殺し屋ガールズ
バンバンズバンズバン
私には双子の妹がいる。しかし、後三日で死ぬ。いや、私が死ぬ可能性もあるのだけれど。
「十五になった時、お前達は殺し合って貰う」
そう言われて生きてきた。妹は、剣を。私は銃を磨いた。勿論、互いに殺せるように他人を殺してきた。安心してほしい、殺したのはクズ共だけだから。
「アン姉さん! 三日後ですよ~殺し合うの? 死ぬ準備はできてます~?」
死体を切り分けながら私に聞いてくる。
「そっちこそ、できてんの?」
私は切り分けた死体を袋詰めにしながら、聞き返す。
「勿論! 姉さんは強いからきっとッ」
「ハイ! そこまで。処理に専念するよ」
ん? なぜ、話を遮ったんだ? まっいっか、集中しよ。
四月四日午前四時四十二分四秒
「おめでとう、お前達は十五に成った。ずっと言ってきているが、今一度言おう。どちらかが、殺されれば良い。どちらかの手によってな。手段は選ばん。名乗り出ても良いし、殺し合っても良し。好きにすれば良い」
腹を肥やしたジジイが言ってくる。
「姉さん、どうします?」
剣の先端をこちらに向けながら言ってくる。
「シズはどうなの?」
今気づいた事だけど、十年は名前で呼んでなかったな。
「わお! 覚えてたんだ!」
・・・そんな驚かなくても。
「はぁ~忘れるわけないでしょ? 妹の名前を」
そう、忘れない。名前だけじゃない、今までの事も覚えてる。忘れるわけない。
「姉さんが初めて銃を撃った時、当たりそうになったな~」
ム。
「それを言うなら、アンタだって私の事斬りかけたじゃん」
五歳の時だ。初めて、剣を手にしたとき、私はシズに殺されかけた。それと同時に私も殺しかけた。
『当たんなくてよかった!』
本当に、本当に当たらなくてよかった。だってそうでしょう? あのとき、当たっていたら今がないじゃん。
「だから」
「決めたよ」
流石、双子と言うべきか。どうやら、考えていることは同じみたいだ。
『クソ豚ジジイ! テメェをブッ殺す!』
驚いた顔。まさか、こんなことになるなんて思ってもなかった顔。最高じゃん。
「まっ待て! そんなことしたら!」
るっせぇ。死ね。
「やっちゃた」
「姉さん容赦ないな~」
アンタも腹を切り裂いただろ!
「さぁどうしましょう」
さて、どうするか。どう、生きようか。
「殺し屋にでもなる? 姉さん」
殺し屋、良いな。銃も使えるし。
「さぁ行こう、シズ?」
「うん!」
え?