7話
部屋から出るとレナ王女とロジェさんが近づいてきた。
「えっと、レナ王女様とロジェさんでしたよね。これからどうすればいいですか?」
「レナで大丈夫です」
それでいいのかとロジェさんの方を見ると頷き
「姫様が言っているなら構わん、私もロジェでいい」
「分かった。レナ、ロジェ、迷惑かけると思うけどこれからよろしくね。それでこれからどうすればいい?」
「城下町で人が待っています。とても行くのが憂鬱ですが...」
はぁぁぁ...ととても長い溜息を吐いている。なにかあったんだろうな
「まぁうだうだ言ってても仕方ありません。とにかく城下町へ向かいましょう。行きますよ姫様。」
ロジェの声に合わせて姫様が動き出す。先行する二人を慌てて追いかける。
とても大きな玄関をくぐり抜けると大きく長い橋が目の前にありその奥には人で賑わっている城下町が広がっていた。
橋を渡り終えると
「おぉーい!」
と声が聞こえてくると共にこちらに向かって男が走ってくる。
「はぁ、彼が今回同行するもう一人の仲間です」
身長は自分より少し高いくらいの弓を背負った青年だ。
「君が召喚された幸喜君だね!俺の名前はルッツ・ケルト!ルッツでいいよ!よろしくねっとそんな事より」
挨拶をしてきたと思ったら急にロジェのほうに向き直り
「本日も大変お美しいですねロジェさん、ぜひとも結婚を前提にお付き合いを」
と唐突に告白を始めた。
「何度も言っていますがお断りさせていただきます」
「そうですか...では今日の所はやめさせていただきますがまた明日言う事にしましょう」
「何度言われようと変わることはありませんよ」
「それはその時にならないとわかりませんので」
「はぁ、勝手にしなさい」
ロジェが行くのが憂鬱と言っていた原因はこれなんだろう。