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どうせなら異世界で最強目指します  作者: DAX
第四章【七大悪魔王】
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鬼畜と快眠



夜勤からの更新……






 ルルとの会話を終え、俺も城の中に入ろうとしたら不意に声を掛けられた。


「よお竜斗」

 茂みの中からゼノが現れてきた。


「ゼノ……どうしたんだ?」


「別に。只の散歩さ。そっちこそどうした?」

 ゼノはあっけらかんと答えた。


「いや……ちょっとルルと話してただけ」

 答えようか少し迷った。


「…………そうか」

 ゼノは何かを察したのか、それ以上は問い詰めてこなかった。

「だけど気をつけろよ」


「? 何を?」

 俺は訳が分からず首を傾げた。


「ば~か。婚約者がいるのに別の女に会うとどうなるか、少し考えれば分かるだろ」

 ゼノの顔はニヤニヤしていた。


 言われてみたら確かに……。でも前にレイナの方がルルから話を聞いてみろって言ってたし、問題ないんじゃ?



「ああ見えて姫さんは嫉妬深そうだからな、精々気をつけろよ」

「……分かった。肝に命じておくよ。」

「おう」




 そう言って俺達は城の中に入っていった。正面の入り口に向かって通路を歩きながらゼノと更に少しだけ話した。思えばゼノとも二人で話すことはそうそうない。



「……結局、姫さん以外はSSランクになれそうにないな」

「まだ神国との戦まで何日かあるだろ?分かんないって。」


「いや……多分覚悟の問題だろうな……あの時の姫さんは異様なまでに強さに拘ってた。」

「……確かに、それは言えてるな。」


「俺はSランクになれてからどっかで満足してるのかもな」

「でも、潜在ランクはSSはあるんだし」


「潜在だけどな。俺には未だに……SSランクになりたいって強い意思がないと思う」

「それ自分で言ったらいけないだろ」


「まぁな。でも前にゼータが言ってたろ。魔族はどっかで強さを諦めてる。人間には敵わないって。だからAランクから上に上がれないんだって。」

「それは……だけどゼノもSランクになれたろ。」


「迷宮を攻略したからな。確かにモンスターを倒してランクを上げるのは楽だ。目の前に壁が有るわけだから、それを倒して乗り越えればいい。」

「…………今は、壁というか目標がない?」


「まぁ…簡単に言ったらな……神国にはSSランクがいない。それに対してこっちはSランクの数も勝ってるし、何よりランクSSの姫さんと、ランクZEROの竜斗がいるからな。言ったら……甘えだけどな……」

「なんだ分かってるじゃん。」


「だからだな……どう考えても俺達は互角以上に戦える筈だ。」

「それは……俺も少し思った。でも…」

「分かってる」

 ゼノは俺の言葉を遮ってきた。


「俺らは多少の犠牲を覚悟してる。今度の神国戦も命懸けだ。必ず負傷者は出る。だけど竜斗、お前は違う。お前は誰も傷つけないようとしている。ただの一人も。」

「…………当然だろ?」


「そうだな。きっとその差なんだろうな。俺ら魔族とお前との差は……」

「そこまで分かってるなら……」


「まぁな……でもどっかで本気になれてない自分が最近はいるんだ……俺もよく分からんけど…………以前ほど……命を掛けてない気がするんだ……」

「それって……俺がいない方がいいって事か?」


「そこまでじゃないが……お前なら命を預けられるって信じてるからだ。だから……かな」

「ゼノ……」



 ゼノは苦笑いを浮かべていた。自分でも分かってるんだ。強くならなければと思ってるけど、本気になれてない自分がいる事に。

 皆を守らなくちゃと思ってるけど、俺や頼れる仲間がいるから安心している自分がいることに。

 人間だから分かる。人間は相手に対して対抗意識が強い。だけど魔族の皆は虐げられてきたからか仲間意識の方が強い。


 ゼータも言ってた。相手を蹴落としてでもって気持ちがないんだ。もしかしたらゼノだけじゃないのかも……ガオウもサラもルキもバアルもアトラスもそう感じているのかも……



(神国との戦まで後、一週間はあるな)



