ソラの涙

ソラの涙

君が涙する意味を僕は知らなかった。

だからいろいろとひどいことをしたね。

君の気持ちも考えずにひどいことを言ったね。

君が闇の中ひとりで泣いてるのを知っていた。

望むこと、思っていること、何もできなかったね。

それは枷のせい。

重く、長い鎖が君の心を戒めていた。

君の心はもうずっと悲しみにくれていて、流した涙は乾いてしまっている。

それでも、傷つけられたまま癒えることもなく断続的に傷つく君の心は

血を滴らせたままで。

痛くて、辛くて、悲しくて。

それでも君は束縛されていて微塵も動けなかった。

叫びたくても、咽喉が嗄れてしまっていて声が出なかったんだ。

叫んだとしても、気づくものはいなく、頼れなくて。

そして、誰も手を差し伸べてあげなかった。

君も、傷つけたくなかったから、引き止めなかった。

ひとり、泣いていたんだ。

君は諦め、心にはかりそめの平穏が訪れた。

波が、風がなく、心の海は凪いでいた。

今の君には迷惑かもしれないけれど、僕が波を立てて上げられればいい。

かりそめの平穏はつまらなく、窮屈で、辛くて、空しいだろ。

いつもどおりの毎日、でも、ちょっとした変化。

自分は何も動き出せない。

心だけが急いて、身体がついていかない。

どんな未来かわからない。

でも、今があれば、できるはず。

後悔だけはしたくないから。

存在意義はあるって、知ってるから。

今は、見失ってるだけ。君にもわかるときがくるよ。

勇気と意思があれば、何もかも変わっていくんだ。

すべてを巻き込み、修正していく。

君の強い瞳の力は何よりも魅力だから。

みんなが惹かれていく、その瞳に。

だから、勇気を出して。

すぐさま光をつかめるから。

その光は君だけじゃなく、みんなをも救っていくから。

変われるのは、みんな同じ。

少しだけの勇気を出せば、いくらでも変わっていける。

だから、今は泣いてもいいよ。

この青空の下、みんなと笑い会える日を夢見て。

追っていった風はつかめなくて、するりと逃げていく。

そんなに簡単には信じられない。

まだ、怖くて、最悪な方向へと考えてしまう。

裏切られるということを知っているから。

それでも歩みを止めることはしない。

少しずつ、少ずつ、変えていけばいいんだ。

月が今は温もりをくれる。

一番欲しかった温もり。

水面は僕の顔を映し、迷いや躊躇い、悩みを溶かしていってくれる。

たとえ、明日が何もなくて、一人残されてしまったとしても。

たとえ、明日がすべて壊れてしまっていて、夢だったとしても。

僕は、明日を作っていく。

僕は新しい何かを生み出すことのできるこの手があるから。

僕は大切な何かを生み出すことのできるこの力があるから。

運命、なんて。

明日、なんて。

決められてない。

自分たちで作っていくんだ。

思わず溢されたこの涙も、明日にはきっとないはずだから。

先は見えないけど、確かにあるこの道。

不安でも、確かじゃなくても、僕はこの道に踏み出せる。

自分を見失わないなら、どこまででも先へと飛んで行けるはずだから。