5.猫カフェ
「猫カフェってこんな感じなんだ!わぁー、猫ちゃんいっぱいいるー!」
「…そうだね。」
私は、今日の目的を一瞬忘れてしまうほど、はしゃいでいた。しかし、対極に鈴桜はあまりはしゃいでいるようには見えない。
(あれ?もしかして反応があまりよろしくない…?)
鈴桜の表情を見た瞬間にテンションが元に戻り、冷静になった私は鈴桜に尋ねる。
「鈴桜、もしかしてあんま好きじゃない感じ?アレルギーとか?」
「アレルギーは大丈夫。猫は嫌いじゃ…ないよ。」
どうやらアレルギーではなく、猫も嫌いではないようだが鈴桜はとてもぎこちなく答えた。
(なんか楽しんでるって感じじゃない気はするなぁ…よし、ここは猫によく懐かれている私が手本を見せよう!)
そうして、私は鈴桜に楽しんでもらえるよう、近くにいた猫を優しく抱きかかえ撫でながら鈴桜に教える。
「鈴桜もこうやって猫を抱きかかえて、ここらへんを撫でてみて。」
「・・・」
鈴桜は私に言われたように猫を抱きかかえるも、なぜか表情が更に固くなったような気がする。
(あれ…リアクションが思ってたのと違う。)
そうしている内に猫カフェで1時間が経過した。
(全然猫が寄ってこなくなってきたな、眠くなってきたのかな…?)
「そろそろ出よっか。」
「うん。」
私は多少猫カフェを名残惜しく思いつつも、鈴桜と共に猫カフェを出た。
そして、近くのお店を何ヶ所か回り…
告白のタイミングが刻一刻と近づいていた。