おまけストーリー 騎士道少女とサムライガール 第2話
みなさんこんばんは、そしてこんにちは。
作者の代弁者の紫乃宮綺羅々でぇ~す。数日ふりだけど元気してたかな?
あ、ここはまえがきだから、本編読みたい人は飛ばしてね。
さて、おまけストーリーも第二話でっす。
いつまで続くか間宮冬弥自身もわからないこの
おまけストーリーですが、最後までお付き合いしてくださいね!
味気ないまえがきだけど許してね。次あたりに作者の近況でも話そうかな?
では、おまけストーリー第二話をお楽しみください。それではっ!
抜刀できない少女と騎士道ガール
episode of side-N
●おまけストーリー02
『騎士道少女とサムライガール』第二話・双樹咲夜
「よし」
今日は三年生の三者面談で学校は早く終わる。学校が終わると同時に下校して今、新妻沼のショッピングセンターリーナに併設してある『スノーバックス』にいる。
一度家に帰って着替えてもよかったんだけど、紫苑からのメールがいつくるかわらなかったので、ここで制服のままで待機する事にした。
時間は午後二時半。スマホを机に置き、暖かいキャラメルマキアートを飲みながら待つ。
「学校が終わる時間……聞いておくんだったな」
すこしだけ後悔。でも、待つしかない。二本あるソードホルダーを意味もなく触って立てかけてあるイスから倒れそうになるのを受け止め、イスに立て直す。
「とりあえず……咲夜は必要だよね……」
普段は穿かない縦の白いラインが入ったスパッツをさすりながら、この後のプランを確認する。
「それと咲夜を連結させるためのベルトもか……おっ!」
午後三時。待ち待った紫苑からのメール。
「よし来たっ!」
わたしは霧島さんに『公園に向かって』という内容のメールを作成。さらに追伸として『すこし遅れる』と付け加えて送信。
程良く冷めたキャラマキを飲み干して、コップを大至急返却。そして、駆け足でスノバを出て新京連の改札を通るのだった。
◆
「あら、那凪ちゃんじゃない? 紫苑ならまだ帰ってきてないわよ」
紫苑の家で出迎えてくれたエプロンを着た紫苑のお母さん。昔からやさしくて厳しくいいひと。わたしもお世話になってる。
「はい、これから紫苑に会います。でもその前に紫苑の忘れ物を取りに来ました」
「紫苑の忘れ物って?」
「おばさんごめんだけど手伝ってくれませんか?」
◆
「そう、あの子と那凪ちゃんが……じゃあ、紫苑は武士道を再開するんだ」
「はい。そのために必要なモノを持っていきます」
おばさんに事情を話して紫苑の部屋に入れてもらった。
紫苑の部屋はいつもどおりに綺麗だった。
わたしは一目散にクローゼットへと向かう。
「あった」
咲夜はあっと言う間に見つかる。昔から大事なモノはクローゼットに入れる癖は直ってないらしい。
「……乱雑だなぁ……整理整頓できてないんじゃない?」
咲夜を手に取った後、クローゼットをマジマジと見てしまうほどに片づいてない。
部屋は綺麗なのになぁ……紫苑ってなんで見えないところは綺麗にしないんだろう?
「あら、紫苑ったら……あとで掃除させないと……」
後ろで見ていた紫苑のお母さんが独り言を言う。
まぁ、当然かなぁ……これだけ汚いとわたしでも『掃除しろ!』って言いたくなる。
「あとは……」
腰に巻く連結ベルトだけど……
「おばさん、紫苑が使ってた連結ベルト知りませんか?」
「連結ベルトってなに?」
「あ、えっと……紫苑が武士道の試合の時に腰に巻いてたベルトです」
「ああ、あれ。あれなら確か……紫苑がベッドの下にしまってたような……」
「ベッドの下ですね」
ベッドの下へ潜り込むようにのぞき込む。ベッドの下は光が届かずに暗い。奥まで手を入れて探りを入れる。
「あった? これか!?」
ベルトのような感触と太さのモノを引きずり出す。
「ありました! ごほっ! 埃が積もってるぅ! ごほっ!」
引きずりだしたベルトは埃を着ていて、動かしただけでも埃が舞う。ホントに見えないところは汚いんだからぁ!
