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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第十一章【仮りそめの平和】
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アーシャとスレヌティーヌ



 取り敢えず私のやるべき事は決まった。

 強くなるためには実戦あるのみ。

 差し詰め迷宮攻略か。

 ガオウさん達に合流してそれから……いや先ずはギルド員を使ってありったけの迷宮を調べさせますか。

 攻略対象をSSランクとするなら、【魔物大全】もかなりの量が必要そうですね。



「おっと、その前に腹ごしらえからですね。店員さん!」

「は~い!」


 私は店員さんを呼んだ。

 店員さんは元気に笑顔でこっちに駆け寄ってくる。

 

「私にも定食とやらを1つ、それと食後のスレヌティーヌを3杯はお願いします」

「あっざ~す!」


 ?

 あっざ~す?

 変な挨拶?だ。


 私はそれ以上は気にせず、目の前の紅茶をズズズと音をたてながら一気に飲み干した。

 我ながら下品な飲み方だ。

 でも、たまにはこんな飲み方も悪くない。



「まぁ元気になれたんならそれでいいよ……」


 天原竜斗は頬杖をついて呆れていた。

 おっと、彼には箸の持ち方をレクチャーして頂かなくては。



◇◇



 食事を済ませ、食後のスレヌティーヌを一口。

 ふふ、やはり至高の一品ですね。

 香りも後味も素晴らしい。

 これを作っているのがスレイヤ神国の民だと言うのだから誇らしくもある。

 


「改めて……お礼では無いですが、何か聞きたいことはありますか? 大抵の事にはお答えできますし、困り事なら手伝いますよ?」


 ふふ、我ながら情けない。

 こんな言い方でしか感謝の仕方が出来ないとは。



「なら探して欲しい人達がいる」


 天魔戦争についてと言われたらどうしようかと思ったが、彼は即答した。

 或いはもっと悩むか、無いかと思ったが探し人がいたとは意外だ。

 


「誰です?」


 彼が探して欲しい人達か……

 結構気になるな。



「先ずはギルド【刀剣愛好家】の3人。ギルマス・サクヤさんとキョウとユイ」


 先代の風王の親族、確か面識もあるな。

 それにしても彼から意外な名が出てきた。

 あ、彼とレイナも所属してるギルドだったか……なら意外でもないか。

 神国に帰ってきてる筈だが、確かに見てないな。



「分かりました。それで、【先ずは……】と言うことは他にも?」

「後は元・六花仙のオロスとイルミナ……だっけ? その二人」


「ああ、彼らなら帝国に新たなギルドを立ち上げてますよ。確か……ギルド【大輪の華】だったかと……」

「……なんか六花仙に対する当て付けみたいな名前だな」


 確かに。



「彼らは今結構各地に散らばってますからね。足跡を辿るのは容易ですが、聞いた話だと楽しくやってるみたいですよ」

「……ん~そうか。六花仙辞めて楽しくやってるのか。なんか巻き込むのも申し訳ないな」


「協力して欲しいので?」

「Sランク二人だぜ? 戦力としてはいるだろ」


 ランクZEROが何を……とは言わないでおこう。



「ならギルドとして要請すればいいだけですよ」

「そっか、頭冴えてるじゃんアーシャ」


 嫌味にしか聞こえない……



「では三国からの依頼として、私が要請しておきましょう」

「……なんか三国からとかすげぇな」


「最近では、ギルド【刀剣愛好家】とギルド【大輪の華】の名は巷で有名ですよ」

「へぇ~そうなんだ」


「元々帝国のギルドはアリスの死後から衰退してましたからね。そこを救い上げたのは中々の着眼点だと思いますよ」

「なら神国と同じで帝国唯一のギルド?」


「いえいえ、帝国にもまだ沢山ギルドはありますよ。ですがSランクがギルマスですからね……大輪の華の勢いには勝てないでしょう」

「ふ~ん……なんかその内、三国で一番凄いギルドになりそうだな」


 そうでしょうか?

