おいしいメロンパン。
おはようござます、こんにちは。そしてこんばんは。
作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す。元気にしてた?
もう、第四話が仕上がったのでアップしますよ。
う~ん、こんなに早く話が投稿されるとねぇ~話すことがないんだよねぇ~
間宮冬弥の近況も話してもねぇ~特に無いんだよねぇ~
強いて言えば「ラ○ライ○」にハマってるくらいかな? まぁ、かなり乗り遅れてるけどね。あはは!
では、第四話をお楽しみください。それではっ!
「おっと、危ない」
校門をくぐり、昇降口で上履きに履き変えて、教室に向かう階段をあがる途中で『登校ボーナス』を獲得してないことに気づいた。
早足で急ぎ昇降口に戻り、入り口付近に設置してある小型端末にたどり着く
このコンビニにあるような小型端末は登校ボーナスを得るために設置してある端末。朝の登校時と放課後の下校時にしか使えない時間限定の特殊な端末だ。
「これでよし」
その端末にカード型学生証端末をタッチして登校ボーナス30ポイントを得たのだった。
◆
「今日もあいつ来てないのかな?」
「うん。どうしたんだろう? もう一週間だよね?」
「だな。ポイントもったいねぇな」
「そうだね。一日欠席すると100ポイント減点だしね」
廊下でわたしの前を歩く上級生であろう男女カップルの会話が耳に入ってくる。
「不登校ってなくならないんだな」
「うん、でもウチの高校はまだマシらしいよ。友達の高校なんて5、6人くらい来てないらしいし」
「マジで!?」
聞こえる会話。
不登校はなくならないか……どこの高校でもそうなんだ。那凪ちゃんの高校でもひとりこない生徒がいるらしいし……いくら登校ボーナスなんてシステムを入れても学校に来ない理由を根本から解決しないとなくならないんだなぁ……
そんな思いを抱きつつ、教室のドアを引いた。
◆
「よし、下校ボーナスゲット」
放課後。昇降口のポイント端末に学生証をタッチして10ポイントを得る。
下校時のポイント獲得の挑戦はせずにそのまま駅へと向かう。なぜならば行きたいとことがあるからだ。
◆
「ねぇ、しおッチは妻沼の駅使ってるよね?」
時は遡る事のお昼休み。わたしは友達の『深奈ちゃん』と『流奈ちゃん』と一緒にお弁当を食べている時だった。
「ならさ、このアイスメロンパンって食べたことあるの?」
「アイスメロンパン? 食べたことないなぁ〜」
そう言って流奈ちゃんが見せてくれたスマホの画面には『メロンパン界で二番目においしいアイスメロンパン』と謡っているメロンパンが映し出される。
「すごくおいしいらしいよ。今度の連休にふたりで妻沼に行くから一緒に食べようよ」
と、行った流れになった。だからわたしは場所を確かめるべくモルボルに向かう。そしてついでに味も確かめようという魂胆だ。
◆
「あれ? あれって那凪ちゃんかな?」
到着したショッピングモールのモルボル。その地下1階にあるフードコートでテーブルに座り勉強をしている那凪ちゃんらしきポニーテールの髪型と後ろ姿を見つける。
あのポニーテールに華奢な体型。それにあのソードホルダーとあの制服は那凪ちゃんだ。けっして幼児体型なんて言ってはいけない。那凪ちゃんは童顔とか幼児体型って言うと機嫌悪くなるからなぁ……
「那凪ちゃん?」
でも一応、確かめために思い切って声をかける。
「うん? あれ紫苑じゃん?」
うん。やっぱり那凪ちゃんだ。
「勉強してるの?」
テーブルに広げられたノートやペン入れ、教科書に目をやる。
「うん。騎士道学の昇級筆記試験が近いからね」
「へぇ〜」
ちらりと広げられているノートを見るとノートの白い部分が見えないほどびっしりとカラフルに書き込みしてあった。
「で、紫苑はどうしてここに来たの?」
「あ、えっと、ここにあるお店で『メロンパン界で二番目においしいアイスメロンパン』ってのを食べにね」
「ああ、ならこれね」
那凪ちゃんは自分が食べていて、あとふた口くらいで食べ終えるであろう『メロンパン』らしきものをわたしに見せる。
「これなんだ。おいしい?」
「うん、おいしいよ。アイスが中に入っていてボリュームもけっこうあるし。でも390円はすこし高いかな?」
「へぇ〜じゃあ、わたしも買ってこよっと。ここ一緒に座ってもいい」
「いいよ。当たり前じゃない」
「ありがと。で、お店ってどこにあるの?」
「あの行列が出来ている店」
那凪ちゃんの視線の先には五〜六人並んでいるお店があった。
「あそこかぁ……んじゃ、行ってくるね」
「いってらっさ〜い」
カバンを那凪ちゃんが座っているテーブルに置いて『アイスメロンパン』を購入するために店に並ぶのだった。
◆
「お待たせ」
「あいよ〜」
那凪ちゃんはアイスメロンパンを食べながらノートと教科書を交互に見てはノートに書き込む。
わたしはさっそく、買ってきたばかりのアイスメロンパンを口へと運ぶ。
パクパク、もぐもぐ
一口アイスメロンパンをほおばる。
(冷たいアイスと温かいメロンパンがいい感じで混ざって……なんか未体験の食感……)
「……」
パクパク、もぐもぐ
二口目のメロンパンをかじる。
(それにこのメロンパン。少し堅く作ってあるんだ。クッキー生地? ビスケット? そんなのが混じってるのかな? それが歯ごたえがあって一緒に食べるアイスクリームにアクセントが加わってるんだ……おいしいぞいっと)
「……」
パクパク、もぐもぐ
三口目をほおばる。
(付属のクッキーみたいなのはメロンパンスティックかな? それがアイスを掬えるようになってるんだ。でもあまり必要ないかな?)
