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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第八章【闘王祭】
178/318

闘王祭と剣王③


更新空いて申し訳無いです。

お陰様でブクマが350件へと至りました。

感謝感激雨霰。




 わーお……

 こりゃビックリだ……


 俺は眼前に立つ3人を視て驚いた。




 闘王祭、剣王の部、第1グループの試合にて、俺が所属するギルドのギルドマスター・サクヤさんが勝った後、俺は皆と別れて、ミラがいる【塔】に向かっていた。


 ギルドを応援アンド宣伝したくて、ギルドの紋章が入った旗を作るため、ミラにお願いしに行くところだった。

 正確には、作るのではなく返してもらうため……


 スレイヤ神国をスパイし、その任務を終えたユダとカーラの2人は帰国する為、一時的に俺らのギルドに寄生していた。

 サクヤさん達は人が良く、ギルドの旗や荷物の入っていた袋の神器を、その2人に預けていた。

 国境での魔物との戦いで2人とはそれきりになってしまい、旗は戻らず仕舞い……それをこの国の王妃兼四傑のミラに返して貰えないかお願いに行こうとしていた訳だ。


 していたのだが……




「あ……リュート様……」

 ミラがこちらに気づき手を振っている。



 塔と闘技場の丁度中間辺りで俺はミラと鉢合わせした。

 それと……

 他の四傑、ミロクさんと……英雄【エンマ】に。



「あれ? ミラ塔から出られたの?」

 俺は速度を緩めると、ゆっくりミラ達に近づいた。


「はい、是非ともリュート様を応援したくて」

 ミラは少しだけ頬を赤らめていた。


「ありがとうミラ、まぁ俺は当分出ないけどね」

 そう言いながら俺はチラリと他の2人に視線を送った。



「久しいなリュート・テンゲン」

 ミロクさんは若干威圧するように俺を見ていた。


「お久しぶりですミロクさん」

 俺は軽く挨拶だけした。



「ほう……こいつがミラの話した男か……あの塔の結界を何度も壊してる様だな」

 エンマが俺を睨んでいる。


 この人が英雄……

 銀と黒が入り交じった髪色で、襟足が少し長くて、前髪はオールバック。

 風格のある人だ。


 俺は神眼を再度発動させた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




【エンマ・H・クラフト】(35)


種族

【人間】

クラス

【四傑・英雄】

ランク

【S】 潜在【SS】

先天スキル

【英雄】【剣才】【身体強化】【属性<炎・風>】

後天スキル

【状態異常無効】【ーー】

特殊スキル

【魔眼<天地>】

神器

【天魔シリーズ・剣】<剣/無/巨大化/S>

【天魔シリーズ・鎧】<鎧/炎/守護/S>

【天魔シリーズ・盾】<盾/風/守護/A>

【天魔シリーズ・腕】<籠手/炎/衝撃/S>

【天魔シリーズ・脚】<具足/風/浮遊/S>

高天原(たかまがはら)】<刀/次元/伸縮/S>

【ーー】




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 改めて……なんだこの人?

 スキルに英雄って……生まれながらに英雄ってこと?

 それに神器名も統一してる…………ちょっと良い。


 そんなことよりもだ!


 【高天原】


 この人も次元属性の刀を持ってるのか……

 前にゼノが英雄トウマが持ったいたとかいないとか言ってたけど……もしかして先祖の刀なのか?



 ミロクさん、ミラ、エンマさん……確かに四傑は他のSランク者とはレベルが違う……

 潜在ランクもSSあるし……スキルも突出して凄い。

 拳聖、守護神、英雄になるべくしてなった様なスキルをそれぞれが持ってる。


 何より……持ってる神器が強すぎる。

 3人ともが、ほとんどSランクだ。



 やば……体がウズウズしてきた。

 どんだけ強いんだろ?




「すみません、ミラと話したくて……1度、塔の入り口から行ったら追い返されたんで……」

 俺はこの1ヶ月の間で何度か塔に行ったがその全てが不法侵入だ。


「話したくて……」

 何故かミラは体をモジモジさせ、(うつむ)いた。



「いや、ミラから話は聞いていた。素性も分かっているなら別に構わん」

 案外すんなり許してくれた。


「えっと……俺が言うのもなんですけど本当に良いんですか?」

 俺は恐る恐る尋ねた。


「ああ、ミラの話し相手になってくれ……まぁ何度も塔の結界を壊されたのでは困るので、こちらから衛兵に話はつけておく。今度からは入り口から入ってくれ」

 エンマさんは淡々と答えた。


 了解。

 だが何故こうもセキュリティが甘いのだろうか?


 あれか……もし俺がミラに何か良からぬ事をしても、どうとでもなるって事か……?