 私には王国元・最強ギルド【拳武】と、我が国唯一のギルド【微笑みの聖母】には遠く及ばない気がしますが……



◇◇



 そして二杯目のスレヌティーヌを口に含む。

 何度飲んでも本当に飽きない。

 最早、芸術品ですね。



「えっと、整理すると……」


 彼はこう続けた。




 アルカディア国からは、自分と七大悪魔王。

 ヒュースとルルと言う治癒士。

 各隊長5名。

 計15名。


 スレイヤ神国からは七極聖。

 ギルド【微笑みの聖母】の幹部3名。

 計10名。


 ホウライ王国からは真王ジオと四傑。

 ナンバーズと呼ばれるキメラ2名。

 ギルド【風林火山陰雷】の5名。

 ギルド【刀剣愛好家】の3名。

 ギルド【拳武】から3名。

 計18名。


 アーク帝国からは皇帝アーサーと六花仙の3人。

 ギルド【大輪の華】の元・六花仙オロスとイルミナ。

 【十凶】の3体。

 計9名。


 合計52名。




 これが彼の中ではギリギリ戦力に数えられる面子だそうだ。



「天使が7体でしたね。1体に対して7人程で当たれますね」

「ん……あくまでね。もっと少なく考えて。まともに戦えるのはSSランク以上でもギリギリだから」


 そう考えると本当に恐ろしい。

 ついこないだまで世界最強と言われたSランクが数にも入らないとは……

 本当に世界は彼を中心に変わってしまったのだと改めて痛感する。



「では……」

「あくまでもSランク以下はサポート。もしかしたらコンビ技とか効くかもしれないし、何が天使に有効かはまだ分かんないから」


「成る程……」

「後はミラがSSランクになってくれたらいいんだけど……それと、」


 ミランダ元王妃か……

 やはり彼女も傑物か……



「それと?」

「……ガオウ達に7つ目のスキルを覚えて欲しい、かな」


 七大罪スキルか……

 レイナは確か、【憤怒】のスキルでしたね。

 噂ではあの拳聖ミロクさんを半殺しにしたとか。

 一瞬身震いしてしまった。



「それは……」

「危険なのは分かってる。でもそれぐらいギリギリなんだ。天使って本当にそれぐらいヤバいんだ」


 天使が化物なのは理解しているつもりですが、彼がここまで言うとは……

 もしかして私達が生き残れたのってかなりの幸運……

 いや、でも、私達だって……最低限の強さくらいは……



「分かってないなアーシャ」

「え?」


「俺が7人いるとおも……」

「もういいです、分かりました」


 ヤバすぎる……


 そうだった……

 天使達もランクZEROなんだ……

 確かその代わりに悪魔は七大罪スキルを……

 ならそれを覚えて初めて互角か……

 ん?



「貴方は?」

「俺?」


 そう。

 ああは言っても、彼がいればこの均衡は完全にこちらに優位に傾く。

 そこに私とエンマさん、ミロクさん、ミランダさんが加われば……



「なんか、これ言いたくないんだけど……」

「え?」


「すっげ~フラグになりそうで……」


 フラグ?

 えっと、どういう意味だっけ……?



「えっとね…………」


 ゴクリ……

 聞いてはいけない事を聞いてしまったのだと、僅かに後悔した。



「多分なんだけど……天使以上の化物がいるような……そんな気がするんだ……」

「それは……いくらなんでも……」


 有り得ない。

 一体どこからその情報を?



「何を根拠にそんな……」

「いや、そんな話は今まで無かったしさ、根拠も全然無いんだけど…………でも、もし仮に神様が敵なら、なんかしてきそうなんだよなぁ……新手の敵を差し向けてくるとかさ……完全にただの根拠のない勘…………」


 有り得ない!

 絶対に有り得ない!!

