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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第十章【帝国】
274/318

アーク帝国とホウライ王国⑬


ブクマが555件へと至りました。

読んでくださってる皆さま、本当にありがとうございます。

これからも、よろしくお願いします。

ところで……555を見ると、某特撮ヒーローを思い出しますね。




「竜斗は何やってんの?」

「…………さあな」


 竜斗対皇帝の戦いを見ながらバアルはタメ息混じりに呆れていた。

 アトラスは静かに2人の戦いを見つめていた。



「手を……抜いておるな」

「ですね」


 ガオウが呟き、サラも同意した。



「だが……」

「ああ、少し楽しそうだな」


 ルキの言葉を、ゼノが続けた。

 2人はフッと小さく笑った。



 皇帝の技と、竜斗の技がぶつかり合ってからも、2人は攻防を繰り広げていた。

 2人の表情は真剣そのもの。

 だが6人には、2人が楽しそうに戦っている様に思えた。


 竜斗の強さに、必死に食らい付こうとする皇帝。

 まるで稽古をつけているかのようにも見えた。




「それよりも……」

「うむ……」


 バアルは不意に視線を変えた。

 見つめる先は、レイナとセツナ。

 それに釣られるようにガオウや他のメンバーも視線を変えた。



「確か六花仙はSランクでしたよね?」

「そうだな」


 サラの疑問にアトラスが答える。



「…………強いな」

「だな。本当にSランクか?」


 ルキは、セツナを見て冷や汗をかいた。

 ゼノもセツナの強さを疑っていた。



 6人がそう思うのも仕方なかった。

 セツナの正体は、天使サンダルフォン。

 ランクZEROの、人外の化物。

 例えSランク以下の神器しか持っておらずとも、その強さは竜斗と同格。


 レイナとセツナの戦いは互角だった。

 いや、僅かにセツナの方が押していた。



◆◆



「穢らわしい魔族め!」

 セツナの剣撃がレイナを襲う。


「貴女は何故っ!」

 レイナは押されながらも、なんとか薙刀の柄でそれを受け止めた。


 互いが繰り出す無数の剣閃が舞う中、2人は会話する。



「貴女は天使の筈! ですが私にはっ!」

「黙れサタン!!」


「何故なのですサンダルフォン! 皇帝を裏から操り、魔族だけではなく、人間まで滅ぼす理由を教えて下さい!」

「違うっ!!」


 レイナの検討違いの問いに、セツナは今までで1番強く叫んだ。

 両者の手が止まる。



「私は……私は……」

 セツナは俯いて体を震わせた。


「何故なのです……貴女も皇帝と同じく人間に絶望し……」

「違う!」


 セツナは強い声で否定した。



「私は……私は、皇帝を愛してしまった」

「!?」


 セツナは悲しい表情で真実を告げた。

 予想していなかった答えに、レイナは声が出せなかった。



「笑いたければ笑うがいい…………天使の身でありながら……アルカ様の神託より……あの方の命令を優先させる愚かな私を……」

「…………」


「帝国には魔族の奴隷が沢山いる……だが私は皇帝陛下の命以外で魔族を殺めた事はない……」

「…………」


「覚えているかサタン……天使ラファエルの迷宮はアルカ大森林にあった。そして龍だったラファエルが敗れた後、ラファエルの魂を保護したのは私だ……」

「なっ……!?」


「つまり……私は……アルカ大森林にお前達の国があるのを知っていた」

「…………そう、ですか」



 勿論、サンダルフォンには攻められない理由があった。

 迂闊に手を出せば七大罪スキルが覚醒する恐れがあったし、天使は自分一人しか転生を果たしていないと思い、万が一が起こる訳にはいかなかった。

 それに何より、その頃は皇帝の体調が良くなかった。

 同胞であるラファエルを護る役目もあったが、何より日に日に弱る皇帝の傍を離れたくないのもあったからだ。



「私は、愚かな反逆者だ……目の前にいる魔族滅殺の崇高な使命より、皇帝を護る事を優先しているのだから……御姉様や同胞達より……」

「……サンダルフォン」


 分かっている……

 分かっているのに……

 自分の想いを優先する自分が、サンダルフォンは憎くて堪らなかった。



「貴女はとても優しいのですね」

「なっ!?」


 そんなサンダルフォンを見てレイナは微笑まずにはいられなかった。



「貴女とは、こんな形で出逢いたくなかった。もっと違う出逢い方をしていれば……愚かな神託なんてなければ……私達は友達になれたのに……」

「サタン……お前……」



 レイナに前世の記憶はない。

 だが、サンダルフォンにはあった。


 神代の時代……

 神世歴が始まる前、天魔戦争が起こる遥か昔……

 かつて絶対神アルカの下には四人の【天魔】が存在していた。


【サタン】

【ルシフェル】

【メタトロン】

【サンダルフォン】


 彼女らは強い絆で結ばれていた。

 そして、最強だった……

 主アルカに楯突く愚かな神々を、神託の元、駆逐していった。



 そんな……懐かしく、愛おしく、かけがえのない在りし日をサンダルフォンは走馬灯の様に思い出した。




「ふ……巫山戯るな!! だったら……だったら何故、人間を喰らった!! アルカ様のお造りになった人間を喰らい、何故、アルカ様に弓を引いたのだ!!」

「サンダルフォン……」


 サンダルフォンは激昂した。



「友達だと? はっ、笑わせるな!! お前らは醜く浅ましく人間を喰らい、アルカ様の想いを踏みにじったのだ!!」

