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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第八章【闘王祭】
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闘王祭と鎧王④


うおぉぉぉぉおおおお……更新あいて申し訳ないです!

仕事で、書類作成・整理がやっと終わりました!


GW? ナニソレ? 作者には関係ないです……泣きたい……


話を忘れた方は、数話読み返して頂くと助かります……





 翌日……いよいよ鎧王の部の開催となった。



 俺達はサクヤさんの容態が心配で、昨日は闘技場の控え室にて寝泊まりすることとなった。

 まぁ実際は、傷も癒えているし、斬られた腕も復元済みなので、そこまで心配はしていない。

 ただ、糞爺の神器【眠くな~る】の影響かサクヤさんは昨日からずっと眠ったままだ。



「ふわぁ~……」

 キョウは大きな欠伸をしている。


「大丈夫?」

 ユイが眠そうなキョウを心配している。


「ん、ああ……何故か異様に眠くて……」

 キョウはムニャムニャと目を擦る。


「私も今日はなんだか凄くダルい……変な時間に寝たからかな……?」


 違います。

 糞爺のせいです。


「だな……まぁ変な力が抜けたし、体の調子は悪くないな」


 意外にもキョウは絶好調らしい。

 確かに緊張もしてないみたいだ。

 今思うと……キョウは昨日の様子だと、緊張から寝れなかったかもしれない。

 そう考えたら爺の神器のお陰とも言える。



「頑張れよ」

「おう」


 眠そうだが、キョウから余裕みたいなのを感じる。

 これなら優勝できるのでは?

 おっと……そんなことを口に出したらフラグになるな、気を付けよう。



「なんか今のキョウなら、鎧王の称号とれるんじゃない? それぐらい余裕があるね」

「まあな」



 ユイーーーーっ!!



 あかん!

 それ1番言ったら駄目なやつだから!

 ダメかも……しれない……



「どうしたの竜斗(リュート)くん?」

「いや……なんでも……」



 俺が項垂れていたら、遠くから大歓声が聞こえ出してきた。




「お、そろそろか……」

 キョウはゆっくりと立ち上がった。



「頑張って下さい」

「任せとけレイナ(レーナ)


 レイナは眠ったままのサクヤさんに付き添うそうだ。


 キョウは、闘技場に。

 ユイと俺は観覧席へと向かおうとし、キョウに続いて控え室を後にした。



「おっと、忘れるところだった……これを頼む」

 キョウは2つの神器を残して、他のを外すとユイに手渡した。



「頑張ってねキョウ」

「ギルドの旗メッチャ振るからな」


 俺とユイは控え室の前で立ち止まると、最後の激励の言葉を送った。



「まぁ全力を出すだけだからな……なるようになるさ」

 キョウは手をヒラヒラと振りながら、カッコいいキャラみたいに闘技場へと向かっていった。



「俺らも行こう」

「そうだね」


 俺とユイも観覧席へと向かった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





『さぁさぁ、皆様っ!! 今日は闘王祭3日目っ! いよいよ今日から第二種目、鎧王の部が開催されます!』



 朝からギルド職員である、クナさんは絶好調。

 マイクの神器に向かって叫んでいる。

 それにつられる様に、観客達からも大歓声が巻き起こる。


 そんな中、俺とユイは空いている席を見つけて腰かけた。



『本日の解説にはなんと!! 元・守護神であられるトーマス様にお越しいただいております!』


 マジか……


『ふぉ、ふぉ、ふぉ……ワシみたいな年寄りが解説でええんかいのぉ~』

『何を仰いますか!? トーマス様ほどの偉人が解説を引き受けて下さって、本当に、心から、嬉しく思っております!』


『ふぉ、ふぉ、ふぉ……ならええんじゃ』



 言わせたな、あの爺……

 そして哀れな昨日までの解説者マツゲくん。

 あの爺に比べたら、完全に役不足……

 いや、これからの解説者次第では分からんけど……



『トーマス様は、期待しているギルドはありますか?』

『ふぅむ……贔屓じゃが弟子達にはそこそこ期待しておる』


『そうでした、トーマス様はギルドを作られ今回は二度目の出場でしたね』

『ふぉ、ふぉ、ふぉ……クウマが出て以来じゃからのぉ~ようやく今の弟子達が育ったからのぉ~』


『どうですか? 剣王の部では惜しくもカイル選手が敗れてしまいましたが……』

『ふぉ、ふぉ、ふぉ……まだまだ未熟者じゃ。そういう意味では、ギルド刀剣愛好家には注目しておる』



 マジか……Sランクにそう言われたらメッチャ注目されるな。

 これで加入希望者が出てくれればいいんだけど……



「なんか私達、注目株?」

 ユイが小声で耳打ちしてきた。


「だな」

「うぅ……なんか恥ずかしい戦いできないね」


「大丈夫だって……キョウも言ってたろ? 自分らしく出来ることをすればいいんだって」

「う、うん……」


 ユイは自信なさげに答えた。

 明後日には輝王の部が始まる……それまでになんとか自信をつけて欲しいが……

 キョウが頑張ってくれれば、少しは吹っ切れるかな?


