手合せバーサス。
おはようござます、こんにちは。そしてこんばんは。
作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す。元気だったかな?
第七話が完成したのでアップしまっす!
では、第七話をお楽しみくださいってだけじゃなんかつまんないんで、作者が最近ボヤてた事をちょっとしゃべろうかな?
最近作者は「ドラ○エヒーロー○」をプレイしたんだって。んで知らない呪文がちらほら出てきて戸惑ってこう言ってました。
『リホイミ? メラガイア? ドルマ? ベホイム? なにそれ?』だって。
9で止まってる作者だから知らないよね、あはは。でもねベホイムは9に出てきたのはここだけの内緒だよ。
さらにこう言ってました。
「回復呪文はホイミ・ベホイミ・ベホマの三姉妹だろうが! 誰だよベホイムって!」と、なぜか擬人化させて怒ってました。なので次回作は『ベホイムちゃんの憂鬱』でぇ~す。
では、第七話をお楽しみください。それではっ!
日曜日。午前六時。空は若干の雲。晴天とまではいかないけど晴れている。太陽の見えはじめる。今日は雨の心配はなさそう。
那凪ちゃんが待ち合わせに指定した公園へと向かう。向かう公園は徒歩十五分くらいで、最近できた大きくて広い公園。よく大勢でダンスの練習やラジオ体操やランニングなどできるくらい広い公園。
パーカー姿にジャージを履いたわたしは咲夜を持って公園入って噴水まで行く。
立ち止まり遠目で噴水を見る。
そこで待っているのは幼なじみの那凪ちゃんの後ろ姿が見える。約束の時間の五分前にはだいだい到着している律儀な那凪ちゃん。
「やっぱり……いるよね……」
那凪ちゃんが約束を破るわけない。
「ふぅ……」
ひとつため息をついて歩きだす。
那凪ちゃんはよく着てくる黄色と水色のジャージを着ている。バックプリントのやっぱりジッパーが描かれている。
あのジャージは昔からの船橋市非公認ゆるキャラ『ばなっしー』をモチーフにしているものだ。右胸にはきっと『ばなっしー』と書かれた名札が描かれているだろう。
「おはよう那凪ちゃん」
「よし、来たね。じゃあ、さっそく!」
那凪ちゃんがいきなり『セルシウス』をソードホルダーから抜き出す。
「早い! 早いって那凪ちゃん!」
両手突き出しをおおびらに振り那凪ちゃんを制止するわたし。冗談? と思うけど那凪ちゃんはいたって本気だ。
「なんで!? 紫苑はわたしと練習するんでしょ!?」
「イヤイヤ! そうだけど! 『なんたら紫電って技』の練習じゃなかったけ!?」
「そうよ、だから実戦で練習するの!」
「なんでぇ! と、とりあえず、荷物置かせてもらえないかなぁ!? ね?」
「……わかった。じゃあロッカールームに行こっか」
「そ、そだね」
ふぅ……わたしの思いがわかってくれたのか那凪ちゃんは剣をしまって肩掛けカバンを持つ。
「荷物を置いたら即、実戦練習よ」
ロッカールームへ歩き出した那凪ちゃんはそんな宣誓をわたしに喰らわす。
「……とりあえず、一度その紫電っての見せてもらえないかなぁ?」
もしかして……那凪ちゃんはわたしと戦いたいから練習って項目でわたしを誘ったのかな……う〜ん……
◆
「どう?」
「もう少し脇をしめて腰を落として……そんで腰を入れて腕を突き出したらいいと思うよ」
「なるほど。どう? こんな感じ」
「うん、そんな感じ」
荷物を預けた後、那凪ちゃん『セルシウス』をわたしは『咲夜』を持ち出し練習場所の森林へと向かう。到着後、すぐに那凪ちゃんは『雷光一閃・紫電』をわたしに見せてくれた。
かなり速い突技の剣技。近距離、中距離なら脅威になる剣技だった。
「うん、さっきより突きが速くなったね」
「ありがと。でも、お母さんの紫電はもっと速いんだよね」
「えっ?! そうなの?」
驚いた。今の那凪ちゃんの紫電もかなり速いのにそれ以上の速さなんて……
「うん、目に見えないって言葉を地で行く感じ」
「へぇ〜さすがだね」
さすがは最強の騎士の称号である『剣聖騎士』を持つひとだ。
「もっと速く、もっとするどく紫電を放つには……どうしたらいんだろう?」
「う〜ん、どうだろう? なんなら直接お母さんにコツみたいなのを聞いたらどう?」
「それじゃあダメなの」
那凪ちゃんは即答した。まっすぐに空を見上げ、何かを思い、何かの強い決心みたいなものに自分自身に語りかけているようだった。
「全部が全部お母さんに教わった通りにしていたら、私はそれ以上の先は望めない。成長できない。自分で感じて、考えて行動を起こして、失敗して失敗を繰り返して練習して鍛えて……私は強くなると思うんだ。紫苑。あんたを見てたらそう思うよ」
「えっ? わたし?」
「うん。あんたはお父さんから基礎的な事と基本技しか教わってない。あとは紫苑が自分で考えて、繰り返して……そんで今の紫苑が出来上がってると思うんだ」
「……違うよ」
それは違うよ。那凪ちゃんのお父さんは忙しい人だから、悪いと思ってあまり多くは聞かないだけ。
それに櫻子さん……あのひとはわたしに何も教えてくれない。だから……わたしは自分で考えて……考えて……
「……違わないよ」
「えっ?」
「だって、そうじゃなければ中学王者までなれない。いくら天武の才を持つあんただって無理」
「……違うよ。優勝できなのは運がよかっただけ。それにわたしには天武の才なんて無いよ」
「……昔の紫苑はよく私に質問してきたのに、ねぇ紫苑。最後に手合わせしない」
「えっ?」
「抜刀しなくていいから。納刀状態でいいから一戦やらない?」
那凪ちゃんは鞘からセルシウスを抜き後ろに据え、そして腰を落とし半身になる。それは騎士道独特の剣の構え。
「ちょっと、那凪ちゃん!?」
「せっかく咲夜を持ってきてるんだから、刀袋から出して構えてよ」
眼が真剣だ……那凪ちゃん。本気で言ってる。やっぱり咲夜を持ってきて正解だったか? それとも不正解?