「ち、違う! あの時(・・・)、私達は……っ!!」


 レイナは言葉を詰まらせた。

 そこから先の言葉が出てこなかった。

 当然だ、知らないのだから。

 咄嗟に出てきた言葉はレイナとは違う誰かの言葉だった。



「もういい……愚かな私は陛下と共に死ぬつもりでいたが、最後に最も醜い魔族(おまえ)を殺してアルカ様に報いるとしよう」


 サンダルフォンは発動していた神器を解除すると、胸元に手を入れた。

 そして懐から別の神器を取り出し、指に嵌めると発動させた。


【天豪剣・神槌】<大剣/雷/無/ZERO>


 白く巨大な剣を片手で持ったままサンダルフォンは一瞬にしてレイナとの間合いを詰めた。



「例え雷は無効化されようとも、ランクZEROの威力をその身に喰らうがいい!」


「私は……私は……」


 レイナの頭は混乱していた。

 記憶がごちゃごちゃし、思考が纏まらなかった。

 頭を抑えながらフラフラとし、サンダルフォンが攻撃している事にも気づいていなかった。



「終わりだ!!」

「あ……ぁ……あ……ぁ………………」


 サンダルフォンは大剣を横薙ぎに振るった。

 と、同時にレイナの意識はプツリと切れた。




「なっ!?」


 サンダルフォンは我が目を疑った。

 捉えたと思った一撃は、簡単に片手で止められていたからだ。

 そして戦慄した。

 レイナから発せられる魔力の質が変わったことに。



「……ふはっ、久しいなサンダルフォン。よもや、こんな形で再会するとはな」


 レイナの体。

 レイナの声。

 だがその魔力と喋り方は別人であった。



「き、貴様……まさか……っ!」

「アルカ様に頂いた二つ名【魔神王】を忘れたか?」


 レイナ?はニヤリと不気味に微笑んだ。

 サンダルフォンは背筋が凍りつく感覚に襲われた。



「魔神王サタン……っ!!」

「ふむ、覚えてくれていて何よりだ」


 サタンは大剣から手を離した。

 同時にサンダルフォンはサタンから距離をとった。



「目覚めたか……っ!!」

「いや、それは違うな。サタンはレイナで、レイナはサタンだ。目覚めていると言えば生まれた時から目覚めているし、目覚めていないと言えば目覚めていない。レイナの記憶が混濁した今回だから憤怒(わたし)が出てきた……そんな感じか?」


 サタンは顎に手を添えると、今の現象を考えた。

 だが考えても答えは出なかった。



「まぁ兎に角……憤怒(サタン)が出てこれたのは今回だけの特別ボーナスみたいなものだ、あまり気にするな」

「なっ!」

「それに……」


 サタンはサンダルフォンに言いながら、チラリと皇帝と戦う竜斗を見つめた。

 サタンは一瞬、見ただけで殺されそうな程、竜斗に睨まれた。



「ふふ、怖い怖い。余程、レイナ(わたし)が大事と言えるな」

 サタンは嬉しそうに微笑むと、次に困惑顔のガオウ達の方を見つめた。


「ふふ……どこか、かつての同胞達の面影があるな。レイナ(わたし)が全員集めたと言った時は、どうなるかと思ったが……っ!!」

 瞬間、サタンの体を激痛が襲った。


「あまり……時間はないな……」

 サタンは再びサンダルフォンに振り返った。



「サンダルフォン、あの時(・・・)の真実を話したいが、今のお前達には言った所で無駄であろうな」

「なに……何の事だ……?」


 サタンは真実を告げず、神器を全て解除すると、右拳だけに魔力を込めた。

 その瞬間、戦場にいた全ての者達から生命が吸われ、サタンの魔力へと変わった。



「がっ! こ、これは……っ!」

「世界は変わった。悪魔と天使の時代は終わりを告げ、人と魔族の時代へと移り変わった……」


 倒れ込むサンダルフォンを他所に、サタンはぶつぶつと呟きながらゆっくりとサンダルフォンに歩み寄った。



「悪魔は消えた……だから、お前達ももうこの世界に干渉するな天使」

「サ、サタン……っ!!」


 サンダルフォンは力を振り絞りなんとか立ち上がった。

 だがサタンは既に自分の間合いへと入っていた。



「眠れ! 神代の時代に生きた者よ!」

「ま、まだ……っ」


 サタンは腰を落とすと、左手を前に出し、右拳を腰の辺りに持ってきた。

 そして魔力を一点に集中させ、力を込めると、真っ直ぐと拳を突き出した。

 サンダルフォンは思うように動かない体を動かして、大剣を盾代りにした。



「絶死・魔神拳っっ!!」



「ぐぷっ、がは……」


 サンダルフォンのささやかな抵抗虚しく、サタンの拳は大剣ごとサンダルフォンの腹部をを貫通した。

 サンダルフォンは大量に吐血しながら、殴り飛ばされていった。




「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………レ、レイナの体ではやはりこの程度か……だが……取り敢えずは……」



 サタンは息を切らしながら、地面に座り込むと、そのまま気を失い、地面に横たわった。







レイナ【技(拳)の強さランキング】



Aランク

【崩龍拳】(衝撃)


Sランク

【真・崩龍拳】(衝撃)

【絶死・崩龍拳】(次元・衝撃)


SSランク

【魔神拳】(次元・衝撃)

【魔人・崩龍拳】(憤怒?・次元・衝撃)

【真・魔神拳】(憤怒・次元・衝撃)

【絶死・魔人拳】(未登場)


サタン

【絶死・魔神拳】(憤怒)



てな、感じです。

何故、書いたか?

皆様に快適な読書を提供する為です。

べ、別に作者が混乱してるからではありませんからね……

そこはお忘れなきよう……

その内、竜斗くんの技も載せたいと思います。


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