私は貴方を・・・
・・・苦しい・・・
次に私の意識が戻った時に一番最初に感じた感情。
体がくらくらして・・・視界が明るくて・・・
点滴なのか腕にはたくさんのチューブが刺さっていた。
私が目を開けると父と母が驚いた顔で私を見てきた・・・
両親は私に抱きつくと苦しいのに私を強く強く腕で圧縮する・・・
・・・・これはどういう状況なんだ・・・?
なぜ両親は私に抱きつく?
なぜ私はベットで寝ている?
そういえば・・・
私は・・・
暗い。
暗い。
そんな場所にいた気がする・・・
私が一人で死を選ぼうとしたら・・・
貴方がきたんだぁ・・・
あれ?
貴方は?
貴方はどこ?
辺りを見回す・・・
私が見ている世界が夢なのか現実なのか・・・わからないケド・・・
この世界のこの場所には貴方は居ない・・・
貴方はどこに行ったの・・・?
私は何度も何度も部屋を見回す・・・
そんな時・・・
「どうしてうちの子なのよっ!!!!!」
部屋の入り口で叫んでいるのは・・・
貴方の母親。
どうして叫んでるの?
どうして泣いているの?
どうしてここにいるの?
「あんたのせいでっ!!」
貴方の母親は私に凄いけんまくで近寄ってくる・・・
私は貴方の母に胸倉を掴まれて・・・
強い殺意を感じた・・・
貴方の母親は私を殺したがってる・・・
なんて対応していいかなんて分からない・・・
分からないケド・・・
もう・・・
考えるのもめんどくさいや・・・
私は目を閉じる・・・
そして全身の力を抜く・・・
意識はある・・・
でも・・・
私は気絶したフリをした・・・
本当に気絶できればいいんだけど・・・
それは意識的にできるもんじゃない。
全てをシャットアウトしたいのに音だけは繊細に聞こえてくる。
「どうしてあんた達の子なのよ・・・」
今度は私の両親に言っているらしい。
「・・・すいません。」
私の両親は貴方の母親に謝ってるのか・・・?
「うちの子・・・が・・・うちの子が何でっ!」
また貴方の母親は気が荒くなってる・・・
どうしたのだろう?
「うちの子が何で死ななくちゃいけないのよっ!!!!」
・・・・。
私は意識を失ったのだろうか・・・
思考停止している・・・
今なんて言った?
死?
そんなわけない・・・
貴方はあの酷い風邪は治ったし、貴方が死ぬ理由がない。
理由がない・・・
理由がない・・・・・・
理由がない・・・?
私が水の中にいたとき・・・
最後に見たのは・・・
現実だった・・・?
貴方が私の腕を掴んで地上に運ぼうとしてくれてた・・・
あの光景・・・
あれは現実・・・?
じゃあ・・・
貴方は本当に・・・
死んだの?
そして・・・
貴方が死んだのは・・・
私のせい?
また私のせい?
また・・・
また・・・・・・
私という存在が・・・
あははははははは・・・
もういいや・・・
もういい。
これもきっと夢だし・・・
静かに眠れば・・・
それでいいさ・・・
おやすみなさい。
私は意識の失いかけのわずかな時・・・
私はこの病院の屋上にいて・・・そっと飛び降りる・・・
そんな光景を見た。