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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第十章【帝国】
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アーク帝国とホウライ王国②


更新空いてしまい申し訳ないです。




【王国側・エンマ視点】



 俺は万里長壁から飛び降りると同時に四神器が1つ【高天原】を発動させた。

 そして、結界に吹き飛ばされた虎の魔物目掛けて斬りかかる。



「クラフト流剣術・ブレイズスラッシュ!!」


 白き虎を一刀両断する。

 悲鳴を挙げさせる間もなく白き虎は消えてゆく。



「まず一体……」


 地面に着地すると、辺りを見回す。

 まだ何体もいる。

 恐らくどいつもSランク……

 驚異だが、デカ過ぎてどいつもいい的だ。



「俺は空を舞う青い竜と紅い鳥をやる! 地上の三体は任せるぞ!」


 俺は叫びながら目標に向けて駆けた。



「了解した!」


 ミロクも既に目標に向けて駆けていた。

 どうやら……まず暴れまわる狼をヤるつもりだ。

 亀とスライムは余り動いていないようだ……流石はミロク、いい判断だ。


 だが……他にも気になるのがいる……

 くそっ!

 スキル【感知】があればいいのだが……





【ミロク視点】



「神器【阿弥陀】!」


 私は駆けながら、黒と茶色を基調した籠手を発動させた。

 長年愛用した神器だ。

 四神器【釈迦】や【千手】を手に入れてからはあまり戦闘では使わなくなった神器だ。

 だが……やはり一番馴染む。


 そして、掌に魔力を集めるとそれを握り潰すように【圧縮】させる。

 この一撃は強烈だぞ!



「天羅零拳!!」


 銀狼目掛けて跳躍すると、そのまま横っ腹に拳を叩き込む。

 スキル【崩拳】は一撃死のスキル……能力【即死】の神器だと更に効果は上がるが……無くとも充分だ。


 最も魔力を抑えられ、最も基本となる私の技……

 銀狼は悶絶し、飛び散るように消えていった。



「次は……」


 辺りをキョロキョロと見回す。

 兵やギルドの奴らが歓喜の声を上げるが無視する。

 急いで倒さねば、コイツらは危険だ。


「アイツだ!」


 標的を亀にした。

 尾が蛇になってる亀も厄介そうだ。

 亀種の特性は【防御力】にある……生半可な一撃では倒せそうもない。


 私は兵士達の間を掻い潜るように駆け出した。





【ミラ視点】



「どうやら既に2体も倒したようですね」


 少しだけ安堵した。

 流石はSSランクのエンマさんとミロクさん……

 Sランクの魔物を一撃なんて……まるで竜斗様みたいだ。

 すると、



「!?」


 誰かが私の結界に攻撃を!?



「強烈な結界だな……」


 目の前に、着物を着た鬼種……

 手には刀の神器……魔物が神器を?



「ならこれは?」


 すると、その後ろから別の鬼種が現れた。

 彼女の脚にも神器が……本当に魔物なの?

 彼女は鋭い蹴りを結界に向けて放ってきた。



「くっ!」


 これは……【衝撃】?