あ、昨日の練習でこのベルトを持ってこなかったのはこれか? まったく! 紫苑って意外とスボラだな。
「那凪ちゃん! こっちで埃を払って」
おばさんが窓を開けて、ベルトを持った腕を窓の外に伸ばして埃を払う。
「ハンディクリーナーとタオルを持ってくるから待ってて」
「あ、すいません! ごほっ!」
その後、小型の掃除機を持ってきてくれたおばさんの指揮の元、ベルトの埃を吸引。そして濡れたタオルで拭いて乾いたタオルで水分をふき取る。
◆
「じゃあ、気を付けてね」
「はい、ありがとうございました」
おばさんに一礼をして、玄関のドアに手をかける。
「那凪ちゃん」
「はい?」
名前を呼ばれ、おばさんの方へと振り向く。
「紫苑をよろしくね」
にっこりと言う。紫苑のお母さん。
「はい! 任せてください」
わたしも自身に気合いを入れ直して返事を返したのだった」
◆
「あ〜遅いよぉ。待ちくたびれるところだったよ」
「ごめん。思ったよりも時間がかかっちゃったんだ」
公園に到着。柱時計は四時十分すぎ。時刻を決めていなかったとはいえ、時間がかかりすぎか……そして噴水には目的のふたりはすでにそこにいた。当たり前か。
「な、那凪ちゃん……」
「オッス紫苑」
(紫苑……驚いている)
わたしの幼なじみは絵に描いたような驚き顔でわたしを見る。そんな幼なじみの目は赤い。たぶん泣いたんだろう
黒いセーラー服に赤いスカーフ。それて黒いスカート。わたしより背の高い女の子は日本人形のような真っ黒な黒い髪。その髪はショートカットでとてもかわいい。やさしくて気弱い。でも武士道じゃ誰よりも強い、わたしが思う最強で最凶の女の子。
名前は姫乃木紫苑。わたしの幼なじみの女の子が目の前にいる。
「那凪ちゃん……?」
「ごめんね紫苑、騙すようなマネして。でも結果的に過去を吹っ切れたでしょ?」
「……ひどいよ……那凪ちゃんが仕込んだんだね」
「あはは、まぁ否定はしないよ。ほらこれ」
二本持っていたうちの一本のソードホルダーから紫苑の『双樹咲夜』を抜き出し、紫苑に渡す。
「咲夜?」
紫苑は渡された咲夜を見る。
「布が……」
ひと言だけそう呟いてそのまま押し黙った。布はわたしが外した。だって……そのままじゃ無理なんだよ。
「いつも行く教会に神父さんがいなくてね。かわりに新人のシスターさんに施してもらったから手間取っちゃってさ。でもかわりにタダにしてくれたからめっけもんかな」
「教会に? じゃあ」
咲夜から眼をはなし視線をわたしに向ける。
「うんそう。咲夜に『マナの祝福』を施してもらってきた」
「そうなんだ……」
紫苑はまた、咲夜に視線を落とす。きっと白い布には色々と想いがあったと想うけど、わたしはそんな事は知らない。聞こうとも思わない。
「……本当なら紫苑が自分ではずして欲しかったんだけど、どうしてもマナの祝福を施すには『抜き身』である必要があるから……ごめん」
その布……色々と思いが込められてたんだよね。
「……いいよって、あれ?! じゃあもしかして、わたしの部屋に入ったの!?」
「入ったよ?」
「ええええぇえええええぇええっ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「なに驚いてるの? 別にいいじゃない? 小学生の時はよく紫苑の部屋で遊んでたじゃない?」
なぜかすごく驚く紫苑。わたしにはなんでそんなに驚いているのかわからない。
「ううっ〜〜そうだけどぉ〜じゃあ、クローゼット開けたの?」
「うん、だってあんたって昔から大事な物をしまうのはだいたいクローゼットでしょ? だから一発でわかったよ」
「ううっ……どうだった?」
「ん?」
「クローゼットの中。那凪ちゃんから見てどうだった?」
ああ、だからそんな驚いてたのか。まぁ、そうだよね。わたしが『咲夜』を持っているって事は……そういう事だもんね。
「……そうだねぇ、汚くて整理整頓できてなくて……ひと言で言えばひどい有様」
うん。あれはひどい。
「ううっ……ひどい言われようだよぉ」
泣きそうな紫苑。でもホントの事だからしようがないよ。あとでキツくおばさんに怒れておいで。
「あ、そうだ」
地面に置いたカバンから咲夜を腰に装着するベルトを取り出す。
