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第七話 暗黒剣

やっと授業が終わった。ざっと2時間ぐらいやったな。ああ~疲れた~。


コンコン


おや?メイナかな?

「真平君の部屋よね?アネルだけど、はいっていいかしら?」

アネルさん?こんな時間に何の用だろ。

「いいですよ。どうぞ。」

アネルさんが俺の部屋に入ってきた。右腕には包帯をしている。

「お邪魔しま~す。」

「こんばんは、アネルさん。右腕大丈夫ですか?」

「平気よ。明日には治ってるから。」

いやいや、治るわけないだろ。あれだけ血が出てたし。

「そんなことより、聞きたいことがあるの。」

聞きたいこと?なんだろ?

「まずひとつめ、あなたの剣、「暗黒剣」よね?どこで手に入れたの?」

ああ、やっぱばれてたか。まあ当たり前か。

「わかりません、気が付いたら持ってました。」

「気が付いたら?どういうこと?」

どうやらメイナはだれにも話していないようだな。さて、どうやって話すか。

「実は、記憶がないんです。僕がギルドに入ってきたのは昨日のことですよね?それ以前の記憶が全くないんです。」

「ええ!?そ、そうなの!?」

どうせ信じてもらわれないだろうから嘘でも話しておく。

「はい。」

「なるほど……聞きたいことがいろいろあったんだけど、これじゃあ聞けないわね。」

「まあ、そういうことですね、すみません。おもいだしたらいいますよ。」

「わかったわ。ありがとう。」

そういうとアネルさんは立ち上がり、部屋を出て行った。ごめんなさい、アネルさん。多分永遠に言わないと思う。



そういや俺、質問されたけど、自分自身のこと、なんもわかってないよな。特に暗黒剣について。

「なあ、セラ。」

「何?真平?」

「暗黒剣について教えてくれ。お前のことなんだからすべて話せるよな?」

すると、セラがミサンガの姿から元の姿に戻った。

「わかった。何が聞きたい?能力?歴史?」

「能力があるのか?聞いてみたい。」

「私の能力、というより暗黒剣は生き物を切れば切るほど強くなる剣。人でも、魔物でも。」

うわ、俺にとって最悪な能力だなそれ。俺、あんまり切りたくないんだけど。まあ、今日も切っちまったし、もうしょうがないのかなぁ?

「だけど、あなたと会ったときはそこまで強くなかったわ。この剣はね。ましてや、あんな状態でケルベロスなんて切れない。」

え?ちょ、ちょっとタンマ。

「ちょっとまて。俺は普通に切ったぞ。」

「それはあなただからできたの。あなたは強すぎるのよ。」

そうなのか?まあ確かにこの世界のなかでは強いと思うけど。

「あなた、元の世界でもそんなに強かったの?」

「いや。俺みたいなやつはどこにでもいるさ。」

「やっぱりか……。」

「やっぱり?」

「いや、ごめん、こっちの話。」

まあいいや。とにかくもっと聞きたい。

「じゃあ、今度は歴史について教えてくれるか?」

「わかったわ。この暗黒剣、実はもともと普通の剣だったのよ。だいぶ昔のことだけどね。そこに妖精が乗り移ったの。それが私。私は闇の力を多く持っていたから闇の力を与えた。そして生まれたのが……。」

「「暗黒剣」か。妖精については?何か教えてくれ。」

セラは一瞬ためらった。あまり言いたくないからだろうか。

「妖精ってのはその昔、絶滅したと言われている種族よ。そして最後に残ったのはたったの二人。私とあと一人よ。私たちは絶滅しないよう、剣に乗り移った。剣に乗り移れば永遠の命を手にすることができるといわれてたから。」

永遠の命?すごいなそれは。

「へ?じゃあもっと妖精が乗り移った剣があるのか?」

「いいえ。私を含めて二つしかないわ。」

「なんで?永遠の命が手に入るんだろ?みんなしなかったのか?」

「実はそう簡単なことじゃないの。乗り移ろうとして失敗したら死んじゃうの。」

ああ~そりゃそうか。メリットもあればデメリットもあるもんな。

「なるほどな。じゃあもう一つの剣ってのは「閃光剣」か?」

「そういうこと。ついでに私が外に出れない理由がわかったでしょ?」

だからか。そりゃ、絶滅した奴が外に歩いていると何かとまずいからな。納得納得。

「で、もういいかしら?」

「ああ、ありがとな。」

そして、セラはミサンガの姿に戻った。俺はそれを左手首につける。

最終的におれの力がチートな理由わからなかったな。まあいいか。どうせ時がたつごとにわかっていくだろう。今日は遅いし、もう寝るか。そして俺はゆっくりと意識を手放して行った……。


真夜中、セラは再び、妖精の姿になった。そして妖精になったセラは窓から満月を眺める。

(アリエル。あなたはいい人見つかった?私は見つかったよ。あなたも早く見つかるといいわね……。)

セラはしばらく満月を見ながらたたずんでいた。まるで過去のことを懐かしむように。

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