 天使以上なんて……

 そんなの……いる筈が……

 

 ですが……

 何故でしょう……

 彼が言うのならそうなのではと……そう思っている自分がいる。

 全く……

 聞かなければ良かった……



「き、聞かなかった事に……は出来ませんね」


 つまり、彼はその何かを相手にするつもりか。

 なら天使達は私達だけで相手取らなければいけない訳か。

 あくまで天原竜斗は対天使の保険にして……いや戦力にいれるべきではないか……



「この話は?」

「まだ誰にもしてない。後でヒュースにはするつもり」


 氷剣のヒュース……か。

 天原竜斗は彼を戦闘指揮官に据えるつもりか。

 そして、それを私に話したと言うことは……



「私にも全体の指揮を?」

「……よく分かったな。ヒュースとアーシャを指揮官にして、レイナ達を天使と戦わせる。皆にはサポートをしてもらって、エンマさん達はそのサポートとアーシャ達の間に入って貰うつもり」


「事実上、魔族対天使の一騎討ち……ですか?」

「冷たい言い方だけどSランク以下は寧ろ邪魔かな。それに、メタトロンなんかはジオ王も狙ってるし、今度は庇う余裕もないかもしれないから」


 ふむ。

 て事は……


 天原竜斗、対、何か。

 七大悪魔、対、七大天使。

 SSランクは七大悪魔のサポート。

 Sランク以下は全体の補助。


 になるか。

 あまりに危険な策だ。

 寧ろ数で圧倒するべきだと思う。



「婚約者が死んでも?」

「レイナは大丈夫、それに皆も」


「……信用しているのですね」

「まぁね、信頼もしてる」


「根拠は?」

「ないかな。敢えて理由をあげるなら、皆には不足の事態に備えて貰うため」


 二段、三段構えか……

 後手後手の作戦だが、これだけの数の戦力なら対処出来る……という訳か。

 天使は裏で動く狡猾さも持ってるし。

 確かに無策で天使に突っ込むのは愚策か。



「それぞれの役割を全うしろと?」

「それが出来たら俺達は負けない、絶対に」


 全員護る……か。

 人も魔族も天使も。


 この男の覚悟は本物だ。

 傷ついても死ななければ良い、という事か。

 まぁ全て上手くいき、天使も引き込めれば、ラファエルのスキルで誰も傷など残らないだろう。


 相当危険で相当無理な作戦だ。

 いや作戦などではない。

 玉砕に近い特攻だ。

 だが……



「貴方の判断に全てを委ねましょう」

「……自分でいうのも何だけど相当無茶言ってるのは分かってる。もしかしたら殺すのより戦闘不能にする方が難しいって事も分かってる」


「危険は承知です、それに全員護るのでしょう? なら私達も命以外の全てを賭けなければ勝てませんよ」

「意外だな……命は賭けないのか?」


「ヒレンさん曰く、命は燃やすものだそうですよ」

「なんだそれ……でもちょっと分かる」



 ふふ。

 かつてない危機。

 世界は変革の波に飲まれている。

 なのに……

 私は……

 それをどこか楽しんでいる?

 不謹慎だ。

 ネムリスの事も何も解決してない。

 これからやらなければいけない事が多すぎる。

 でも……

 何故でしょうね……

 私の目の前に座るこの男を見ていると、何故か何とかなるのではと思ってしまう。

 レイナが惚れている理由も少し分かる。

 もし彼を召喚したのが私だったら……

 いや、それはよそう。

 何にしても……

 今日は久々によく眠れそうだ。



 私は三杯目のスレヌティーヌをゆっくりと飲んだ。





MHW買いました。

HR7。

太刀万歳イエーイのエンジョイ初心者。

2ndGは結構やりましたが、中々慣れませんね。

友人達から【閃光玉のDAX】の愛称で呼ばれたこの私が、よく分かっておらず石ころをずっと飛ばしてました……

「何故光らないんだーー!!」って、ずっと叫んでいました。

一回、□ボタンで選択しないといけなかったのですね。

寄生プレイ(する)派なんで、名前【クラウド(似)】を見かけたら、声掛けてやって下さいw


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