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第四話 ギルドに登録! 

「ところで、安田君。少し、その剣見せてもらっていいかね?」

魔王が話しかけてくる。少し悩んだがセラがOKを出してくれたので見せることにした。

「ああ、いいぜ。」

そして俺の暗黒剣を丁寧に渡す。魔王は剣をまじまじと眺め、しばらくしてほぅとため息をついた。

「どうしたんだ?」

「安田君。君は異世界から来て知らないと思うが、これは世界でも相当有名な剣だよ。」

「へ?」

おい、セラ、どういうことだよ。聞いてみたけどセラは答えない。魔王は続けて言った。

「『閃光剣』と対をなす剣、『暗黒剣』。まさかこの目で見ることができるとはなあ。」

聞いたことがない語が出てきた。

「『閃光剣』?なんだ?それは?」

「伝説の剣だ。それ以外のことはだれにもわからない。ゆえに幻の剣とされておる。対をなす『暗黒剣』もしかり。」

よくわからないがとんでもない剣なのだろう。

「おっと、そういえばここにしばらくいたいんだったな。おい!だれかおらぬか!」

魔王が叫ぶとすぐに二人の衛兵がやってき、地面に片膝をついた。

「御用はなんですか?」

「安田君をギルドに連れてけ!!」

「ギルド?」

俺が訊くと魔王は笑って言った。

「安田君にも働いてもらうぞ!『働かざる者食うべからず』だ!!」

「……ごもっとも。」

「かしこまりました!ささっ安田殿、こちらへ。」

そして俺は二人の衛兵に連れられ、ギルドに向かうことになった。


 衛兵に連れられ2時間ぐらいたったかな。俺はギルドに到着した。それにしても人が少ないな。たしか、魔王が人間不信(?)になってたっけ。だからかな。

「で、俺はどうすればいいんだ?」

「あら?何の御用ですか?」

振り向くと女性の人間……いや、猫耳がある。完全な人間ではないな。

「あ、魔王さんに連れてこられたんだけど…。」

「そうなんですか?珍しいですね。魔王様が外部の人間を城に入れるなんて。」

途中からなんかぶつぶつ言ってるんだが。

「あの~?」

「あっ、す、すみません!魔王様の紹介ならおそらく新規登録の方ですね。こちらにどうぞ。」

俺は受付と思われる女性の後に続く。そしてカウンターに腰かけた。

「では、登録のほうをさせていただきます。お名前はなんですか?」

「安田真平。」

「安田様ですね。魔王様の紹介なら確かここに書類が……あったあった。ってえ!?」

突然びっくりしだした。腕が震えてるし、どうかしたのかな?

