利益な情報は流さないって……」


「そっか~分かった」


「…………追求しないの?」

 ゼータは首を傾げてる。


「俺にはよく分かんないけど騎士の矜恃だろ?いいよ言いたくなかったら」


 俺の言葉が意外だったのかゼータは他の3人に振り向いた。



「……祖国を裏切りたくないのは我らも同じだ」

「まぁ竜斗がいたら問題ないしな」

「だね、僕らも同じSランクだし」


「貴方達…………」

 ゼータは少し感動していた。


 ただ体をクネクネさせるのは止めて欲しい……



「でもいいの?」

 バアルが尋ねた。


「えっ?」


「あんたさっきから、帝国の兵達がいる場所避けてるだろ?」


「き、気付いてたの?」


「うむ、ここまで敵に出会わないと流石にな……」


「結構、然り気無くしてたつもりだったのだけど……」


「それは帝国の不利益にならないのか?」

 ゼノが当然の疑問をゼータにぶつける。


「……そうね、そうかも知れないけど、現状帝国とは戦わないのでしょう?ならいいんじゃないかしら」


「なんだそれ?結構曖昧なんだな」

 ゼノは小さく笑った。


「そうね……フフッ……私にもよく分かんないわ」

 ゼータも小さく笑った。



 皆で他愛ない談笑をしていた。



 そして、俺は気づいた!

 ゼノはルキが好きなのだと!

 確信はない!

 だがいくつか証拠は揃った!



1つ、あの惨劇(浴場事件)の前のゼノとルキの雰囲気。なんか良い感じだった。

2つ、ゼータに再会した時の情緒不安定ともとれるゼノの小者感。

3つ…………目は無かった。



 だがこれだけ証拠があればゼノがルキの為にゼータに斬りかかった理由にはなる筈だ。出なければ元来チャラいゼノが急に怒りだしたりはしない。

 現にゼータと楽しそうに話している。もう許したのかよ!……と、突っこみせずにはいられない程の身代わりの速さ。

 いや、他愛ない談笑の中に見え隠れする殺気……完全には許してないみたいだ……


 敢えて言おう、ゼノはルキが好きなのだと!(カスとは言いません)真実はいつも1つだったりする訳だ。あまり記憶にないけどじいちゃんの名に誓ってもいい。

 後は……アルカディア国に戻って現場を押さえれば答えが出る。


(ふふっ、楽しみだぜ)


 ふとゼノと目があった。ゼノはフッと小さく笑った。



(バ、バカな……俺の考えに気づいているのか!?)



 奴の目は雄弁に語っている。「証拠?見つけられるもんなら見つけてみろ!お前にそんなことが出来んのか?」そんな目だ……。俺の体はワナワナと震え出した。



「竜斗ちゃんどうしたのかしら?」

 ゼータは首を傾げてる。


「さあな。大方、変な推測でもしてるんじゃないのか」

 ゼノはフッと笑っている。


「?」


(バレてる……)




「それより話を聞いてもホント信じられないわ」


「何が?」


「竜斗ちゃんよ。異世界人とか、ランクZEROとか、魔人族と契約してるとか、本当に規格外だわ……」


「まぁな、俺もよく分からんけど」


「そうなると、竜斗ちゃんのハートを射止めたレイナちゃんに是非会ってみたいわ。どんな娘なのかしら?」


「俺が言うのもなんだけど、可愛くて胸がでかくて強いぐらいで、性格とかは普通の女性だと思うよ」


「なんだノロケか?」

「こんな時まで」

「まぁ~」

「竜斗、男として……」


「いつまで、そのいじり方するんだ!!てか、久々に聞いたわ!!」

 俺は勢いよく立ち上がりツッコんだ。



「つまり、個性的な特徴はないって事?」


「……まぁ、そうハッキリ言われたら困るけど。物語のヒロインみたいにツンデレだとか、そういう属性はないかな」

 俺は答えながらゆっくりと座った。


「ツン、デレ?……また、知らない言葉だな」

「本当に異世界人って訳の分からない言葉が好きだよね」

「うむ……」


「あら3人とも知らないの?確かツンデレって、特定の人に対して嫌いと好きの両方の感情を持った人の事よ」


「へ~」

「そんな奴いるのかよ」

「まぁ物語なら有りではあるか……」


「極端すぎるな……でもまぁそんな感じだとは思う。俺もよく分かんないで使ったけど、普段はツンツンした態度とるのに、たまにデレる人の事を指すのに使ったりかな。改めて問われると結構、曖昧でよく知らないで使ってるな……」