 信用ではなくて、この人からしたら俺はそこら辺にいる一般人と変わらないレベルって事なんだろうな。

 それにミラのランクもS……どうにも出来ないと思ってんだろうな。


 まぁどうこうするつもりも無いけど。




「ところでリュート様はどちらに?」

「そうそう、ミラにお願いがあったんだ」


 俺は用事を思い出した。


「私にですか?」

 ミラは首を傾げた。


「うん……」

 俺はミロクさんに視線を送った。

「国境の時の、カーラって人が俺達のギルドの旗を持ってるんです……返して頂けないでしょうか?」


 ミロクさんから許可を得るようにミラに視線を送って援護してもらう。



「ミロクさん、リュート様と面識があったので?」

「まぁな……リュートのギルドが王国領に入る際、魔物との戦闘があってそこでな……」


「で、どうでしょうか? 返して頂けないなら新たに作るだけなんで……どちらでも構わないんですが……」

 俺は丁寧にお願いする。


「……前から思っていたがなんだか気持ちの悪い喋り方だな? リュートお前敬語苦手だろ?」


 ミロクさんに失礼な事を言われた。

 そんなに違和感あっただろうか?

 まぁ実際、若干苦手だけれども……



「まぁいいか……ふむ、ギルドの旗だな……了解した、元々お前達の物だし、すまなかったな……急いで探し返すとしよう」


 やったぜ!

 ミッションクリア!




「じゃあ俺、闘技場に戻るね」

 俺はいつも通りに喋る様な口調で話した。


「私は1度エンマさんとお城に行くので、後で観に行きます」

「前に話したけど俺が出るの【天王の部】だよ? まだ数日あるよ……」


「ふふ、王妃として民や祭りを見守るのも責務ですから」

 ミラは屈託の無い笑顔で微笑した。


 うわ、俺どんだけ自意識過剰なんだ……

 恥ずかしい……

 あれ?

 ミラってまさか俺の事……?

 いやいや、今まさに自意識とかなんとか思ってたのにそんな事絶対ないな!

 王妃だしな。



「ならまた後で」

 ミロクさんはそう言うと、2人と一緒に王城へと向かって行った。

 俺は3人を見送りながら一礼した。



 【死神】には会えなかったけど……あれが英雄か……

 ソラちゃんの父親、マナさんの旦那さんを殺した……

 怖そうだけど好い人そうに見えた。

 だがそれでもあの人も奴隷売買に関わっていたことに変わりはない。


 う~ん、どうしようかな……

 有無を言わさず戦うのもな……だからって許すわけには……

 でも出来たら帝国と王国とは戦いたくないんだけどな。

 神国の……ディアネイラみたいな事になったら嫌だし……何より俺がレイナ達、魔族の皆の為に戦う本当の敵は【天使】だし。



 でも多分、戦うんだろうな……そんな予感がする。



 俺は闘技場の方に振り返り、ゆっくりと歩き出した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 竜斗と別れた3人は歩きながら話をしていた。



「何だかリュート様ってエンマさんに似てましたね」

「……どうしたミラ急に?」

「いや、私もそう思った」


「ミロクさんもですか!? なんていうか……雰囲気ですか?」

「そうだな、2人が強者だからではなく……なんだろう……親戚みたいな?」

「…………ミロクもミラも戯れならよせ。リュート(あいつ)みたいに俺は美形ではない」


「そんな卑下されなくても……エンマさんもモテるでしょ?」

「…………さあな」

「剣士は剣で語り合うのだろう? 刃を交えてみれば何かわかるのでは?」


「そんな!? いくらリュート様でもエンマさんには敵いませんよ!」

「ふふ、冗談だ」

「もう……」


「…………いや」

「?」

「?」


「あいつは相当やる……レアスキルが異様に多い……ミラの話ではAランクらしいが、本当にAランクなのか疑わしい」

「……まさか邪眼か!?」


「どうだろうな……もしそうならどうしようもない……神眼でもなければ見破れん」

「まさか……2人はリュート様をお疑いに?」


「当然だな……ミラ程ではないとはいえ、塔の結界を易々と破って侵入してきたのだ……下手に距離を置くより、今は泳がせておくに限る」

「だから……あれはギルドの依頼でスライムを……」

「どうかな……それも作戦かもしれん」


「エンマさん……」

「私もエンマに一票だ。強いし良い奴なのは認める……だがそれでも警戒するに越したことはない」

「ミロクさんまで……」


 ミラはショックを受け俯いた。



「まぁ闘王祭で何か動きがあるかもしれん……それまではミラも少しだけ警戒していてくれ……お前はこの国の王妃だからな」

 ミロクはミラの肩をポンと軽く叩いた。


「…………はい」

 ミラは渋々頷いた。




(リュート……テンゲンだったか……? リュート……リュート……いや、まさかな……たまたま似ている(・・・・)だけだ……それに時代が違いすぎる……)


 エンマは立ち止まるとゆっくりと後ろを振り返った。

 そこには既に竜斗の姿はなかった。


(我が祖ショーマの探し人の1人……たまたまだ……たまたま名が似ていただけだ……)


 エンマはそう自分に言い聞かせると、視線を元に戻し、王城に向かって再度歩き出した。



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