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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第八章【闘王祭】
220/318

闘王と拳武


短めです




 ギルド拳武……その名の通り拳を使い戦う者達のギルドであった。


 率いるは、【拳聖】ミロク。

 ホウライ王国のSランク者、四傑の1人。

 幼女みたいな見た目とは裏腹に子持ちで、四傑の中では年長者でもあった。


 ギルド構成員も多数であった。

 正確には、数多の下部ギルドの中から精鋭だけを集めたギルドで、実質は20人にも満たなかった。

 ただし……強い。


 副ギルドマスターは、長期で王都を空けて修行をしている、【剛拳】のラガン。

 四傑までとはいかないが、王国内でも屈指の実力者であることは間違いなかった。


 次いでナンバー3は、育児により何年か前線は離れていたものの、最近になって復活した【親バカ】……ではなく、【鉄拳】のザイル。

 王都を空けるミロクとラガンに代わって、実質的にギルドを纏めている人物でもあった。


 才能はあったももの、近年伸び悩んでいた……【蹴麗】のガイス・ナイ。

 拳武から下部ギルドへと落ちていたが、才能を見事開花させたナルシスト。


 そして、5人目……フードを被り顔を隠す人物であった。



 今回のメンバーは、まさに最強であった。

 勿論、四傑程ではない……だが、全国民の誰もが知っているようなメンバーである事は間違いなかった。






「ふふ、楽しみだな」

 ミロクは、メンバーを見回して微笑んだ。


「嬉しそうですねギルマス……」

「まぁな、ラガンもよく帰ってきてくれた」


「まぁ……貴女と戦うための条件が、闘王祭に出る事ですので……」

「ふふ、まだ諦めないか……今まで通り、闘王祭後で構わんか?」


「はい」



 ラガンは毎年、闘王祭後にミロクに決闘を申し込み、ボコボコにされて、修行の旅に出る。闘王祭の時期になると王都に戻るを繰り返す修験者みたいな生き方をしていた。



「それにザイルとガイスも……よく戻ってきてくれた」


「メイもおっきくなったんで……今の内に父親のカッコいい所を見せておかないとっす」

「やれやれ親バカですか、ザイルさん?」


「うるせーナルシスト」

「娘の前で負けたら残念な結果になるんで、頑張って下さいよ」


「そのまま返すぜ……負けたらまた下部ギルドに落としてやるからな」

「…………」


 二人は睨み合った。



「ふふ、本当に頼もしいな……」

 ミロクは二人のやりとりを微笑ましく見つめる。



「しかし、ギルマス……」

「どうした、ラガン?」


「この5人目は誰です?」


 ラガンだけではなく、ザイルもガイスも知らない人物であった。


「ふふ、この後のお楽しみだ」

 ミロクは悪そうな顔をした。


「ギルドの奴っすか?」

「ああ。昨日登録したばかりで、明日には辞めるがな」



「…………」

「…………」

「…………」


 それってどうなんだ……

 3人は同じことを考えていた。




「さてと、ではそろそろ行くか」


「マスターの赴くままに」

「うっす」

「了解です」

「…………」



 5人は闘技場内にある1番豪華な控え室を後にし、通路を闊歩していった。

 目指すは、闘技場中央……


 今、王者が舞台へと向かっていった。






「さてと、そろそろ行くか?」


 ギルド【刀剣愛好家】のギルマス・サクヤは座っていた椅子からゆっくりと立ち上がった。



「うっす」

「は、はい……」


 続いてメンバーである、キョウとユイも立ち上がった。



「どうした、緊張しているのかユイ?」

「だ、だってサクヤさん……闘王祭の最後ですよ……わ、私なんかが……」


 サクヤはユイの肩に手を乗せると、優しく声をかけた。


「大丈夫だ、今年の【闘王の部】のルールはさっき聞いただろ? 我々にも勝つ確率はある、なあリュート?」



「っす。まぁ最後はレイナ(レーナ)が決めてくれるんで、何も心配してないけど」

 サクヤに話を振られた竜斗は、レイナの方に目線を送った。


「勝ち抜き戦……それが今年のルールですから、絶対に勝てます」





 ミロクの提案で今年の闘王の部は、総当り戦ではなく勝ち抜き戦となった。

 1名ずつで戦い、勝利数の多いギルドの勝つ総当り戦ではなく……負けるまで選手を交代できない勝ち抜き戦……


 ミロクの提案により、勝負の行方は分からなくなった……



 王都の誰もがギルド【拳武】の勝ちだろうと予想していた。

 もし、総当り戦であったなら、その結果は覆らなかったであろう……

 だが、試合の形式は勝ち抜き戦……Sランクだと既に周知されているリュートとレーナが負けるとは思えなかった。


 だがそれでも国民の多くは、ミロクが負ける事の方が信じられなかった。

 それだけミロクの実力を疑う者はいない。


 それでも、リュートとレーナと連戦すればいくらミロクといえども……まさかが起こるのでは……?


 国民達は声には出さなかったが何かを期待していた。





「最後の確認だ。順番は……私、キョウ、ユイ、リュート、レーナの順だ」



「今までの部と同じ順番ですね」

「その通りだ」


「俺が先鋒でもいいっすよ」

「いや、何が起こるか分からないからな……リュートは副将だ」


「了解」



「ルールも今までと殆ど同じだ。降参するか、舞台から落ちたら敗けだ。ただし、闘王の部は相手を殺すのは無しだ」



「了解っす」

「は、はい」

「ほーい」

「分かりました」



「リュート……なんだよ、その気の抜けた返事は……」

 キョウは呆れていた。


「だって祭りだぜ。勝っても負けても楽しむだけだろ。まぁ最初から勝つ気だけど」

 竜斗はニパッと笑って見せた。


「ま、まぁ、そりゃそうだけど……」



 サクヤもユイもレイナも微笑んだ。

 ここまできたんだ……後は楽しむだけだと。



「そうだな、折角の祭りだ。皆……勝つぞ!」


「「はい!」」



 サクヤを先頭にして、竜斗達も控え室を後にした。

 目指すは闘技場中央。

 待ち受けるは王国最強ギルド……闘王【拳武】。

 そして……四傑の1人、【拳聖】ミロク。


 今まさに、凄絶な戦いが繰り広げられようとされていた。





 闘王祭、最終日……


 闘技場はかつてない程、熱気に包まれていた。

 歓声は王都中に轟いた。

 王都にいる全国民が闘技場に集まっていた。



 しかし……

 王都中の人達が、王国ギルドが、参加した全選手が闘技場にて観戦する中……ただ1人、興味がなく私室に籠る者がいた……



 名を【ジオ・H・クラフト】



 ホウライ王国、現・国王であった……




「…………ふあぁぁ、退屈だ……」



 眠たそうな目を擦りながら大きな欠伸をし、私室にある椅子に腰掛け、窓から外を眺めていた。

 見えるは闘技場。

 

 だが、王の目にはただの建物の1つにしか写っていなかった……

 今まで生きてきた中で興味があったモノはただ1つ……



 魔族



 それ以外に興味はなかった……





話が進まず申し訳ないです……

次話よりバトル展開……です。


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