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異世界からの来訪者?

みなさんこんにちは、そしてこんばんは。

作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す。元気してたかな?


第五話が完成したのでさっそくアップしまっす!


今回も早いペースでの投稿なのです! まったく、早すぎるのも考えものだよね。だって、このスペースで話すことがなくなるんだからね!

まったく、まえがきを任されてる身にもなって欲しいものですよ!

おっと、愚痴っちゃったよ! ごめんね。


では、さっそく第五話をお楽しみください。それではっ!



「えっとぉ〜」

 モルボル内で営業している目的地『お菓子タウン』に到着して、ボノボルを探して棚を見て回る。


「あっ、あった!」

 わたしが目的の5個1パック100円のボノボルを見つけ駆け寄る。


「ふむ、この店は大量だな」

 突然、棚の陰から出てきた中学生くらいの小さい女の子が目的のボノボルを棚からごっそりとすべて持っていってしまう。しかしわたしの視線はその行動より女の子の服装に向いていた。なんかアニメに出てきそうなフリフリでヒラヒラの白と黒の服。長いロングの髪には大きなリボンにふんわりとしているフワフワスカート。そんな服装はお姫様っていう表現がぴったりなドレスの服装の女の子だった。


「あったか?」

 その後ろから男の人がコンビニ袋を両手いっぱい持って出てきた。その男性もおかしな格好だった。

 外套を羽織り、布の靴と籠手をはめていて……まるで外国のファンタジー映画に出てくる旅人のような格好だった。そして……腰には長い布が巻かれた棒を差していた。


 ……腰のあれって剣だよね? このひときっと那凪ちゃんと同じ騎士かな?……それと、このひとかなり強い……かも?