 結界から衝撃が伝わってくる。

 この2体……強い……


「ダメ……っ!」


 横一面に拡がる結界の一部が壊された。

 私の結界を壊すなんて……流石は鬼種……


 2体は壊れた結界の一部から侵入し、万里長壁に脚を着けた。

 私と師匠は、王を護るように並んだ。



「ふぉふぉふぉ、ミラの結界を破るとは……流石は鬼といったところか……」


 師匠は苦笑している。



「羅刹だ」

「夜叉よ」


 2体は名乗る。


「地下に幽閉されていたが……どうやら強者と巡り会えたようだ」


 羅刹が嬉しそうに微笑む。



「私はまた、あの竜人族と八咫族の女と戦いたかったのですが……どうやら此度は人間相手みたいですね」


 夜叉は残念そうに呟く。



 2体は恐らくさっき転移してきたSランク級……巨大な魔物に紛れて接近に気づかなかった。



「「があ!!」」


「!?」


 すると私と師匠の後ろで、陛下を護っていたナンバーズの2人が叫びながら鬼へと襲い掛かった。

 きっと本能で危険だと感じたのだろう。

 だけど……



「強いな」

「ですね」


 羅刹と夜叉は、2人の攻撃を余裕そうに軽々躱す。

 乱暴に殴りかかるだけの攻撃を、最小の動きで避けていく。

 強い……まるでミロクさんの様に研ぎ澄まされた武を感じる。

 Sランクにもこれほどの魔物がいるなんて……



「だが、それでは勝てんぞ!!」

()っ!!」


 羅刹は刀で、夜叉は蹴りで、ナンバーズを吹き飛ばす。



「「がっ……」」


 ナンバーズは万里長壁の上で倒れ込む。

 なんとか体を起こそうとするが、震えるばかりで起き上がれずにいる。

 特に夜叉に吹き飛ばされた娘はダメージも大きく、そのまま気絶した……多分、能力【衝撃】。



「ミラの結界を破るコイツらを一撃で……」


 ジオ王の額から僅かに汗がつたっている。

 それだけヤバい、という事だ。



「強いのは認める……だが戦闘経験は皆無みたいだな。そんなのは俺達の相手ではない」

「ふふっ、残念でしたね」


 羅刹は目を閉じ面白くなさそうに呟き、夜叉は不敵に笑う。




「…………ふぅぅ」


 私は小さく息を吐く。

 久しぶりだ……

 何年も【塔】に閉じ込められすっかり体も魔力も錆びついてしまった。

 ルナさんやザナードさん達を助けに竜斗様達と迷宮に入ったが、攻略が速すぎて全くついていけなかった……


 でもやっと、感覚が戻ってきた……

 不謹慎だけれど……この血の匂いのする戦地こそ、私の感覚を研ぎ澄ましてくれる……


 本当に……久しぶりだ!!



「発動!!」


 私は神器を発動させた。

 四神器の1つ、【ナイチンゲール】を。

 倒れ込むナンバーズに手を翳し、瞬時に傷を癒す。

 そして、もう1つ……【アマテラス】を。



「「なっ!?」」


 2体の鬼は戸惑っている。


 無理もない……無数の六角形の盾が一瞬で引っ付き合い、羅刹の刀を持つ腕を神器ごと、そして夜叉の両脚を結界で包み込んでいるのだから。

 2体は身動きが取れなくなる。



「私には治癒と結界と牢獄のスキルがあります……最早逃げられません」


 【治癒】は治癒の力を高め、【結界】は結界の力を高める、そして【牢獄】は捕らえた者の動きを封じる。

 自慢に聞こえるかもしれませんが、私に結界の技で勝てる者はいません!



「流石は元・守護神ミラじゃ、後は任せよ!」


 同時に師匠が剣の神器を発動させる。

 見た目は杖の、仕込み杖。

 師匠が夜叉目掛けて杖を突き出すと、先端が刃へと変わる。



「っさせるか!!」


 羅刹が隣にいる夜叉を庇うように空いている手を伸ばす。


「ぐっ!」


 師匠の刃が羅刹の手を貫く……だが、剣先が夜叉に刺さる前に羅刹は刺されたまま刃を握りしめ、それを止める。


 本当に魔物なのか疑う……

 だってそれは……

 人と同じ……

 他者を慈しむ、愛ゆえの行動……



「あなた様っ!!」

「も、問題ない……」


 夜叉の方も羅刹を心配する……

 あなた様?

 て事は……2体は夫婦?



「ふぉふぉ……こりゃなんとも……」


 師匠は羅刹から剣を抜き、こちらまで後退するように飛び退く。

 師匠も戸惑ってるみたいだ……



「や、やりづらい……」


 戦場にいながら思わず呟いてしまった……




◆◆




【帝国側】



「ふむ、流石は四傑だ。Sランクの魔物も苦ではないとは。ああも簡単に倒すとは誤算だったな」


 皇帝は少しだけ楽しそうに戦場を見つめる。



「この様子では、残りの十凶も時間の問題かと……」

「その様だな、もう少し王国兵を削れると思ったが……」


「では?」

「ああ。破軍と魔軍が陣形を整えたら、少し早いがアレも転移させろ」


「了解しました」


 セツナは頷くと、再度通信の神器を発動させた。

 勿論相手は、ラジエルとウリエル。

 残りの十凶の1体……それをこの場に転移させるよう命ずる。



「さて……アレを倒せるかな?」


 皇帝は不敵に微笑む……






私事ですが国家試験を受けて参りました。

もうね……受かる気がしません。

問題を見た瞬間に心の中で苦笑いしか出ませんでした。

悩むことすらなく、ほぼ勘で解答しました。

来年はきちんと勉強したいと思います。



◆◆



プリンガ「私は極聖隊に1発合格v」

ヒレン「あぁん? んなもん七極聖なら当たり前だろ?」


「これだからヒレンは……パフェの様に甘い……」

「んだと!」


「普通の人にとって極聖隊はエリートだけの未知の領域。軍に入れても先ずは下っ端の、数万からならなる【本軍】。それから頑張って千人で構成される各極聖隊に配属されて……最後に副隊長、隊長【七極聖】になれる」

「お、おう……(今日はよく喋るな……)」


「今の七極聖で、順々に上り詰めたのは【風王】クリスだけ。基本、七極聖になれる人は最初から才覚を現してる」

「ふ~ん、てっきりクリスもかと思ったぜ。クリスの師匠はサクヤさんのお姉さんだろ?」


「そう、埋もれてた才能を見いだされた。でも……」

「でも?」


「普通の人は、知らない……だから、(クリスは)皆の憧れ……努力の人、思われてる」

「へ~(段々口数が少なくなってきたな……)」


「つまり……」

「つまり?」


「私は天才……だから、ヒレン、私に、パフェ、奢る」

「…………」



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