「女の子がここまでやってるんだから、さっさと出してよ」
「……」
捕らえ方によってはとてもエッチな事に聞こえてしまうのはわたしの思い過ごしだろうか?
「でも……」
「ごちゃごちゃ言わないの」
「強引だなぁ……」
「私の幼なじみでしょ。だったら知ってるはずよ」
こうなった那凪ちゃんは止められない。一度決めたらテコでも動かないガンコもの。
「わかった。那凪ちゃんの思い受け取る」
那凪ちゃんの思いに負けて刀袋から『咲夜』を取り出し鞘をベルトに連結させた。
「何よ、準備できてるじゃない? あ、ううんできてないか。相変わらず巻いてるのね」
那凪ちゃんはきっと咲夜に巻き付いている『白い布』の事を言ってるのだろう。
「なんなら、布をほどいて抜刀してもいいんだよ?」
「抜かないよ。それに『マナの祝福』の効果が切れてるから絶対に咲夜は抜かない」
抜いたらわたしはその場で前科一犯だ。
「そっか、ならそれでいいよ。納刀でかかってきなさい!」
「いくよ! 那凪ちゃん!」
軽跳歩術の『乱軽踏法』で一気に那凪ちゃんとの間合いを詰める。
「合いも変わらずに速いわね!」
鞘での振りあげ攻撃である『昇華天光』を那凪ちゃんは剣でいなす!
「まだ!」
腰を回転させ、連動して下半身に勢いをつけて蹴技『刃真蹴嵐』を蹴り放つ!
「ぐっ!」
「よっしゃ!」
まともに腹部に直撃。ひるむ那凪ちゃんへと追撃をかける!
「もらった!」
振りあげからの大振りの攻撃で追撃!
「!!」
那凪ちゃんの眼が煌めく。一瞬で体制を立て直し、剣を後ろへと引いた!?
「いっけぇぇえぇええ〜〜!」
「この距離……ヤバっ!」
これって紫電!
「終わりよ!」
「くっ!」
振りしている鞘を、力任せに無理矢理に方向をねじ曲げ、体制を崩すし、地面へと崩れ落ちる。
「やるわね!」
地面へと転がり落ちたわたしの頭上に那凪ちゃんの紫電が通り過ぎる。地面を転がりながら膝を地面に付けて体勢を直す。
「逃がさない!」
那凪ちゃんは間髪入れずに、追撃をかけてくる!
「もう終わりなの?! 紫苑!」
「まだまだ!」
鞘のままでの下段回転刀技の穏虎地身を足下に放つ!
「甘い!」
横ステップで穏虎地身を回避!
「くっそ!」
「はぁ!」
那凪ちゃんからの斜め下への袈裟斬り!
「ぐっ!」
身体が沈んだ状態で、攻撃を鞘で受け流し、乱軽踏法で一気に距離を離す。
「逃がさないよ!」
剣を後方へと引いて半身になる。
「抜刀術?! 那凪ちゃんが!」
鞘には剣を納めていないけど……それは武士道の抜刀術に似ている。まさか、騎士道に抜刀術?
わたしは気づいていなかった。那凪ちゃんの行動を警戒するため、一瞬だけど足捌きが止まってしまっていたことを。
「そのままでいなさい! 一瞬で終わらせる!」
「えっ!? あ、しまっ……!」
気づいたときには遅かった。
「斬空一迅・疾風!」
一瞬の停止。那凪ちゃんはそのスキを見逃してはくれなかった。
第七話・完
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。間宮冬弥です。
楽しんでいただけましたでしょうか?
まえがきで僕の代弁者が言ってました次回作の『ベホイムちゃんの憂鬱』ですがこれは書く予定はありませんのであしからずです。
もし書いたらいろいろと大変そうなので書きません。
第八話も早い段階でアップできると思うので期待せずに待っていただけるとありがたいです。
では、第八話で会いましょう。それでは、失礼します。