「見よ。ここは大量だぞ」

「わかったわかった」

 男の人は女の子をメンドくさそうになだめる。


「では、精算するとしよう!」

 両手で大量のボノボルを持って女の子は精算するためにレジへと向かって歩きだした。


「ちょっと待って!」

「あ……」

 後ろから那凪ちゃんがその女の子に向かって怒っているような感じのとがった声をかけた。と、言うかたぶん……絶対に怒ってるよね……


「なんだキミは? 私たちに何か用か?」

 女の子は見た目の割に言葉使いがなんか大人びていた。


「いくら安いからって、そんなに大量に買わないでくれる? 買いたいひとに迷惑でしょ? それ、私も欲しいから少し戻して」

「ちょっ、那凪ちゃん……ダメだよ」

 わたしは那凪ちゃんが暴走しようとするのを止める。だって相手は小さい女の子だし。


「ううん、違うよ紫苑。私が言ってるのはその子じゃない。そっちのあんたよ!」

「えっ? 俺?」

 那凪ちゃんが指さした先には、旅人の格好をした男のひとがいた。


「そうよ。あんたその子の保護者でしょ? ならちゃんと迷惑だって事を教えなさいよ!」

「な、那凪ちゃ〜〜ん。マズいってぇ!」

 止めようとするが、那凪ちゃんは止まらない。那凪ちゃんは両親譲りで正義感って言うのかな? それががあるんだよね。


「俺が保護者ねぇ……う〜ん、そうなるのかなぁ……」

「あはは、キミが私の保護者? これはおかしな事をいうな」

 目の前の『旅人』は首をかしげ『お姫様』は笑う。


「な、なにがおかしいの?!」

「ふむ、キミはこれが欲しいのか? なら力づくで奪いにこい!」

 言ってることがまるで悪のお姫様だった。


「やってやるわ!」

「ダメだって那凪ちゃん! 剣しまって、お店の中だよ!」

 買い言葉に売り言葉……那凪ちゃんはソードホルダーから愛用の直剣『セルシウス』を抜き男性に構える。


「へぇ、キララじゃなくて俺に剣を向けるか? なかなかいい判断してるね。お嬢ちゃん」

「うっ……あんたの腰に携えているのって剣でしょ? それにあ、あんたがこの中で一番強そうだからよ!」

 男性の目が鋭く那凪ちゃんを射抜く。那凪ちゃんも強気で切り抜く。


「俺が一番強いねぇ……間違っちゃあいないな。なら俺の見解を言うとお前は『三番目』だな」

「私が三番? なに言ってんのよ!」

「三番目に強いって事だよ。俺に勝つ見込みがあるのはお嬢ちゃんの隣にいる子だよ」

「えっ?」

 三人の視線が一瞬でわたしに集まる。


「えっ、とぉ〜わたしはそんなに強くないんですけどぉ〜」

 三人の視線がじっとわたしを見ている。



 そして一際するどい眼光でわたしを見るあの男性……今、確実に疑惑は確信に変わった。やっぱりこのひと……強い! とてつもなく……



「武士道を辞めた紫苑が……わ、私より強いわけないじゃない!」

 那凪ちゃんが誰よりも先に視線を男性の戻し、言葉を男性に放った。 


「そうだな。あんたは決して弱くはないよ。でもそいつに比べたらまだまだだね」

「えっとぉ……」

 男性がチラッとわたしを見る。


「ふざけないで!」

 那凪ちゃんが叫んだ。男性に向かって。


「しかし、お嬢ちゃんはいい剣を持っている。手入れが行き届いたいい剣だ。『年季を感じさせない』手入れぶりだな。感心する。だけど……『マナの祝福』がそいつをなまくらにまで鈍らせているな」

 男性は眼光鈍らすことなく、そのまま那凪ちゃんの剣をほめた……その余裕が逆に怖い……


「余裕なの? でもありがとうと言っておくわ」

 那凪ちゃんが強気のまま男性を睨む。那凪ちゃんの額が汗ばんでる……それに呼吸も少し乱れてる……


 那凪ちゃんも気づいている。このひとの『ケタ違い』の強さを。


「ほう、それが氷霊の剣か? しかしお前に使いこなせるのか? お前はその精霊を持つに足りるにふさわしいのか? いや、使いこなせていないからこその『マナの祝福』か」

「氷霊の剣? 精霊? なに言ってんの? そんなゴスロリな格好なんかして。もしかしてあんた中二病ってやつなの?」

 那凪ちゃんは剣を男性の向けたまま言葉だけを男性に投げる。


「そうか。キミはその剣のことは知らんのか? ふむ、まぁ当然か。『物語』はまだ進んでいて、まだ完結していないからな」

「はぁ? 物語?」

「ならば語ってやろう! 『読者』して『傍観者』であり『観測者』であるこの私がその剣のことを!」

 手を大振りにして仰々しく語る。お姫様風の女の子。


「こら!」

「あ! イタぁ〜つぅ〜……な、なにをするぅ〜」

 男性がすっ、と女の子の後ろに回り、頭をキツめに叩いた。あ、女の子頭をさすって涙目になってる……


「うん、確かに買いすぎだな。それに人目が着きすぎる」

「むぅ……確かに」

 女の子が視線だけあたりを見渡している。


 わたしも首を動かし周りを見る。行きかう人々が、店内の中にいるお客さんが、わたし達と距離を取って遠巻きに見ている。

 


「ほら、ごめんな」

「あ、どうも……」

 そう言って男性は女の子からボノボルを取りあげ、那凪ちゃんに謝り、大量のボノボルを渡す。


「お、おい!」

 非難の声を上げ、女の子は男性の腕を引いている。


「こんなに買ったんだからもういいだろ? それにそろそろ時間だ。あまり『この物語』に関わるのもまずいだろ? それにキララお前は話しすぎだ」

 男性は床に置いた大量のコンビニ袋を拾い上げ女の子と話し出した。


「ふむ、それもそうだな……新たな『分界(ほん)』が派生してはまずいか……それにこの物語が私たちを『登場人物』と認識してもまずいな……少し羽目をはずし過ぎたな」

「だろ?」

 物語? 本? 登場人物? なに言ってるんだろ? このひとたちは?