「どうしたのですか?」

「い、いえっ!なんでもありません!」

うん。なんか絶対あるんだけどまあ深入りすると悪いしいいか。

「え、ええと、これが書類です。どうぞ。」

書類を手渡された。うん。読めん。見たことない字ばっかだし。

「すみません、読めないんですが…。」

「わかりました。では説明をさせていただきましょう。まずは、これがあなたご自身の名前です。」

名前も見たことない字だ。というかよく考えたらなんで会話ができるんだよ。後でセラに聞くか。

「続きまして出身地、性別、武器や装備品の内容…そして、これが主にやってもらいたい依頼です。依頼内容は『狂暴バーサクモンスターの討伐』です。」

異世界に来たばかりだから当たり前だけど意味の分からない言葉が本当によく出てくるな。

「『狂暴バーサクモンスター』?」

「名前の通り、狂暴化してしまった魔物です。普通の魔物より力があり、いきなり襲いかかってくるので大体わかります。」

「で、それを俺に倒してほしいと……。」

「そうですね。まあ、無理にやらなくていいと書いてありますが。」

あの魔王。俺が殺しが嫌いっていうことを知っててこの内容かよ。

「なら断る。」

「そうですか……。残念ですね…。」

「残念?どういうことだ?」

その受付嬢は続けて言った。

狂暴バーサクモンスターというのは人間、魔物、構わずに襲うのです。ここのギルドに登録していた者たちも何人やられたか……。」

受付嬢が少し視線を落とした。悲しいのだろう。

「元通りにすることはできないのか?」

「実は何百年も探しているんですが方法が見つかっていないそうなんです。第一、なんで生まれたかすらわかりません。」

何百年……。そんなにかかって全く見つかってないのか。しょうがない。やるしかないか。

「わかりました。やります。」

「本当ですか!?ありがとうございます!!」

というわけで俺はギルドに登録してもらった。

「これが会員証です。なくさないようにしてください。」

そうやって手渡されたのは銅色のバッチ。後ろに読めないが何か文字が書かれてある。

「あの~これ、なんて書いてますか?」

「ああ、これはあなたのお名前が書かれています。あと…」

受付嬢は少し間を開けて言った。

「今、あなたの持っているバッチは銅色ですが、ランクが上がっていくにつれ、銅、銀、金、プラチナ、ダイヤモンドが最高です。ランクは依頼をクリアし続けたら上がります。頑張ってくださいね。」

「なるほど。ありがとうございます。」

「それでは、ギルド内の構造を紹介しましょう。ついてきてください。」

そしてその受付嬢についていく。お尻には丸い尻尾がはえてあった。なんだろう。すげえかわいい。

「まずはここが食堂です。基本、いつでも食べに行けますので遠慮なく活用してください。」

さらに歩く。それにしても、人があまりいないな。

「ここは銭湯です。男性の方は左の入り口となっております。」

「そういえば、お金はとらないのですか?」

「はい。ただ、依頼達成時にもらえるお金を25%いただくことになっております。依頼を失敗し続けていると二度とここに入ることができません。」

なるほど。それで生計が成り立ってんのか。25%って結構きついけどしょうがないよな。さらに歩く。今度は二階だ。

「そしてここがあなたの部屋となっております。これがその鍵となっております。」

そしてもらったのは「214」と書かれてある鍵だった。俺はそれを鍵穴に入れ、ガチャッと部屋を開けた。

「あ、思ったより結構広いな。」

部屋には一人用のベッド。洗面所。机といすが一つずつあった。そして机には袋が一つ置いてある。

「ん?なんだあれ?」

俺は袋を開けてみる。そこには硬貨と紙切れが入っていた。紙切れには『登録祝い金1000マニー』と書かれてあった。

「おっ、すっげぇ!」

「あの、ちょっといいですか?」

受付嬢が声をかけてきた。なんだろうな一体。

「何ですか?」

「いくつか聞きたいことがあるんです。」

「なるほど。どうぞ。」

「ありがとうございます。あの書類に書かれてあったんですが、出身地が『異世界』とはどういうことですか?」

俺はこの瞬間、魔王の信頼がグンッと減った。それくらいごまかして書いてくれよ。

「ああ…一応そうなんだよね。」

「どうやってきたのですか?」

「わからない。元の世界で遊んでたらいきなり穴に入って…。いつの間にかここについてたんだ。」

一応セラのことは伏せておく。前にばれたらやばいって言ってたしな。受付嬢が驚いた顔をしている。そういえば、とふと思いついたことを尋ねる。

「今までにこんなことってあったんですか?」

「ええと……過去に1回だけあったそうですね。およそ1000年前のことですが。」

あったのか。だけど1000年前って。今から1000年前と言ったら平安時代じゃないか?うわぁ、超迷惑だわ。

「その人はどうなったのですか?」

「わかりません。突然姿を消したといわれております。」

う~ん、これは元の世界へ帰ったのか、殺されたのか分からないな。前者だったらいいんだが。

「なるほど。ありがとうございます。さて、ほかに質問はありますか?」

「あ、そうですね。」

そういって受付嬢は暗黒剣を指差す。

「その剣、暗黒剣ですよね。どこで手に入れたのですか?」

ここもセラのことを隠したいのでウソをついておく。

「わかりません。気が付いた時には持ってました。」

「そうですか。無礼な質問、失礼しました。」

受付嬢はそういうと部屋を出るため、ドアのほうをむかって歩き出した。

「あ、ちょっと待ってください。」

「なんでしょう?」

「お名前、なんですか?」

その受付嬢は止まり、こちらを向いて答えた。

「メイナと申します。」

「メイナさん。俺、文字が読めないんで、教えてくれませんか?」

そういうと、メイナさんはニッコリ笑った。メイナさん。笑顔がまぶしいです。

「わかりました。」

そういって、メイナさんは去っていった。俺はベッドに入って横になっていたのだがいつのまにか眠ってしまった。

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