8.愛猫は…
いつまでも玄関に居ても仕方がないので風呂に入り、すぐに着替えた私は、猫子を膝枕して今日の出来事を撫でながら話していた。
「猫子、私、次に鈴桜と会った時にどんな顔すればいいんだろう…」
「私と話とかも、してくれなくなるのかな…」
そうして私は猫子に悩みをぶちまけ続け、撫でる手が疲れてきたところで猫子を膝からおろし、自分と猫子のご飯の準備をしに台所へ向かった。
「食欲湧かないし、軽いものにしよ…」
私はたくさん買っておいていたカップラーメンの1つにお湯を注ぎ、猫子のいつものキャットフードを持って、リビングへと向かった。
「猫子ー、ご飯だよー」
いつもならば私の元へ急がずとも必ず来るはずの猫子が珍しく来ない。
(私の話が長かったせいで疲れて寝ちゃったのかな…?)
そう思った私はキャットフードを一旦置き、猫子がいるであろう場所を探した。
「猫子ー?」
いつも猫子がいそうな場所に向かうと横たわっている影を見つけた。
「よかった、やっぱりいた…?」
猫子を見つけたと思い安心した私の目の前にいたのは猫子ではなく…
「鈴桜…!?!?」
先程まで、私と一緒にいて、玉砕した相手である鈴桜が横たわっていた。