 俺もまだ本気じゃなかったって事だ。レイナの時はレイナの本気に答えたからで、皆にはまだ本気じゃなかったんだ。なら俺が出来ることは1つだ。皆の仲間意識が強い事を利用するしかない。



「悪いなゼノ、ちょっと用事を思い出した」

「ああ、また明日な」


 丁度正面の入り口に辿り着いていたので、ゼノはそのまま外に向かい、俺は城の2階を目指した。



「まだいるかな?」

 小声で呟きながら俺は階段を駆けた。暫く城の通路を走ると目的の人物を見つけた。

「ルル!」


「!? 竜斗様?」

 少し声が強かったため、ルルは驚いていた。


(あれ?スキル【聴力】があるのに気づかなかった?)



「良かった、まだ起きてた」

 俺はルルに駆け寄った。


「ど、どうしたんですか?まだお休みになられないので?」

 何故だかルルは顔を少し赤くしていた。いや、何故も何も……だった。


「えっと……ちょっと相談があるんだ」

「何でしょう?」



 俺はゼノとの会話を、ルルに話した。俺が思ってることも伝えた。そして明日の皆との修練でしたい事も……。




「本当に竜斗様は鬼畜ですね……それを、わざわざ言いに来るなんて」

「うっ……返す言葉もない……」


「でも分かりました。この修練が始まる時に私にも覚悟は出来ています。竜斗様のしたい様にして下さい。」

「ごめんねルル。なるべく痛くしないようにするから……」


「……いえ、無理だと思いますよ……あれは……」

「やっぱり?」


「だから大丈夫です、覚悟は出来てます!……ただしバレても知りませんよ」

「まぁ皆には、なるべくそんな余裕は持たせないようにする。」


「頑張って下さいね。それと早く休んで下さい。」

「ルルもしっかり休んでね。」



 俺はそう言ってルルと別れ、城の外を目指し、ルルの言った通り早く休むことにした。

(もう大分遅いけど……)




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 私は竜斗様と別れてから足早に城の2階を目指した。階段を昇りきった辺りで立ち止まると顔が火照ってないか頬を押さえた。


(……リリスとガーベラが知ったら発狂しそうね……それにしても……あの様子だと竜斗様、2人も竜斗様の事が好きなの気づいてなさそう……)



「…………ふふっ」

 私は小さく笑った。


(本当に竜斗様は最低ね……姫様一筋なんだから……)



「…………でも竜斗様が言ったこと本当かしら?」


(バアルさんが私のこと?……う~ん……ないと思うんだけどな……でも……もし、そうだったら?)



「!? な、ないわよね……」

 何故かバアルさんのカッコいい顔を思い浮かべて、急に恥ずかしくなってきた。


(うわっ、どうしよう……明日からバアルさんの顔見れないかも…………シューティングスターさんも、こんな気持ちなのかな?)



「いや、まだそうと決まった訳じゃないし!」

 私は首を横に振って、冷静さを保とうとした。


「う~……まだ顔赤いかも……」

 私は訳が分からなくなってきた。



 そこへまさかの竜斗様登場。



 いきなり声を掛けられビックリしてしまった。考え事をしていたので、足音にも気づかなかった。不覚……。

 この人は本当に……時と場所を選んで欲しいな……


 話を聞くと、明日の皆さんとの修練でしたい事があるそうだ。しかもその内容がかなりの鬼畜だ。いや、覚悟は出来てるからそれはいい。ただ……


 さっき想いを伝えた相手にそれを言うだろうか……?いや言われずにいきなりされていたら戸惑っていたと思う。やはり優しい人だ。



(姫様が一目惚れしたのも頷けるかな)




 竜斗様の後ろ姿を眺めながら私はまた小さく笑った。残りの仕事を片付けたら私も休もう。



 今日はよく寝れそうだ。






 すみませんです。更新だいぶ遅くなりましたです。


 しかも、夜中です。まぁ執筆が1番捗る夜勤が久しぶりだったので多目にみてくれたら嬉しいです。


 まぁ1番の理由は「時計魔人」書く方が楽しかったりする訳で……本当に申し訳ないです。




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