「わかった。では帰ろう」

「じゃあな。ほら、キララ」

「むぅ……す、すまかった。ではな!」

 ふたりはわたし達に詫びを入れて、去っていった。


「行っちゃった……」

 嵐のような出来事で、ふたりは風のように去って行ってしまった。


「……ふぅ……」

 手で額の汗を拭う那凪ちゃんは大きく安堵のため息をついた。


「大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ」

 那凪ちゃんに渡されたボノボルを代わりに持ち元の棚に戻す。那凪ちゃんは那凪ちゃんで、セルシウスを鞘に納めソードホルダーにセルシウスをしまった。


「あの男のひと……すごく強いね」

「そうね……正直もし戦ってたら、私はきっと勝てないだろうね」

「わたしもそう思うよ」

「私もまだまだだぁ……相手の実力がひと目でわからないなんて。剣を構えて相手を見据えて、初めて相手の強さがわかるなんて……ダメだな。私はダメだ」

「そんな事ないよ」

 那凪ちゃんはわたしを見る。悲しそうでいて、冷たい目。そして、少しイラっとしている表情。


「私は……三番目か。『二年間の空白』は埋まらないか」

「那凪ちゃん?」

 那凪ちゃんは目を背け戻したばかりのボノボルを4パック棚から取り出す。


「よし、今度の連休にお母さんとお父さんに稽古をつけてもらおう! そしてヘンテコな格好をしたあの男にぎゃふんと言わせてやる! それから紫苑。あんたもよ! 全国の王者だかなんだか知らないけど私はあんたに勝つ! それまでに『抜刀』できるようにしておきなさい!」

 わたしに勝利宣告をして那凪ちゃんはレジへと向かった。


「え? あ、待って那凪ちゃん!」

 わたしも棚からボノボルを1パック手にとって那凪ちゃんの後を追った。


「あ、紫苑。悪いけどそこのシルバーサンダーのパック取って」

 那凪ちゃんはレジ目前で立ち止まり、振り向き様に棚に指を指す。


「えっ? シルバーサンダー?」

 那凪ちゃんの指した先には『お得なファミリーパック』と書かれたシルバーサンダーの大きな袋が見えた。


「これ?」

「そう。お店に迷惑かけちゃったからね。微々たるものだけど、お詫びとして買おうと思うから持ってきて」

「わかった」

 指名されたパックを手にとって那凪ちゃんの元へと向き合う。そんな那凪ちゃんに触発されたわたしもボノボルを1パック追加したのだった。


 ◆


 帰宅の途でわたしは那凪ちゃんに今日の朝にあった志々倉先輩の対戦の事を話した。


「……同好会ねぇ……ならさ、入って復帰して、さっさと抜刀して私と戦って、負けてよ」


 と言うことをさらっと言ってくる那凪ちゃん。時折那凪ちゃんは空気が読めない感と一言が多い気がするんだよねぇ……

 それとも、まだあの男にひとにイラついてるのかなぁ……


「不思議だね」

「ん? なにが」

 通り過ぎ様の自動車のサイドミラーに写る月をみる。


 鏡に映った月はふたつある。


「鏡に映った月。なんで鏡を通して見る月はこんなにはっきりとふたつに見えるのに肉眼でみるとひとつだけなんだろうって」

 那凪ちゃんに思っている疑問を聞いてみる。


「さぁ。私たちが生まれる前からそうだったんだから今更不思議がってもね」

「う〜ん、そうなんだけどね」

 未だにこの疑問は晴れない。昔からそうだったんだからと言えばそれまでなんだけど……


「お母さんが言ってたけど、昔鏡の中に入れたんだって」

「えっ!? 鏡の中に?」

「うん、信じられないでしょ? で、その鏡の中の世界の月がふたつあったからその名残じゃないかって、お母さんが言ってた」

「ふぅ〜ん、今でも鏡の中って入れるの?」

「ううん、入れないよ。『鍵』がもうないらしいし」

「鍵?」

「うん、傘だったかな?」

「傘? 傘が鍵なの?」

 鍵が傘? 昔は鏡の中には傘で入れたのかな?


「今度、那凪ちゃんのお母さんにその話しを詳しく聞きたいな」

「いいよ、抜刀したあんたに私が勝ったら話を通してあげる」

「ええっ〜それはないよぉ〜」


 この後、あれこれふたつの月についての憶測を話したけど結局はわからず終いだったのはいうまでもない。


 第五話・完

こんばんは、間宮冬弥です。

まずは、最後まで小説を読んで頂き誠にありがとうございます。

楽しんでいただけましたでしょうか?


第六話ですが、こちらも早い段階で投稿できそうです。期待せずに待っていただけるとありがたいです。


では、第六話で会いましょう。


それでは、これで失礼します。



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