「……」
パクパク、もぐもぐ
四口目を食べる。
(う〜ん、確かにおいしいけど……アイスは別にして食べたい感じかな? ビスケットメロンパンをスティック状にしてディップして食べたい感じ。その方がアイスで手がベトベトにならないし。手軽に食べられそうだし。あ、でもそうするとスプーンが必要かも)
「……」
パクパク、もぐもぐ
五口目のメロンパンをかじる。
(確かにボリュームがあるなぁ……食べ終わるまで結構かかりそう。あ、これおみあげでお母さんとお父さんに買って帰ろうかな? でもこれってテイクアウトできるのかな? あ、でもアイス溶けちゃうかな? 保冷剤とかくれるのかな? ん? メロンパンが冷めちゃうから保温剤か? あ、でもそうするとアイスが溶けるからやっぱ保冷剤かな?)
「……」
パクパク、もぐもぐ
六口目をほおばる。
(那凪ちゃん、集中してるなぁ……)
アイスメロンパンを食べながらノートの字を書き込む那凪ちゃんを見ながらそう思った。『あいよー』のひと言からまったくしゃべんないんだもん。
「よし……」
だからわたしも残り少ないアイスメロンパンを食べきりカバンからテスト対策として国語の教科書とノートを開き、今日の授業の復習とまとめに入ったのだった。
「別に私に付き合わなくてもいいよ」
那凪ちゃんがわたしに気を使ってそう言ってくれた。幼なじみだからよくわかる。
「ううん。わたしも今日習ったところの復習をしたかったから。それに家じゃやらなそうだし」
「ごめんね。なんか付き合わせちゃったみたいで」
「気にしないで。わたしが勝手にやってることだから」
那凪ちゃんは少し気が強いところがあるけど、心の奥の方では那凪ちゃんのお母さんとお父さん譲りのやさしさがある。わたしもそのやさしさに触れてきたから。
「うん、ありがと」
「えへへ」
そして、わたしと那凪ちゃんは教科書とノートをにらめっこするのだった。
◆
「ふぅ……紫苑、長くなってごめんね。そろそろ帰ろうか?」
「そうだね」
那凪ちゃんの言葉にわたしも賛同。
ノートと教科書を閉じてテーブルに乱雑に散らかっているシャープペンや蛍光ペン、消しゴムや定規をペン入れに戻す。
カバンからスマホ出して時刻を見る。うん1時間くらいか。でも那凪ちゃんはわたしより前からここに居たから、それ以上勉強しるんだろうな。
「あ、紫苑、ごめんだけどお菓子タウンに付き合ってくれる?」
那凪ちゃんはスマホを見てわたしに頼んできた。
「お菓子タウン? お菓子買うの?」
「うん、いまお母さんからのメールでボノボルを買ってきてって頼まれちゃってさ」
「ああ〜あのお菓子だね。ホントにあのお菓子好きだね。那凪ちゃんのお母さんは」
ボノボルと言うのは那凪ちゃんのお母さんが大好きなお菓子のこと。那凪ちゃんが言うには、那凪ちゃんのお母さんが高校時代からこのお菓子が大好きなんだそうだ。このお菓子にすごい熱のこもりようだなぁ。
「うん。正直こっちが引いちゃうくらいにね。でも、確かに安い割にすごくおいしいからね。あのクランチチョコ
は」
「そうだね。20円であのクオリティはすごいよね」
そうなのだ。キャンディーみたいな見た目のボノボルはひとつなんと20円。シルバーサンダーより安くておいしいお菓子があるなんて那凪ちゃんのお母さんから貰うまでは
知らなかった。
そして、いまではわたしもこっそりと買ってしまうくらい大好きなお菓子になったのは言うまでもない。
「じゃあ、行こっか」
「うん」
そして、わたしと那凪ちゃんは目的のお店まで一緒に向かうのだった。
第四話・完
こんばんは、間宮冬弥です。
まずは、最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
楽しく読んでいただけましたでしょうか?
五話ですが、これも近いうちに完成すると思うので早い段階でアップできるると思います。第五話が投稿されましたらよろしくお願いします。
では、短いですが、これで失礼します。