 俺とレイナが勝つから問題ない……と、言ってもいいが、それだと2人に期待していないみたいに捉えられるし……なんか、いい言葉があればいいんだけど……




『おぉ~と!! ここでついに【試拳官(クラッシャー)】の登場です!!』


 クナさんの実況で、観覧席にいる全員が舞台に注目した。


『知っている人も知らない人も刮目せよ!! 今年の試拳官は、四傑の一人! ミロク様だーーっ!!』


 ミロクさんは静かに笑みを浮かべながら舞台上へと上がった。


『試拳官には、ギルドが用意した6つの神器を所持してもらっています! ランクはそれぞれ、EからSまで! 選手には各々ランクを指定し、試拳官の攻撃を耐えればポイントとなります!』


 クナさんが丁寧に説明する。

 昨日聞いた説明と同じだ。

 クナさんは最後まで説明すると、少しだけタメた。



『……みんなー!! 人がブッ飛ばされるのがみたいかーっ!?』


「「おぉぉおおおおっっ!!」」


『四傑の攻撃がみたいかーっ!?』


「「おぉぉおおおおっっ!!」」


『人が壊されるのがみたいかーっ!?』


「「おぉぉおおおおっっ!!」」


『ここは、イカれた奴らしかいないのかーっ!?』


「「おぉぉおおおおっっ!!」」


『なら、もっとイカれた奴らに登場してもらおう!! 鎧王の部、選手入場っ!!』


「「おおおおおおおおおぉぉっっ!!」」



 なんだこれ?

 昨日までとは打って変わって馬鹿なノリだった。

 皆、狂ってやがる……



 続々と選手が入場する中、クナさんは順番に選手を紹介していくが、闘技場にいる全員が違和感を感じた。



「あれ?」

「なんか……人数多いね?」


 ユイも気づいてた。

 いや、気づかない方がおかしい。

 闘技場の舞台には、ミロクさんの他に、15名の選手がいた。


 確か今回は50のギルドが参戦。

 剣王の部では10名ずつの5グループに分けられた。

 まぁギルドで何人出てもいいから一概には言えないが……それにしても15人は多い。


 それに……確か鎧王の部は棄権した奴らが多いってキョウが言ってた。

 棄権してもこれだけ多いのか?


 それに観覧席も少なからず動揺している気がする。

 でも、よく考えたら鎧王の部は予選を5グループとかに分ける必要はないような気も……



 思案していたら、キョウの名前も呼ばれていた。

 しまった……応援し損ねた。

 ま、まぁいいか……



『さぁそれでは鎧王の部、予選スタートです! 先程紹介された順に試拳官(ミロクさま)にぶん殴られて下さい!!』


 クナさんは意にも介さず進行していく。



 観覧席が動揺する中、一人目の選手がミロクさんの前に立った。

 千里眼があれば良いんだけど、ここからだと見えにくい。

 え?

 カイル選手の時は見れてた?

 はっはっはっ、やだな~レイナの魔眼ですよ。決して雑魚に興味がないからではないですよ。




ーーーーーーーーーーーー




「……で、どのランクにする?」

 舞台上でミロクは小さな声で眼前に立つ選手に尋ねた。


「うっ……くそ……なんで俺が鎧王の部に出なくちゃ……」

 男の体はガタガタと震えていた。


「そのような気概では私の攻撃に耐えれんぞ?」

「っ…………な、なら【Aランク】だ!!」


 男はやけになっていた。


「その意気や良し!!」

 ミロクはAランクの神器を発動させた。



【彼方まで吹き飛べ】<籠手/無/無/A>



 ミロクの両腕には成金みたいに派手な金色の籠手が発動された。決して本人の趣味ではなく、あくまで運営側が用意した神器。

 相対する男は、鎧と盾の神器を発動させ、体を震わせながら腰を落として身構えた。



『おおっと!? ギルド【大海の覇者】、グロリア選手、選んだランクはA!! 耐える事が出来れば高ポイントだぞ!』


『……ふぉ、愚かじゃな……』

『と、言いますと?』

『ふぉ、ふぉ……見ておれば分かる』


 トーマスの解説にクナは息を飲んだ。



「く、くるなら来やがれ……!」


「無論だ!」



 ミロクは駆け出した。


 あっという間にグロリアの眼前に立つと、右腕で思いきり盾を殴った。


 観覧にいた誰もが時が止まった感覚に陥った。


 盾の神器を貫き、鎧の腹部は砕けて、ミロクの拳がグロリアの腹にめり込んだ。


 次の瞬間、その場にグロリアの姿はなかった。



ー轟音ー



 もの凄い音がした瞬間になって、初めて観客達は気づいた。


 端の壁まで吹き飛ばされたグロリアが壁にめり込む姿を見て。


 一瞬にして吹き飛ばされたのだと気づいた。



 グロリアは白目で、口が半開きのまま、ズルリと地面に転がった。



「未熟」


 ミロクは後ろに振り返り、元いたたち位置へと悠然と歩きながら戻っていった。



『……………………』

『お嬢ちゃんや、実況は?』


『……………………』

『……おーい?』


『……………………』

『こりゃ……胸でも揉んで……』


『はっ!? 私は何をっ!?』

『ちっ、残念じゃ……』



 闘技場が静寂に包まれる中、クナは冷静に状況を整理すると、マイクに口を近づけた。


『グロリア選手、戦闘不能! よってグロリア選手、0ポイント!!』



 その瞬間、観覧席は大いに盛り上がった。

 グロリアは、担架らしきもので運ばれていった。

 ミロクには大歓声が送られた。



『これがSランク!! これが四傑!! これが拳聖!! これが、ミロク様だーーっ!!』

『ふぉ、ふぉ、ふぉ……ミロク嬢め……かなり手加減しおったな』


『マジっすか!?』

『でなければ今頃、帝国まで吹き飛んでおるわ(冗談)』


『これは……下手をしたら……鎧王は……いないかも……ですね?』

『やれやれじゃ……儂の弟子もダメかものぉ……』




 そんな中、次の選手は処刑台に並ぶ囚人のような気持ちで、ゆっくりと前に出た。

 その顔からは血の気が引いていた。




ーーーーーーーーーーーー




「ねぇリュートくん……?」

「どしたユイ?」


「キョウ……死ぬかな?」

「……かもな」



 拳聖ヤベェな……




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