3話
まだ卒業するまでは期間があるが準備をするには早いほうがいいだろう。
ほとんど持っていく様な荷物はない為五分もすればまとめられてしまった。
片付けが終わってしまった為、今日提出された宿題をこなしていく。
宿題が半分くらい進んだ頃、下から怒声と凄まじい物音が聞こえてきた。
また荒れてるのかと思った直後、今まで聞いたこともない悲鳴が聞こえてきた。
「?」
その声を聞き下の階へと降りる。
リビングに入るとそこには変わり果てた母の姿があった。
リビングに入ってきたことに気が付いたのだろう、返り血を浴び血の滴る包丁を持った父親が振り向く。
「お?あぁ、、、てめぇか、いったいてめぇどういうつもりだ?」
包丁をこちらに向けながら聞いてくる。
「どうゆうこと?」
「どうゆう事じゃねぇだろ!!このゴミが急に家を出ていくとかふざけたことぬかしやがったぞ!!
あんまりにふざけたこと言ってっからつい殺っちまったじゃねぇか!!」
とキレてくる。
「そのまんまだよ、もうあんたみたいなやつと暮らしたくないから出ていくってこと」
「そうかそうか、、、聞き間違いとも思ったが殺しといて正解だったわけだ、、、
てことはお前も出ていく気だったわけだ、、、じゃあお前も殺さなきゃなぁ!!」
床に押し倒され馬乗りになり押さえつけられる。
「ちっ、ちったー抵抗しなきゃ面白くねぇだろうが!あのゴミですら抵抗したってのによ!
お前だけでも助けてくれってよ!」
「は?」
「お前は殺すがあいつは助けてやるって言った後うれしそうな顔しやがったから腹立ったんだよ。
そんなのは嘘だって言ったときの絶望に移り変わる顔は最高だったがな」といい笑い出す。
いつからだろうか...唯一味方でいてくれた母親にさえ冷たく接するようになってしまったのは...
「さて無駄話もここまでだ!お前もさっさとあの世に送ってやるよ!!」
そういい首を絞められる。
「・・・(このまま俺は死ぬのか...これでやっと楽になれる)」
そう思い目をつぶるとある言葉をを思い出す。
「幸せになるのをあきらめちゃだめよ!あなただけは生きててほしいの!生きていれば必ず報われる日が来るのだから!」
「(そうだ...生きなきゃ...幸せにならないといけないんだ...)」
そうは思うものの押さえつけられる力が強く抜け出せない。
「ほらっさっさと死ねや!!」
さっきより強い力で首を絞められる。
「(息が…もう…続かない…)」
その時、急に頭の中に声が響いてきた。
「生きたくはありませんか?」
「(誰だ?幻聴か?)」
「生きたければ答えなさい」
「(もう僕は死んでいるのかな…聞こえるはずない声が聞こえる…でも…僕は生きたい!!)」
「その答えを待ってました」
そう聞こえると浮遊感が僕を襲った
「!?なんだこれ!?何しやがった!?」
その狼狽した声を聴くと同時に意識がなくなった。