4話
「っ...ここは?」
意識を取り戻し辺りを見渡すと全く見覚えのない光景であった。
「なんだこれ」
立ち上がり見たことのない美術品?や書物を開いたりと部屋の中を物色していると扉の向こうから足音が聞こえ始める。
何が来るのかと多少身構えると同時に扉が開かれる。
「どうやら起きたみたいだね。おはよう」
入ってきたのは銀髪で白衣をまとった女性であった。
身長は同じくらいでスレンダーな体型、そして耳が長い...耳が長い?
物語の中でしか見たことがないエルフのような耳を凝視してしまう。
「ん?ああ、これか。私は生まれつき耳が長くてね。この国で確認している範囲では私だけだからあまり気にしなくていいよ」
そもそも僕の国にはそんな人はいないんだけどなぁ。
「すみません。初めて耳が長い人を見たので。あとおはようございます」
「はい、おはよう。体調はどうだい?呼び出したら気絶してて慌てて医療室に運び込んだんだ」
あ~、結局気絶してたんだ。
「体調でおかしなところはないですけど...ちょっと首が痛いくらいですかね?」
絞められていた所がジクジクと痛んでいる。
「ふむ、ちょっと見してごらん」
近づいてきて首を触られる。
「見た感じおかしくはないんだが...一応治療しておくよ。ヒール」
首を触っていた手が緑色に発光し、触られていたところが温かくなる。
今のは...魔法?
発光していた光がだんだんと治まってくる。
「これでどうかな?」
治療が終わったのだろう。首を動かしたり触ったりして痛みがないことを確認する。
「大丈夫です」
「そうか、それならよかった。すまないがこれから会って貰わないと困る人がいるんだついてきてくれるかい?」
誰だろうか、あの頭の中に響いてきた人かなと想像する。
「分かりました」
出ていく白衣の女性の後をついていき廊下へと出る。