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●はじまり●


  

   ●●●



 変な奴だ。誰もがそう口にした。

 不思議なひとだ。三人がそう言った。

 なんて可愛いのだろう。二人がそう笑った。

 ずっと一緒にいよう。二人と地球上の生き物が誓った。

 君はひとりじゃない。一人が涙ぐんで抱きしめた。


 

 浪漫千里がずいぶん大人になった、十一月のある日のこと。珍しく快晴であった。ここ最近、雲が頭上を覆う日々が続いていた。昨日、はらはらと雨粒が落ちる中、彼女は足元に水たまりが出来るのを見守りながら、濡れた木の葉を踏みしめた。

 それからほんの十八時間で、ここまで真っ青な顔になった空。雲ひとつない。地上に広がる落葉した赤や黄色を引き立たせている。

 女心と秋の空とは、よく言ったものだ。心変わりの早いそれは、すなわち浮気者そのものである。誰しも心の状態は、その時その時で変わってしまう。一分一秒が過ぎる間に、歳を重ねるごとに、色んなことを経験するうちに。

 ──が、千里は、まったく変わっていない。いつ頃と比較してそう断言しているのかというと、それは彼女がまだ四歳だった時代である。



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