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夕日はまだ燃えつきない。(暮の心象風景)
「わたしは、だあれ?」
わたしはだぁれ?
「あなたは、なぁに?」
わたしは、さがしているの?
合わせ鏡の奥底で、沈む太陽は振り向いた。
木の陰、木の影、そこには鬼がいる。
「わたしは、だあれ? あなたは、なぁに?」
瞳を開けて、数えます。
「わたしは、さがしているの?」
昼と夜の混ざり合う日輪が、傾き振り返る。
火輪と逢ったら、日陰の日影に潜んでる。
逢魔が時の隠んぼ。
「わたしは、だあれ?」
さがしているの?
「あなたは、なぁに?」
さがしているよ?
逢魔が時の隠れ子。
夕日はいまだに燃えつきない。