「てっきり異世界人の言葉かと思ったが、人間の間では当たり前の言葉なのだな」


「!?」

 ガオウの何気ない一言に俺は衝撃を受けた。


「……そうなのか?」

 俺はゼータに尋ねた。


「……いえ、違うわね……どこで聞いたのかしら?…………あれは確か……まだ10代で……軍の訓練生だったような…………」



(神眼で視たゼータの年齢は30歳だ。ガオウと同い年。ルキの国を攻撃し出したのが5年前で、それより更に前の時代か……)



「…………ええ……そうよ……そうだったわ……間違いない、確かにあの時、あの御方が言っておられたわ……」

 ゼータは思い出すかの様にブツブツと呟いている。


「ゼータ?」


「間違いないわ。確かにこの世界にツンデレなんて言葉はない。でも私とセツナは1度だけ、その言葉をある人から聞いたことがあるわ」


「……誰?」

 俺は息を飲んだ。


「…………皇帝陛下よ」

 ゼータは少し間を空けて答えた。


「!?」

 まさかの人物に全員が驚いた。


「詳しく聞かせてくれ」

 俺は若干身を乗り出すようにしてゼータに尋ねた。


「え、ええ……いいわよ」



ーゴクリー



 ゼータは過去を話してくれた。



 長くなったので要約すると、軍の士官学校にいたゼータとセツナは才能があり、学校でも他者達と比べて抜きん出て優秀だったそうだ。

 そんな2人を現・皇帝が、皇太子だった若かりし頃より目をかけてくれてたそうで、よく話をしていたらしい。

 当時の皇太子はアーク帝国の城【天城】をよく抜け出して誰かと会っていたそうで、その誰かから聞いた言葉らしい。

 相手について詳しくは教えてくれなかったそうだが、話から女性ではないかとゼータとセツナは予想したそうだ。



「誰だろ……」

 俺は何故かその相手が気になってやれない。


「どうしたんだ?やけに気にするな竜斗」

 バアルが尋ねてきた。


「うん……多分だけど相手は俺と同じ異世界から来た人だと思う……」


「バカな!?有り得ん!神器【変わる世界】(ワールド)はSSランクだ!それに【変わる世界】はアルカディア国にずっとあって使用された事は1度もない!!」

 ガオウは叫ぶように否定した。


「でも他に似たような神器がある可能性も……」

「ないわね」

 ゼータは即答で否定した。


「……なんで?」


「その神器がどうして存在してるのか知らないけど、今までにSSランクの神器が世に出た事はただの1度もないわ」


「そうなの?」


「ええ、だってSSランクの迷宮を攻略した人間なんか存在してないもの。歴代でみても最強の存在、エンマ、アーシャ、セツナでさえ攻略出来ていないランクよ。神珠もないのに創造出来る筈がないわ」


「……じゃあ皇帝が会ってた人って誰だろ……」



 皆黙りこんだ。



 すると、ゼータがゆっくり口を開いた。


「……これは言うべきか悩んだのだけれど、竜斗ちゃん達の目的の為には必要だと思うから、やっぱり言うわ」


「?」


「本当は皇帝陛下が誰と会ってたか私、知っているのよ……」


「本当か!?」


「ええ、でも異世界人ではないわ……それに彼女はもう既に亡くなられているもの……」


「そう……なのか……」

 俺は少しだけ落胆の色を見せた。もしかしたら俺と同じ境遇の人に会えるかもと期待したからだ。


「誰なんだ?」

 ゼノがゼータに尋ねる。



「……皇帝陛下が会っていた女性の名はアリス……、アリス・ベルフェゴール。竜斗ちゃん達が会いに行こうとしている【機械王】アトラス・ベルフェゴールの妹だった機人族よ」



「!?」



私事を2つ。


会社での今年度の推進委員活動終了。


来年度は絶対やらない!!!!


これを期に投稿頻度上がればいいのですが、現在、この小説のイラストもお絵描き中なのです♪


小説書けよ!ってツッコミはなしでお願いします……


これだけの為にペンタブも買ってしまいました(笑)

色塗りが嫌いで、落書き程度しかしてこなかったもので現在色塗り勉強中。


小説書けよ!って苦情はなしでお願いします……



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