「はい、これも」
「あっ……」
「ベルトまで……」
よし、これで渡すモノも全て渡した……後は……
「よしそれじゃあ、やろう。『復帰戦』」
自分のソードホルダーから愛用している剣『セルシウス』を取り出し鞘から抜く。
「……でも」
紫苑は刀を抜かない。迷ってる。あれは絶対に迷っている。
「紫苑?」
紫苑に声をかける。紫苑はわたしの声には反応しない。
「神夜さん。すいません少し時間をください」
霧島さんがわたしの横を過ぎ紫苑とまみえる。
「姫乃木さん。これから三分間考えてください。自分がどうしたいのか」
「えっ?」
「迷っているなら、三分間で全力で考えて、そして答えを出して。私は姫乃木さんが下した決断に従う」
「……」
三分間か……霧島さんって以外と厳しいんだな。話すと明るくて親しみやすいって感じなのに。
「抜きたくないならそれでいいし、復帰もしたくなければしなくていい。だから三分間だけ、自分と向き合って」
「三分……」
紫苑はたったひとことそう言って黙る。
「……」
鞘にセルシウスを戻し、紫苑に背を向けて歩く。
「姫乃木さんは戦ってくれそう?」
「さぁ、この三分間で決まるんでしょ?」
「そうだね」
ふたりでそんな身のない話を交わす。その間に紫苑は自分の刀の『双樹咲夜』を見つめている。
「なぁ、あいつが持ってる刀、身幅があるな」
霧島さんのお兄さんが紫苑の刀をみてそうわたしに訊ねる。
「そうだね……うん、鞘から見て身幅が広い。太刀? ……とまではいかないか?……けれど普通の刀よりかはあるね? 大太刀二本分くらいかな?」
「……」
さすが霧島さん。紫苑を倒したいって言うだけのことはあるね。ひと目でそこまで見抜くなんてね。
「あの刀……何か秘密がありそうだね。どうなの神夜さん」
「説明がメンドい」
「面倒なの? じゃあ、ふたりの戦いを見たらわかるかな?」
「そうだね。善処するよ」
「善処するんじゃなくて、見せて」
「厳しいなぁ……紫苑の『第二段階』まで追い込めるかなぁ?」
「その、第二段階っていうのを楽しみにしているよ。かぐや姫」
「……っ! その呼び名。二度と言わないで」
「ごめん……怒らせちゃったね」
「別に怒ってないよ」
背が低い。童顔。幼児体型。チビ。これを言われると腹が立つけど……でも、『かぐや姫』って呼び名が一番嫌いだ。わたしはお伽話のお姫様じゃない。
紫苑を見る。咲夜を少し抜いていた。
刀身の根本で光る『マナの福印』を確認してるんだろう。
「そろそろ行くね」
わたしは霧島さんに告げる。
「えっ、でもまだ、姫乃木さんの……」
「那凪ちゃん。やろう!」
霧島さんの言葉を遮るように聞こえる紫苑の答え。
「やっと、決心がついたのね。遅いわよ」
鞘からセルシウスを抜き、紫苑へと歩み寄る。
やっと……二年待って……あきらめかけていた紫苑の本気とやりあえる!
「うん、後悔をしないために!」
目が輝いている。うん、昨日までの死んだような魚の目じゃない。その目……綺麗だよ紫苑。
「お腹大丈夫?」
「うん、すこし痛いけどもう大丈夫」
「そう、よかった。で、咲夜。抜かないの?」
「那凪ちゃんは知ってるでしょ? わたしスロースターターなんだよ」
「ああ、そうだったわね。『二年間もエンジンに火を入れてなかった』からね」
「うん、だからわたしのエンジンに火をいれてね」
「まったくワガママね。いいよ」
紫苑が柄に手をかけて腰を落とす。やっぱり最初は納刀でスタートか。でもいいよ。絶対に紫苑のエンジンに火を入れてみせるから。
「じゃあ、そろそろ」
「うん」
お互いに見据える。
「正々堂々と……」
「いざ尋常に……」
「「勝負!」」
駆け出し、紫苑との戦いが始まったのだった!
第二話 完
こんばんは、間宮冬弥です。
まずは、この小説を最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
僕の代弁者も言っていますが、このオマケいつまで終わるか正直わかりません。
以前のあとがきで「あまり長くならないつもりです」と書いた思いますが
玉砕しそうです。申し訳ないです。それでもお付き合いしていただければと思います。
それでは、短いですがこれで失礼します。




