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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第六章【聖都】
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不謹慎と違和感



「…………マジか」

「? どうかされましたか竜斗様?」



 隣で体を支えてくれているレイナが、俺の様子がおかしい事に気付いてくれた。

 まぁ「マジか」とか言えば誰でも気にしてくれるよな。


 俺は、先天スキルが【剣聖】から【剣神】に変わった事……【王気】が<覚醒>したこと……そして、8つ目のスキル【変化】なんて訳の分からないスキルを覚えた事を伝えた。



「す、凄いですね……」

 レイナは本当に驚いた顔をしていた。


「あれ? 魔眼で俺の事、視なかったの?」

「正直申しますと、あれから竜斗様のステータスが視れなくなりましたもので……」


「【魔眼<王>】でも?」

「はい」


 俺は少し気を緩めてみた。


「これならどう?」

「あっ大丈夫です、視れました…………ほ、本当に凄いですね……正直少し吐きそうです」


 確かガブリエルが言ってたけど、ランクZEROや神眼所持者を視るのって相当キツいみたいだ。俺が警戒してたら全く視れないらしいし、悪意?的なものがあれば吐気・嘔吐があるそうだ。

 余程気を許した相手じゃないとマトモに視てもらえないらしい。



「まぁ私は、竜斗様ならいずれ【剣神】になると思ってました」

「そうなんだ」


「はい」

 レイナには確信があったみたいだ。



「うん、目的だった【王気】も覚醒したね」

「ですね」


「で、どうすりゃいいんだ?」


 正直、【王気】が覚醒したところでどうすればいいのか分からん。何か下手に気合いを入れたら、洗脳しそうで怖い。皆の思想そのものが変わるスキルだし。


「そのままでいいのでは?」

「へ?」


「竜斗様はいつも通り、竜斗様らしく過ごせばいいと思います」

「いいのかな?」


「はい、そうすれば皆、自然と竜斗様についてきてくれると思いますよ」

「……う~ん、了解」


 正直それが怖いんだけど。まぁこれに関してはちょっと保留。確か【王気<覚醒>】は3人の王様だけが持ってたよな……話を聞いてみたいな。



「で、最後の【変化】なんだけど……」

「すみません、正直初めて視るスキルなので私にも判断がつきません」


「そうなんだ」

「はい……初めて視るというより、聞いたこともないスキルです」


「ふ~ん、ゼノなら知ってるかな」

「どうですかね、多分知らないかと……ゼノ程ではないですが私も以前かなりスキルについては調べましたが、本当に聞いたことがありません」


 マジか……なんか凄く微妙そうなスキルなんだけど……最後のスキルだから【無敵】とか【最強】とか、凄そうなスキルを期待してたのだが、ぶっちゃけると微妙スキルだ。

 まぁそんなスキルがあるのか知らないけど……


「【変化】って事は何かを変えるスキルなのかな?」

「多分そうなんでしょうね」


 後で検証してみるか。




「で、ここは……どこ?」

 俺は今更な質問をレイナにした。


「はい、ここはスレイヤ神国・聖都スレイヤにある純白の神城(ホワイトパレス)の中です」

「えっ!?」


 マジか……なんか綺羅びやかだとは思ってたけど、お城だったのか。


「あの後……竜斗様が倒れられてから……女王ディアネイラと竜斗様をこの城へと運びました」

「そうだ! ディアネイラはどうなった!? それに皆は!?」


 レイナは首を横に振った。


「まだ目覚めておりません……息はしているのですが、まるで死んだように眠っています。ララ達は無事です……アーシャが転移の神器を使って、今は城の別室にて過ごしています」

「そっか……良かった」


「ただ……」

 レイナはばつが悪そうな顔をした。


「ただ?」

「治癒士がいないもので、ララとヒュースの治療が余り……」


「そっか……【治癒】のスキルがないと中々上手く治療出来ないからな」

「はい……まだ人間達には私達の存在は隠しているので大っぴらには治癒士を呼ぶことが出来ないのです」


「まぁそうなるよな……」

「はい、処刑広場(あのば)はアーシャが上手く纏めたのか、神国民に思ったほどの混乱はないとの事です」


「やるな」

「はい、流石は元・王族で元・光王です」


「なら、皆の様子を見に行くか……」

 正直、きちんとこの眼で皆の無事を確認しないと安心出来ない。


「立てますか?」

「ああ」



 俺はレイナに支えられながら立ち上がろうとしたが、力が入らずレイナと一緒にそのままベッドに倒れてしまった。



「ご、ごめん……ちょっと、よろ……け……た……」

 謝ろうとしたが、レイナの顔が近くて今更ながらドキッとしてしまった。


「あ、はい……大丈夫……です……」

 レイナの顔も真っ赤だった。


 なんだろうな……まだハッキリと戦争が終わったわけではないし、皆の無事もちゃんと確認しないといけないし、そもそも不謹慎なのに、俺達は自然と唇を重ねた。



「こんな時に不謹慎だね」

「ですね」



 それでも皆ごめん……俺は……我慢できそうにない!



「いやいや、少しは自重して下さい」

「「!?」」


 不意に扉から声がし、俺達はハッと体を起こした。勢いがありすぎて、体に激痛が走った。


「つぅ……」

「だ、大丈夫ですか竜斗様!?」


「時と場所を選ばないからですよ」

 アーシャは呆れていた。



「アーシャ……か?」

「そうですよ、天原竜斗」


「どうかしたのですか?」

「ふふっ、邪魔されてご立腹ですかレイナ?」


「…………」

「まぁいいです、それよりも彼等が到着しますよ」


「彼ら?」


「ええ、貴女方の頼れる仲間達です」

 アーシャは小さく微笑んだ。

「今は聖都の外にいますが、転移の神器を使い直にここに来るかと」



 そうか、皆が来てくれるのか……それなら安心だ。




「ですから2人には是非、【王の間】にきて欲しいのです」


「……いいのか?」

「はい、この際全員集めて全部話し合いましょう」


 アーシャは主だった奴等を全員集めて、今後の事を話し合う予定のようだ。



「まぁスレイヤ神国は敗国なので、その辺りの覚悟は出来ていますが……大臣達は知らないですからね、未だ状況が掴めておらず混乱しています」

「……分かりました、その辺りも全部話し合いましょう」




「…………」


「どうかされましたか竜斗様?」


「いや、なんでもない……行こう」

「? はい」



 レイナは首を傾げていたが、自分でもよく分からない……なんか……まだ、終わってない気がする……



 それでも俺はアーシャに案内され、レイナと一緒に部屋を後にした。




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