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人は、幻想したモノを実現させる力を持つ。(境の心象風景)
一つの世界として夢も現実も。
白と白の境界線に描く界の端。
黒々と沈んでいく。
水に船を浮かべるだけで、そこは海となり、遠い世界への架け橋となる。
それが、桶の中という小さな小さな世界だったとしても。
空を飛ぶ夢を見て空を舞う箱を沈め。
そして、夜空の月を見上げては、そこへ到達する。
夢も現実も、世界 。ひとつ。
黒と黒の平線の現す場の淵。
白々と浮かび上がる。
人は、想像したモノを創造させる力を持っている。
白と黒に、深く落ちる灰燼のよどみ。
おぼろげな枠に。
しかし、空を見上げれば、月はいつもあるはずなのに。
空が玻璃に曇り、見上げても映し出される映像に覆われて。
それは、身近にあるが、
しかし、あいたい時に、それはない。
すでに失って久しく、いつしかあったことさえ忘れていく。