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無機物鉱石群(黴の心象風景)
彩り豊かな生命の
赤、青、緑色のきれいな金糸の縫い目。
きらきら
きらきら
綺羅星のきらきら菌糸。
苔灰石のきらめくように
繊毛の結晶体は
はがれる雲母。
白雲石の鋭いように
水に輝く大地は
うたう繊毛。
ふさふさと
ふさふさと
白いふさふさの毛玉
ゆれる菌枝は、金の枝。
忘れられた片隅のチーズの画布に
ひっそり暮らす芸術家の
とてもきれいなイシの
こどくなこころ
霰のいしのこころ。
からから、
からから、
機械を奏でる菌の意図。
鉱石のきもち
長い時間をかけて、星の胎盤に育まれてきた鉱石たちの硬質的な世界観。
大地に植物のように生えて、生物のように自らの結晶を複製し増えていく鉱物。
言葉は要らない。無機物的に底にある世界が全ての事象。